ある能力者
昔ある場所の小さな村に、超能力者の少女が住んでいた。
少女は予知的な超能力をもつ。予知が訪れると人々にあるヒントであるワードを残す、少女の頭に思い浮かぶもの、それは短いワードであり、ワード自身は思い浮かんだ時にはよく意味が理解ができないのだが、他者に訪れたワードは他者に伝え、自分に訪れたワードは自信で解釈する努力をする、得にワードを受け取った当人がよい行いをすると、その言葉の意味を理解できる瞬間があり、その通りにすると幸運な結果が訪れるという。
(条件付きの超能力者)
ということでシャーマンと同じように、村の人々はその少女を大事にした。少女は自分で自分の能力を人々にこう説明していた。(人を助けようとするとき文字が思い浮かぶ)と。実は少女は、予知夢を見ていただけなのだが、少女は少女が生み出すワードが《夢》が根拠になっていることを人々におしえずにいた。
ある夜男が忍び込み、少女を誘拐して、自分の部屋に隔離してしまった。男の願いは、病気の母親を生きながらえさせること、少女は犯人に同情し、犯人のために力を使おうとするが失敗した。犯人は目的をおえたので、少女を返したが、罪に裁かれた。直に彼はその罪を全うした。禁固7年。
しばしの歳月がすぎ、その頃幸運の予言をするという少女のうわさは村から村、国中にひろまっていた。国王がそれをみみにするとすぐ少女は村から、宮殿に招かれた。ここで暮らすがよいと王につげられ、しばらく予言をして豪華絢爛な生活をしていたが、しばらくして王は少女に王子との結婚を申し出た、しかしその結婚の話がでてから、少女は夢を見る事ができなくなる、しばらくの間能力を力を発揮することができず、王は少女にあきれ果てて彼女をを村に返した。
村へ帰ると、村は変わり果てていた。少女がいなくなり、ドンドン貧乏になっていったのだ。少女は自分のしたことに絶望した。少女が村人に発見され、つかまると、少女は地下に閉じ込められてしまった。村人は少女を二度と逃がさないときめ、地下牢にとじこめたのだった。そんなところへ、2か月ほど放り込まれていたあるひ、少女は地下牢からでるようにと命じられた。
《この環境では能力が発揮できない》
と進言したものがあるそうだ。それはある男で、かつて罪を犯した罪人だった。だが実は最近彼は、村長の隠し子だったという事がわかり、罪を反省していこう村のためにいくつかの重要な仕事をしている男だという。少女は男にたすけられ、数週間ぶりに牢をでて、その男をみた、それはかつて少女を誘拐したあの時の男だった。男はいう。
『あのとき、いつものように能力を使えなかった理由を私はなんとなく知っているきがします、強要されるとあなたは能力を発揮できないのですね、あなたは人が善い行いをし、自分も善い行いをするときにだけ能力が発揮されると話した、それはどうやら事実らしい』
そうやって男が笑うと、近くにいた村長が
『はなしてやりなさい』
という。どうやら村の若い衆の暴走で少女はつかまっていたらしかった。村長はいう。
『あなたが幸福になればいいとおもって私はこの村をでて王のもとへいくのをみおくった、それにかつて彼女はみなしごだった、みなしごだった彼女を助けたのは我々村人ではない、村人に差別されていた老婆だった、彼女は本来自由の身だ』
そして、かつて少女を誘拐した男はいう。
『どこへでもすきなところへおいきなさい、あなたの力を縛ることがない場所へ』
村長のいうように、実は少女はこの村で大切にされる前は捨て子であり、占い師の老婆に育てられて幼少期をすごし、村では差別されていた。だから人にすべてを話さなかったのだが、《良い夢をみなければ予言はできない》という事実を。それは今でもかわりはなかった。少女はどこへでもいけると知ってまよったが、しばらくその村に滞在するうちに、かつて生まれ育った村が荒れ果てているのをみていてもたってもいられなくなり、少女は村にのこり、生涯、人々がよい《夢》をみられる事ができるようしようと決心したのだった。