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37 精霊祭の日 3/7

 この世に生まれ落ちて初めてやったことは、管理者たちとの共闘。管理者の持つあの青い石に封じられた「アレ」は名を持つこともなく、闇に消えた。

 そこから先は管理者たちの仕事だからと、初めてこの世に生まれ出た魔族であるそれは好きに世界を見て回ることにした。

 だが地上はそいつにとっては明るすぎて、少々居心地が悪かった。

 もう一つの世界を地上に繋げ、そいつはその世界に引き籠ることにした。のちに魔界と呼ばれることになるそこは、年中暗くて、生産性がなくて、常に雷の鳴り響く場所だった。

 初めての魔族であるそいつはそこを気に入り、自分の好きに作り替えることにした。作り替えるといっても、多少自分が住みやすいようにするだけだ。

 管理者たちから聞いた他の世界にあるという「城」というものを構築してみた。ちょっとトゲトゲさせすぎたかとも思ったが、丸みを帯びているよりはそいつの好みだと納得してその一番広い部屋に入った。

 この城に入れるのは自分が認めた者だけにしよう。そうすれば煩わしくないだろう。

 地上では「人」が文明を築き始めたらしいが、そいつには知ったことではない。ただ、ちょっとだけあの膨大な力を持つ封印された「アレ」のことは気になった。

 「アレ」の力を我が物と出来れば、今よりもっといろいろなことが出来るのではないだろうか。なんだったら、管理者に成り代わることだって。


(いいや、それは面倒だな)


 そう、面倒だ。他者のために身を粉にして働くなんて。それも自分よりうんと弱い者のためにだなんて!

 もし自分が誰かのために動くのならば、自分より遥かに強い者のためがいい。

 そんなことを考えながら無為に流れる時間を見ていた。

 そしてある日、突然やってきたのは子どもの姿をした魔族。彼はそいつを圧倒的な力でねじ伏せ、そいつの場所である玉座を奪っていった。

 怒りはなかった。ただただ、感激した。

 あの管理者たちに協力を乞われる立場だったそいつを一瞬にして地面に叩きつけた彼は、詰まらなそうにそいつを見た。


「なんだ、魔族の王と呼ばれている者がいると聞いたが、この程度か」


 ああ、なんて王に相応しい者なのだろう!


「ならば、あなたさまが今日から新たなる魔族の王となられればよろしい」


 彼――ヘルマスターはふんと詰まらなそうに鼻で笑った。

 彼のためになるならばなんでもしたいと思った。彼と同じものが見たいと思った。彼のそばに置いてもらえるのなら、どんなことにでも手を染めよう。


(だから――)


 今、まさに王を堕落させる存在がいる。それを消さなければ。

 初代魔族の王と呼ばれた者はヘルマスターの目を盗んで地上へ降りた。

 向かう先は、雷魔法族の集落。

 ただし、あの王を堕落させる元凶を消したことは誰にもバレてはいけない。事故に見せかけるのが一番いい。


(ああ、面倒くさい)


 いっそあの「アレ」の封印ごと消し飛ばすことが出来たなら楽なのに。それをやってしまえば、飛ぶのは自分の首だろうことはわかっている。

 やめることは出来ない。だって、あの女――管理者たちの娘は王を堕落させるのだから。

 木々の闇に紛れてあの女のいる家に近付く。幸いにして集落の外れだ。人目は多くないだろう。

 ――そう思っていたのに。


(どうして神族のやつらまでこんなところに……)


 ぎりと歯噛みする。

 たった一人。たった一人殺すだけなのに、邪魔が多い。


(いや、今は封印が緩んでいる……アレの余波に充てられた者が暴走したのならば、家一つなくなることくらいある)


 ただやはり神族だけは邪魔だ。しかもあれは四天王を自称するシアリスカ・アトリ。そう簡単には倒されてくれないだろう。いや、倒せたところであの<聖帝>が黙ってはいない。


(厄介な)


 出直すか。

 いいや、機会はそうあるものでもない。

 そいつは魔力を練り――背後から心臓を一突きにされた。


「……は?」


 気配などなかった。感じなかった。

 ヘルマスター以外に己を出し抜ける者がいるはずもない。……ヘルマスター以外に?

 こふりと血を吐き出しながら、振り返る。

 いつものように詰まらなそうな顔をした美貌の男――ヘルマスターが立っていた。薄紫の髪が風に揺れている。


「な、ぜ……あなた、さまが……」


 魔核を傷つけられたのだろう、身体に力が入らない。


「何故、だと? わからぬか」


 ふん、と王は鼻を鳴らす。

 ざわざわと木々が風に揺れる。王に勝てない己を嘲笑っているかのようで気分が悪い。


「何故、です……あの女はあなたさまを堕落させる魔女ではありませんか! わたくしが目を覚まさせて差し上げようと……」

「自惚れるな、ミストヴェイル」


 そいつ――ミストヴェイルは崩れ落ちながら、己の王を仰ぎ見た。

 冷たい双眸が彼女を見下ろしている。

 びくりとミストヴェイルの身体が震えた。


「何故、我が貴様を今まで生かしていたと思う」

「……?」


 くつとヘルマスターは喉の奥で笑う。


「初代の王として、我を生み出してくれたことに感謝しているからよ。なぁ、初代族長ミストヴェイル――生き恥を晒す気分はどうだった」

「――ッ」


 恐怖。

 肉食獣を前にした子ウサギでしかないと気付いた。

 痺れる全身を叱咤してミストヴェイルはヘルマスターに背を向けた。無様に走る。己が逃げ出していることなど意識していなかった。


「ふん……無様な」


 恐怖だ、これは。

 いつあの王たる魔族を生み出したのかなど考えたこともない。ミストヴェイルの溢れる魔力を吸って成長した者は多くいるだろう。その中の一人だった? わからない。

 とにかく今はあの魔族から離れたい一心だった。


 +


 精霊祭がいよいよ始まる時間だ。

 ホウリョクはギンと共に港にいた。人は疎らで、聞き込みも芳しくない。

 水魔法族の集落へ向かうか、それとも人の集まるらしい集落の中心へ行くか。悩んでいるときだった。

 ギンがなにかの気配を察知してホウリョクの前に出る。大太刀を抜き、勢いよく飛び出してきたそれを断ち切った。


「――ッ」

「おまえ、は……」


 膨大な魔力を垂れ流し、風船のようにしぼんでいくそれは――<五賢王>ミストヴェイル。

 彼女はギンの一太刀で魔核を割られ、その場に倒れ伏した。

 何故こんな場所にこの魔族がいるのだろう。いや、それよりも今は。


「……ギン……」


 ギンは大太刀をミストヴェイルに突き付けたまま、その骸を静かに見下ろしている。

 表情が見えない。

 もう動かないミストヴェイルのように、ギンも動かない。


「……ギン」


 もう一度、呼ぶ。

 ギンははぁと長いため息を吐いた。


「なんや、死んでもたな」

「……」

「復讐、に、なんねんか、これ」

「どう、でしょう……でも、トドメを刺したのはギン、ですよね」


 せやなぁ、とギンは空を仰ぐ。

 風が吹く。

 ギンの短い髪を揺らす。


「…………復讐って、虚しいなぁ」


 はは、とギンは笑って大太刀を鞘に戻した。

 ホウリョク、と滅多に呼ばない名前で呼ばれる。


「はよ、ジェウセニューを探したらんとな」

「……はい」


 ギンはホウリョクにもミストヴェイルの骸にも背を向けて歩き出す。方角は、集落の中心。

 ホウリョクはギンが見ていないことを確認しながら、ミストヴェイルの骸――魔核を踏みつけて体重をかけた。バキ、と完全にそれが砕けたのを確認して、ホウリョクはミストヴェイルを見下ろす。


「もうこれ以上、ギンを煩わせるんじゃねーですよ」


 声なき悲鳴を上げて、ミストヴェイルの身体が泡のように消えていく。

 ホウリョクは靴底を地面に擦り付けて魔核を取り除いた。

 ギンがこちらを振り向くのに合わせて、ぱっと走り出す。


「なにしよんねん」

「え? なにもしやがりませんよ?」


 ふぅん、とギンは気付いた様子もなくまた足を速める。

 ホウリョクは横に並んで歩きながら、そっとギンの想い人を思った。


(こんなに想われてるのに、さっさと逝ってしまうなんて……本当に、酷い人)


 けど、自分だってギンの傷心につけ込んでいるようなものだ。彼は優しいからこうして隣を歩いていても拒絶しない。


(ギンは黙って、幸せになりゃーいいんですよ)


 もう復讐する相手はいない。少しは眠れるようになればいい。


「早くジェウセニューくん、見つかりやがればいいですね」

「せやな」


 日が傾き始めている。そろそろ祭りが始まる時間だ。

 二人は一瞬だけ顔を見合わせ、走り出した。


 +


 人々が集落の中心に集まり始めている。いよいよ祭りが始まるのだ。

 なのに、宣言をするはずの精霊神官が誰も姿を現さない。何事だと人々は騒めいた。

 待ちきれずに騒ぐ者がいる。始まらない祭りに困惑を隠せない者がいる。まだかと声を上げる者がいる。なにかあったのではと族長たちへ確認する者がいる。様々な者がいた。

 その波を押し退けて、ヴァーンはルネロームを伴って講堂の前に出た。


「内側から結界が張られているな」


 さわりと魔法族たちが騒めく。顔は見たことがないが、彼らには何故かわかった。彼が神族族長だと。


「講堂には、精霊神官の方々が……」


 おずおずと声を上げたのは光魔法族シャイリーンの族長。最大限の礼を取り、ヴァーンに近付いた彼は頭を下げて事情の説明を求めた。

 ヴァーンはそれを見、結界の張られた講堂を見上げる。


「今日は祭りの日だ。精霊祭はじきに始められる。だが……少々、精霊神官たちと話さねばならないことがある。それが終わればすぐに祭りが始められるように準備をしておくといい」

「はい……っ」


 七人の族長たちがそれぞれに声を上げ、魔法族たちは自分の集落に戻り最後の仕上げに取り掛かりに散っていった。

 ヴァーンはそれを見てほうと息を吐く。


「カムイ、シュラ、ロウ、シアリスカ」

「はい」

「なぁに」


 ヴァーンを囲むように新しく現れた四天王たちを見回し、頷く。

 そして声を抑えて命を下した。


「もしものことがある。最悪の事態を想定し、魔法族の集落に結界を」

「……まぁ、この七つの集落が消えるだけで済めばいい方でしょうね」

「ヴァーンはどうするの」


 シアリスカがヴァーンを見上げる。

 ヴァーンはちらと横に立つルネロームを見て、静かに頷いた。


「おれとルネロームで講堂の結界の中に入り、精霊たちと接触する。恐らく、そこにジェウセニューもいるはずだ」


 ヴァーンは講堂の下を見下ろす。

 この下に、アレックスたちが封じた者がいる。そこに、ジェウセニューも連れていかれたはずだ。

 ただ、わからないのはアーティアとヴァーレンハイトの姿が見えないことだ。彼女の目ならばヴァーンたちが追うより早くこの場所を突き止められただろう。


(もしかして、先に中に入ったか?)


 ヴァーンたちがルネロームの家に着いたとき、そこにはルネロームを宥めるノエルとパニック寸前のリングベル、そして緊張を隠さないシアリスカがいた。

 一度、集落の者たちがルネロームを慰めに来たらしいが、知り合いがいてくれるからとやんわり帰ってもらったのだという。確かに、これからやってくる神族上層部のことを考えるとそれは正解だっただろう。

 やっとやってきたヴァーンに縋りついて、ルネロームは取り乱さないのが不思議なほどに憔悴していた。


「どうしよう、ジェウが……ととさまが……」


 落ち着けと何度言ったところで無駄なようだった。ヴァーンはそっとルネロームの背に腕を回し、自分の胸に彼女の耳を押し付ける。


(確か、心音を聞かせると落ち着くのだとどこかで聞いた)


 それが効いたのか、ルネロームは深呼吸をしてヴァーンを見上げた。小さな声でごめんなさいと呟く。

 それからは早かった。

 ノエルが魔族の気配がすると言ったときは苦虫を噛み潰したような気持ちだったが、少し待っても現れる様子はない。

 出てきたら出てきたで対応すればいいということで、ヴァーンたちはジェウセニューの気配を追った。

 そして辿り着いたのが、この集落の中心。


(ジェウセニュー……)


 無事でいてほしい。

 横に立つルネロームと視線を合わせる。ルネロームはこくりと頷いた。

 四天王たちが四方に散ったのを見送って、ヴァーンは講堂に張られた結界に手を添える。淡い光を放って結界は人ひとり通れるほどの穴を空けた。

 ルネロームをそこから通し、自分も中に入る。結界から手を離すとまたもとのようにきちんと張られたのを見届けてヴァーンはルネロームの背を押した。

 講堂の入り口は二枚扉。それをそっと押し開けると青白い空間が広がっていた。

 重たい魔力が圧し掛かり、水の中にいるような錯覚を覚える。

 ここに七人――いや、五人の精霊神官たちがいるはずだ。外の結界は彼らのものだから。二人足りないのは、報告によると老衰と病で神殿から動けない者がいるから。

 ヴァーンは周囲を見渡す。どれほど広い空間なのかわからない。

 ルネロームが声もなくヴァーンの手を握った。小さく震えている。

 いくら本人が管理者の娘で、<雷帝>とまで呼ばれるような力を持つ者であっても、一人息子がこんなわけのわからない場所に連れていかれたのだ。不安になるのも無理はないだろう。

 ヴァーンは握られた右手を小さく握り返す。ほうとルネロームが息を吐いたのがわかった。

 しばらく当てもなく歩く。

 アーティアのように魔力感知能力を持っていれば真っ直ぐに目的に向かって歩けただろうか。いや、ここは既に封印の中のようなもの。この青白い空間はある意味「ヤツ」そのもの。

 下手に魔力感知能力を発現させようものなら目を回してしまうに違いない。

 歩けば歩くほどに身体が重たくなるような気がした。


「ヴァーン、誰かいるわ」


 くいとルネロームが右手を引く。

 指差す先を見れば、確かに人が倒れているのが見えた。

 慌てて駆け寄ると、それは水精霊神官だとわかる。名前は確か、ラキア・ウォルタ。


「おい、しっかりしろ」


 顔色は悪いが、外の結界が無事だったことから魔力は正常に巡っているはずだ。

 正装をしたラキアは海色の目を薄っすらと開ける。


「……何故、神族さまが……」

「そんなことはどうでもいい。状況を報告しろ」


 はい、と青年は辛そうな身体を起こし、上だか下だかわからない場所に座り込む。


「祭りの準備のためにオレたち精霊神官は講堂に集まりました。そのとき、講堂から禍々しい魔力が溢れてくるのを地精霊神官のスーシャさまが感じ取り、不在の闇精霊神官オンブラさまと風精霊神官カノウさまを除いた五人で講堂に入りました」


 はぁ、とラキアは居心地悪そうに息を吐く。


「そうしたら、もう講堂の中はこんな……わけのわからない空間になっていて……オレは慌てて外に漏らさないように結界を張ったんですけど、他のみんなとは逸れてしまって」


 恐らく他の者たちも同じことを考えて結界を張ったのだろう。五人分の精霊神官の結界は上手く混じり合い、一つの結界となっていた。


水精霊ウォルティーヌ守護精霊ガーディアンはどうした」

「水精霊はここに。ストラ……守護精霊は今、周囲を探ってもらっています」


 ぼんやりとした水の塊のようなものがラキアの肩の辺りに漂っているのが見えた。

 ヴァーンは精霊の無事を確認してほっと胸を撫で下ろす。


「バラバラになったのは不幸中の幸いかもしれんな。一か所に集まっていて、一気に精霊を殺されたのでは目も当てられん」


 うわぁ、とラキアは頬を引き攣らせた。

 重たそうな正装を引き摺り、ラキアはようやく立ち上がる。


「神族さまがいるということは……先代ラドミッドさまから聞いた話は、本当なんですね」


 なにかと視線で問えば、ラキアはこの地に封印されているもの、精霊と精霊神官の役割を正確に話した。


「どうしてそれを先代が知っている」


 ラキアは一瞬だけ言葉に詰まり、俯いたまま答える。


「ラドミッドさまは、先代炎精霊神官カノウェルさまがお亡くなりになる前にお聞きしたとのことでした」


 カノウェル・ファイニーズ。カムイと親交のあった炎魔法族ファイニーズだ。

 彼は歴代の神官の中でも特に精霊との同調が上手く、扱いに長けていたと聞いている。ならば精霊の知る真相に辿り着くことはわけないだろう。

 聞けば、前日に風精霊神官カノウに(闇精霊神官オンブラを除く)全精霊神官が呼び出され、封印のことを聞いているという。


「最近、集落が騒がしいから……もしもなにかあったらということで、精霊神官のみ情報を共有しました。まさか、オレたちが守っていたものが、こんなに恐ろしいものだったなんて……」


 若いラキアには殊更に衝撃だっただろう。

 集落の騒がしさは報告でヴァーンも知っている。突然凶暴化して暴れまわったり、意味不明な行動に出る者がいるのだという。それは精霊神官の払いの儀でどうにかなるらしいが――それもこれも、恐らく封印が緩んでいるから。

 数年に一度の大きな祭りである大精霊祭が今日だった。毎年行う小精霊祭では補いきれない綻びを繕う唯一の日。

 だが、それを前にしてことは起こってしまった。


「……水精霊神官、今すぐに出口を探し、ここから出ろ」

「! でも、まだ他のやつらが……」

「出会ったときに声をかけろ。敢えて探す必要はない」


 ぐっと青年は拳を握り締める。

 その頭をヴァーンは乱暴に混ぜ返した。


「他の者はおれたちが探して外に出るように促す。おまえたちを見捨てるつもりはない」


 はっとラキアはヴァーンを見た。

 やがて、青年はこくりと頷き、自身の守護精霊を呼び戻す。なんとか戻ってきた子猫の姿をした守護精霊はラキアの腕の中に納まるとしょんぼりと耳と尻尾を伏せた。誰も見つからなかったのだろう。


「行け」


 頷いたラキアはヴァーンたちがやってきた方へ走り出す。

 ヴァーンはその背中が小さくなるのを見届けて、ルネロームを見た。


「探し物が増えた。すまんな」

「いいの。ここで彼らを見捨てるなんて言ったら、しばらく口利いてあげないところだったわ」

「それは恐ろしいな」


 くくと笑って、繋いだ手に力を入れ直す。

 青白い、方向のわからない空間を再び歩き出す。

 ジェウセニューの気配はまだどこにも感じられなかった。


あと何話かかるんだろうな。終わったら短編で阿呆なの書きたいです。

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