三日間限定 (1)
校門には「嵩纒市立把異第零中学校」と
書いてあった
ここが、三日間だけ俺が通う中学校
校舎は所々タイルが剥がれており、室外機の様な物は薄汚れていた
グラウンドを歩くだけで人々の視線をめっちゃくちゃ感じる。制服は教室に置いてあるから私服で来ていいよと言われたから猫のTシャツなんか着てくるんじゃなかった
「おお、君ガ新入生クンか!教室まで案内スるよ」
「あ、ありがとう…」
唐突に話しかけてきたそいつは誰かさんに似ていた。しかもどっかで会ったような
ま、いっか
教室には案内してくれたそいつと俺しかいなかった。机に丁寧に畳まれた制服が置いてあり、とりあえずそれを着る。みずいろのブレザーにチェックのズボンだ
「で、お前は何なの?」
「エ?!入学式で会ッたのに忘れちゃったノですか?」
「入学式…」
「あ…っ!」
そうだ、思い出したこいつはこいつ
こいつは…っ
「吉田一郎の代理ロボットか?!」
「正解でス!」
どうりで一郎に似てると思った。この学校の生徒だったのか
「てか普通に喋れるじゃねぇか!」
「あれは代理ロボットだったからですよ…普段ハ普通に喋れマす」
にやけた面も吉田一郎そっくりだった。腹が立つ顔しやがってぶん殴りてぇ
「はーい、はいはい、席ついて。出席とるよ」
早歩きで痩せている髪の短い男が入ってきた。
あれが多分、担任なんだろう
「でも先生、まだ二人しか来てませんよ」
「仕方ないでしょ、臨時クラスなんだから。
鯛里路掘くん〜?」
「イエス、マスター」
鯛里路掘…?!なんつー名前してんだ
「田山花袋…じゃ無かった夏目金之助くん」
「…はい」
「以上、全員出席と。じゃ、朝会あるから体育館まで移動して」
「はい」
「了解」