俺は夏目金之助
入学式が終わり、担任の先生に連れられ
教室に辿りついた。教室はあまりにも普通だった
窓は割れてないし、落書きもない
ただ、問題はこのクラスのメンバーだろう
「とりあえず先生は準備をしてくるので、教壇の
紙で自分の座る席を確認しとくよ〜に」
まるで幼稚園の先生みたいな言い方だった
先生が出ていったのち、早速俺たちは教壇に置かれた紙を確認する
待てよ…そう言えばまだ俺の名前をこの世界に来てから耳にしてないな。つまりこれが俺の名前を確認する最初の場面になるのか
少し待とう
しばらくして、大体の人は自分の席に座った
残りは二席
名簿にある名前は…
"17番 夏目金之助 "
"16番 吉田一郎" のふたつ
うん、吉田一郎で決定だな。夏目金之助だけは
絶対にない、てかあってはならない
俺が虞美人草を書けるわけないし、芥川龍之介を
弟子にすることも出来ない。そうだろ
俺は名簿にあった席へと歩いた。そこには
「うん?君、席間違ってるよ」
「いや、君が間違っている。そうに違いない」
メガネをかけた痩せ型の男が座ろうとしてた
「君は違うだろぉ!君は夏目金之助!ここの席じゃない!!」
「違う!お前が間違っている!俺は吉田一郎だ!
何があっても吉田一郎なんだぁぁあぁ…!!」
「ちょっと〜誰かこの人どうにかしてぇぇえ!!」
…縛り付けられてしまった。席に
どう足掻いても俺の名前は夏目金之助らしい
出席番号16番 夏目金之助
待てよ、俺が16番ということは
「もしかして…お前、入学式で代理ロボット座らせてた奴か?!」
「な、何で分かったの?!」
「誰でも分かるわ!!入学式に代理ロボット出席させる奴がいるかよ!」
「だって…学校に来る途中の草原で寝てたら、入学式の時間になっちゃったんだもん!仕方ないから」
「この…ドあぁぁほっ!!!」
俺は彼を叩こうとしたが、腕が動かせないので
叩けなかった
そうして、俺が手足をバタつかせていると、教室に
担任が入ってきた