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終わらない夏の日に  作者: かんかん
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夏祭の夢

僕は光流と別れた後、自宅で考え事をしていた。

勿論、あの神社のことと、異空間のことだ

何故僕は異空間のことを夢で見たのか・・・。

あの神社には一体何が隠されているか・・・。

などと考え出したらキリがないほどに不思議なことが多かった。

まずまず何故ループが起きているかなどもまだ謎なのだ

今日という日のことは何度ループしても思い出せるようにしよう。

なんて思っていると、少しだけ眠気が来た

「あー、寝れそー」

何て呟き布団に潜る

目を瞑り、明日にでも考えよう、と思い寝ようとした

その瞬間だった

ガタン、と近くで音がした

音の方向はクローゼットの中だった

「なんだよ・・・こんな時にやめてくれ・・・」

少しの恐怖を感じながらクローゼットを開ける

そこには・・・

「古い書物か何かか?」

薄汚れた書物だった。

書かれてから相当な時間が経っているのだろう。

シミなどの汚れも気になる

書物を手に取り表紙を見る

文字が掠れていて、あまり読めないがこれだけははっきりわかる

「夏祭神社・・・?」

何て都合の良い展開なのだろうか

これを見ればあの神社の謎に近付けるだろうか。

なんて思いながら僕はスマホを手に取り、光流に電話をかける

『おい何時だと思ってんだ』

不機嫌そうな声が帰ってくる

「あの神社の謎についてわかるかもしれない。今から来てくれ」

『あぁ?今からー?めんどくせぇなぁ』

そう言いつつも通話の方からはガサガサと音がする

『今から向かうから待っとけ』

そう言い通話が切れる

僕はその間に、書物が他にないかを探す

そして数分後に家の古めかしい音のインターホンが鳴る

『来てやったぞ』

インターホンから声がする

「よく来てくれたな」

そう言い、扉の鍵を開ける

そこから眠そうな顔の光流が姿を表す

「さてと、あの神社について、謎を解明しに行くか」

「期待が重いんだよ」

と、呟き寝室に向かう

「これだ」

書物を手にして、僕は言う

「きったねぇなぁ」

この際口が悪いのはスルーしよう

そして読み始める

読み進めていくと何個か気付いたことがある

「昔の東雲山の管理人が書いたみたいだな」

そう光流が言う。

「そして、あの神社はもともとあったわけじゃない」

これは書物に書かれていたことだ。

ある日急に異様な雰囲気が漂う神社が出来たらしい

そしてその日は島の恒例だった夏祭りが行われていたらしい。

その関係から夏祭神社と名付けられたらしい

そして・・・

「この筆記体、見たことがある。じいちゃんの書き方と似てる」

僕は呟く

多分これの筆者は僕の先祖だろう

代々受け継がれてきた書物、と言う感じはしないが何故このタイミングで来たのか、何て思うと不思議で仕方ない

「やっぱあの神社はこの世の物じゃなかったみたいだな」

「あぁ、そうみたいだ。でも何であの神社だけがこの世界に来たんだ?」

「もしかしたらあの神社だけじゃない可能性もあるだろ?」

何て考察を言い合いながら謎に迫っていく

すると頭に衝撃が走った。

もうそんな時間かと思い眠りについた


また起きても変わりは無かった。

九月八日の朝、それ以外の手掛かりもなくまたまた手詰まりだ。

それでもまだ試したいことがある。

今日も始めようか


ループを


また数日が経ち、気付いたことがある。

一つ、あの神社が無くなるのは、ループの輪の中にいる人間だけだと言うこと

あの日の後みんなで行ってみたが変わりはなかった

そしてその後光流と二人で行った時はあの異空間へと進めた。

二つ、夢に見たことは現実になり得ると言うことだ。

体感は二十%。

この前に夢で見たのが翔が風邪をひいたことだったのだが、その日、翔が風邪をひき休んでいた。

夢は変化に何か影響を及ぼすのだろう

・・・僕は本当に人間か?

などと思ってしまうほど不可思議な事が多かった


そして時は訪れた。

夢だいつもの夢と違う感覚。

そう、あの神社の夢だと、一瞬でわかった

でも場所が違う

今回はトンネルの前に僕はいた

辺りは真っ暗であるのはトンネルの蛍光灯だけだった

そしてまた引き込まれるように進んでいく

内心には恐怖を抱えつつ、進んでいく

暗い中のトンネルは不気味で幽霊でも出るんじゃないかと思った。

少しずつ蛍光灯が少なくなる

電気が切れている蛍光灯も多く見えた

そして次第に電気が全て消え、まだ歩いていると

見つけた。神社だ

夏祭神社

辺りはやはり真っ暗だが神社の境内に多く街灯があった

何故こんな場所にあるのか、ここも異空間なのか、などと考えることも多い

神社に進んでいく。

街灯を抜け、歩いていく

そして、

僕の意識が途絶えた


目を覚ます。

何も変わらない寝室に少しだけホッとしてしまう

あの夢はやはり、前に見た夢と同じなのだろうか

もう少し情報が欲しい。

今日にでも、光流と一緒にあの場所に行こう。

あの場所に行けるのかもしれない。

と、思っていた。

二人で行っても変わることは無かった。

あの海の異空間だった。

トンネルに着くことはなく、ただ海が続くだけ。

何故だろうか?

僕たち二人で行った時はこの場所に来れた。

あのトンネルも同じだと思った

だが違った。

あのトンネルには着かずに海の異空間に行くだけ。

あたりを見回しても、トンネルらしきものはなく、神社があるだけ。

だったらあの異空間は何なのだろうか

もしかしたらまた違う種類かもしれない。

異空間ではなく、違う空間だったのだろうか


そんなことを考えながら行動していると、いつの間にか数日が経っていた。

やはり手詰まりの状態は変わらない

希望なんてとっくに枯れていた。

そんな時だった。

いつも通り教室に入った時だった。

ダッと、何かが僕たちの前に立ち塞がった

「ねぇ!!」

怒気のこもった声だった。

その正体は玲奈

いつもと雰囲気が違う

「なんで今日が九月八日なの!?」

またこの流れか。

「よし来い。」

僕は玲奈の腕を掴み走り出す

「ねぇ何なの!?」

「後で説明するから!!さっさと走って!!後光流も来い!!」

「お、おう!!」

三人で第二校舎に走った

いつもの空き教室で僕たちは座っていた

「えーと、まずはようこそ玲奈」

僕がそう言うと、困惑した顔をしている玲奈が言葉を放つ

「まず、なんで今日が九月八日なの?それは昨日のことじゃないの?」

「その通りだ。僕たちは九月八日にあの神社に行った。そして不思議な体験をした。」

「だよね。それじゃあスマホのバグ?」

「それは違う」

「根拠は?」

「ここにいる人たちは今日が九月八日なことに疑問を抱いていない。つまり九月八日が普通だと言うことだ。」

すると玲奈は顎に手をやり、考え出す

「えぇっとつまり私達は九月八日に取り残されたってこと?」

「取り残されたっていうよりかはループしているっていた方がいいかな」

「ループ、ループかぁ・・・」

スマホを取り出し、日付を確認する玲奈

そして

「信じたくないね」

と、一言そう呟いた

「できれば俺も信じたくねぇけどよぉ」

とか言いながらこちらを見る光流

「実際色々な体験してるからなぁ・・・」

三人の中に沈黙が流れる

改めてループの恐ろしさが身に染み渡った

でも、どれだけ困難なことでも僕達は帰るんだ。

あの日常に












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― 新着の感想 ―
[良い点] めっちゃ良かったです!! ミステリーな感じが最高でした!! [気になる点] 高校何年かは気になる [一言] 続き頑張って!!
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