22 いないはずの人 2/2
風が強くなってきた。いよいよ雨が降り始めそうな天気だ。
ぼく――アーティアたちは気を失ったジェウセニューを男――ヴァーレンハイトに抱えさせて家の中に入る。
「どうしたのかしら、セニュー」
モミュアが心配そうに、ジェウセニューが自分で殴った頬を冷やすためのタオルを持ってきた。
「ちょっと、びっくりさせすぎちゃったかしら」
原因があるとすればそこで首を傾げているルネロームしか思い当たらないだろう。
ジェウセニューがよくわからない混乱をするほどの存在。ジェウセニューにとって、ルネロームとはなんなのだろうか。
というか何故、ルネロームはジェウセニューの家に真っ直ぐ向かえたのだろうか。
事情を話してくれそうなジェウセニューは気絶しているし、ルネロームはジェウセニューが心配でそれどころではないらしい。
モミュアはルネロームを見て戸惑っている。
ぼくが説明しようとしたところで突然、扉が強く叩かれた。
モミュアがびくりと身体を震わせる。
「……来客?」
「あ、わたし出るね」
勝手知ったる他人の家。モミュアはさっと立ち上がって扉を開けた。
「ニトーレさま!」
モミュアが驚いて声を上げる。
入って来たのは雷精霊神官ニトーレだった。黄色の髪を振って雨水を飛ばす。モミュアは慌ててタオルを手渡した。
いつの間にか降り始めていたらしい。
ニトーレは部屋を見渡し、ルネロームを見た。目を丸くして茫然としている。
「ルネローム、さん……本当に?」
ゆっくりとニトーレはルネロームに近付く。正面に立つと、ニトーレは息を飲んで硬直する。
身長はニトーレの方が高い。ルネロームはちょっと見上げて首を傾げた。
「ええと……あなたは……そうだわ、次期精霊神官の、ニトーレくん?」
ニトーレの目が薄っすらと潤む。俯きぐっと奥歯を噛み締めてそれを堪えた。
顔を上げた彼はもうそんな気配は微塵もさせずににっこりと笑った。
「五年前に、正式に雷精霊神官に就任しました」
まぁそうなの、とルネロームはニトーレの頭に手を伸ばした。
「ちょ、ルネロームさん……っ」
「頑張ってるのね。いい子、いい子」
「あの……流石にもう、子どもではないので……」
そっと手を退けさせるニトーレ。ルネロームは少し残念そうに手を下した。
「でも、どうして……ここに? いや、そもそもあなたは……」
ニトーレがぼくたちの方を見た。
ぼくは肩をすくめる。
「なにがあったか知らないけど、ふらふら迷子してたのを連れてきただけなんだけどね」
記憶障害のことを話すと、ニトーレとモミュアは目を丸くする。
ぼくとしては、ルネロームがどういう人物なのかだけでも教えてほしいところだ。
「そうだ、お茶……お茶淹れますね!」
混乱しているらしいニトーレや込み入った話になりそうなことを察知したらしいモミュアが手を叩いた。
この家は大きさの割にカップと椅子になるものの数が多い。意外と来客があるからだろう。来客はいつも決まった顔ぶれだそうだが。
モミュアがお茶を淹れようと立ち上がると、ルネロームもそのあとを追う。
「あの、座ってていただいても、」
「手伝うわ。この人数だから大変でしょう」
にこにことしているルネロームに押され、モミュアは頷いて二人でお茶の準備を始めた。
ぼくは眠そうな男を椅子に座らせ、椅子の代わりになるものを集める。丁度人数分、座れそうだ。
ニトーレもぼくの正面に座る。
その隣にモミュア、ぼくの隣にルネロームが座った。
家主は未だベッドの住人だ。
「セニューはどうしたんだ?」
「自分で自分を殴って気絶した」
ニトーレが頭を押さえる。
「ぼくとしては、せっかく連れてきた人を見て混乱してわけわからない行動したセニューやあんたの表情のわけとかを知りたいんだけどね」
「まぁ、あんたたちには話してもいいだろうな……なにかと世話になってるし、いろいろ巻き込んでるし」
言いながら、ニトーレはモミュアを見た。
モミュアは慌てて椅子を立とうとする。
「わ、わたしが聞いちゃいけないような話なら、席を外します。あ、雨降ってるんだった……」
慌てるモミュアをニトーレは再び椅子に戻した。
「いや、セニューと関わるなら聞いてても問題はない、多分。ただ口外されるのは困るが」
「だ、黙ってます!」
ぶんぶんとモミュアは首を縦に振った。
それを見て、ニトーレはふと笑う。
そして真剣な顔をしたニトーレはルネロームを見た。
「まず、彼女の名前はルネローム。……セニューの母君だ」
「えっ」
ぼくとモミュアの声が揃った。
ぼくたちは目を合わせてルネロームを見る。
確かに面影は似ている気がする。だが、ジェウセニューには母親はだいぶ前に亡くなったと聞いていたのだが。
ニトーレに視線をやると、彼は硬い顔でこくりと頷いた。
「……九年前、謎の人物に殺されたはずの、俺の恩人だ」
「あら、わたし、死んでいたのね」
ほわほわと笑うのはルネローム。ぼくたちはがくりと肩を落とした。
「ルネロームさん、ちょっと黙っててもらってもいいっすか」
「はぁい。じゃあ、静かに聞いているわね」
一人だけテンションが異界にいる。
こほん、とニトーレが咳払いをして仕切り直した。
「セニューはその現場にいた。母親が目の前で死ぬのを見ていたんだ。……だから、余計に混乱したんだと思う」
「セニュー……」
モミュアは振り向いてジェウセニューが眠る方向を見た。ベッドで布団はゆっくりと上下に揺れている。呼吸は安定しているようだ。
「俺は当時まだ次期精霊神官だったが、ルネロームさんとセニューとは面識があった。だから……彼女を埋葬したのも俺だ。正確には前任の手伝いをしただけだけどな」
恩人と慕っていた者を埋葬するのは大変だっただろう。
当時を思い出しているのか、ニトーレはカップに入ったお茶を見つめている。
「謎の人物って、誰かわからないの?」
ぼくがニトーレに尋ねると、彼は首を横に振る。
「唯一の目撃者であるセニューの記憶がその部分だけぽっかり抜けてるみたいでな、そっとしといた方がいいって前任に言われてそのままにしてる」
心を守るために忘れたのだろう。それほどのショックを受けたのだ、なのに突然その母親が笑顔で近付いてきたら混乱もするだろう。
「連れてこない方がよかったかな」
ぼくはルネロームを見る。ルネロームはお茶を飲もうとしていた手を止めて、ぼくを撫でた。この女性は人の頭を撫でるのが好きらしい。それに気付いてからはもう好きにさせている。相棒の頭まで撫でようと手を伸ばしている絵面はなんとも言えないものがあるが。
「わたしは、ちゃんとジェウのことを思い出せたから、ここに帰ってこれてよかったと思う。……でも、そうね、ジェウにとってはあまりよくないことだったのかもしれないわね」
眉を下げて微笑む。
「雨が止んだら出ていきましょうか。ティアちゃん、ヴァルちゃん、もう少しだけ一緒にいてもいい?」
「……ぼくたちは別に構わないけど」
男も隣で頷いている。
待ってくれ、とニトーレが立ち上がった。
「ルネロームさんがどうしてここにいるのかはよくわからねぇ。でも、あなたの帰る場所はここで、この集落だ……出ていくなんて――」
「ありがとう、ニトーレくん」
でもね、とルネロームはジェウセニューの眠るベッドの方向を見た。
「ジェウが苦しむなら、わたしは出ていった方がいいと思う。あの子が辛いなら、わたしも辛いわ」
「ルネロームさん……」
ニトーレはすとんと椅子に落ちた。
複雑そうに眉間に皺を寄せている。
「そもそも、なんで死んだはずなのにルネロームはここにいるの?」
ぼくはルネロームを見た。
ルネロームは目をぱちぱちと瞬いている。
「そうね……何故かしら」
本人にもよくわかっていないらしい。うーんうーんとルネロームは天井を見上げる。
「そう……確か、まだやることがあるから死んではいけないって誰かに怒られたの」
「やること?」
「誰か?」
ルネロームは首を振る。
「わからないわ」
「記憶障害でどれくらいのことを忘れてるんだろうね」
ぼくたちは息を吐く。
ニトーレは一人なにかを考え込んでいたが、やがてルネロームを見た。
「そのやることって……もしかして、<雷帝>として、ですか」
どうかしら、とルネロームは困った顔で首を傾げた。
そういえば、以前シュザベルがジェウセニューの母親が<雷帝>と呼ばれていた、と言っていた。つまりはここにいるルネロームのことか。
<雷帝>とはなんだろうか。尋ねようとしたぼくはニトーレの後ろを見て口を噤んだ。
「ニトーレ……母さんが<雷帝>って、どういうことなんだ」
ジェウセニューが頭を押さえて起き上がっていた。
モミュアが立ち上がってそばに寄る。
「もう起き上がって大丈夫なの?」
「ああ、悪い、モミュア」
モミュアはホッと胸を撫で下ろす。
ぼくの横ではルネロームが「あら、ジェウったら可愛い子を捕まえたのね」とにこにこ微笑んでいる。
ジェウセニューは立ち上がり、ぼくたちの方に近付いてルネロームを見る。
「本当に……母さん、なんだよな」
「そのつもりだけど……でも、ジェウが困るなら、辛いなら、わたしはただのルネロームとして、ティアちゃん、ヴァルちゃんと一緒に出ていくわ」
ジェウセニューはぶんぶんと首を横に振る。
「困らない! 困らないから、もうどこにも行かないでくれ!」
泣きそうな声だった。泣きそうな顔だった。
それを見て、ルネロームは伸ばそうとした手を抑え込む。
「……ありがとう、ジェウ」
ニトーレに椅子を勧められたジェウセニューはモミュアとニトーレの間に座った。
「さて、じゃあ<雷帝>について簡単に説明するか」
ニトーレが言うと、視線はそちらに集まる。
「と言っても、説明できることなんて少ないんだがな」
曰く、<雷帝>とはとある家系の女性のことを指すという。
女性は精霊神官以上の力を持ち、かつては精霊神官として立ったこともあったらしいが、いつしか別の存在として分けて考えられた。
その多くが女性であり、特殊な力を持っていたことから集落の男性から引き離すために集落のはずれに住んでいた。
「特殊な力?」
「彼女たちは次の世代を一人で産む。……その、つまり、処女降誕ってことだな」
ニトーレは少し言いづらそうに言った。
父親が必要ないということか。
「<雷帝>の存在は基本的に秘匿され、代々雷精霊神官が支援することになっている。<雷帝>という存在として知っているのは精霊神官と数人くらいだな。まぁ、最近だと調べようと思えば資料も図書館に置いてるし、秘匿する意味もなくなってきている」
だからシュザベルも知っていたのか。
しかし何故、雷魔法族にだけそのような存在が生まれたのだろうか。それは雷精霊神官であるニトーレですらわからないらしい。
ルネロームは「そうやって伝わってるのねぇ」なんて他人事のようにお茶を飲んでいる。
「その<雷帝>ってなにか役割があるの?」
「いや、特にないはずだ。もともと、その力に敬意を表してつけられた呼称のはずだから」
なのに、『やることがあるから死んではいけない』?
どういうことだろうか。
(いや、これ以上は踏み込みすぎかな)
ぼくは冷めたお茶を口に運ぶ。
ぐぅ、と男とジェウセニューの腹が鳴った。そういえば、昼時だ。
「ごめんなさい、すぐにお昼ごはん用意するわね」
「わたしも手伝うわ」
モミュアとルネロームが立ち上がる。二人は先ほどと同じようなやりとりをして、結局二人で台所に向かった。
「……とりあえず、もう一人分のベッドやらを調達するべきだな」
「頼む」
ニトーレがお茶を飲み干す。
「闇のに口裏合わせてもらって、しばらく向こうの奥部屋で病気治療してたってことにするか」
「へ?」
「まさか死んだ人間が生き返ったんでこれからよろしくお願いします、とは言えねぇだろ。事情聞かれたとき用に覚えとけよ」
わかった、とジェウセニューは頷く。
早速いいにおいがしてきた。下準備はもうとうに済ませていたらしい。
そろそろ配膳くらい手伝うか、と立ち上がったところでルネロームが一人戻ってきた。
「ねぇ、ティアちゃん、ヴァルちゃん」
「どうしたの」
「今、モミュアちゃんと話してて思い出したことがあるの」
なんだろうか。それをジェウセニューやニトーレに言うでもなく、ぼくたちを名指しとは。
ぼくと男は顔を合わせる。
あのね、とルネロームはちらとヤシャを見た。
「わたし、ヤシャくんに会ったなぁって」
「……うん?」
「ちゃんと身体がある方の」
「身体?」
そう、とルネロームは頷く。
「顔も格好も同じだし、きっとヤシャくんだと思うの」
ちょっとなにを言っているかわからない。つまり?
「前に二人に町まで送ってもらったでしょう。あのあと、ヤシャくんに会ったのよ。魔獣を倒すのを手伝ってもらったわ」
「……ヤシャが、生きてる?」
「どうなのかしら、怪我をしていたから手当てさせてもらったんだけど、なにも喋らないし、なにも見ていないような……人形みたいな人だったわ」
ヤシャを見る。なにか考えているようだった。
もしそれが俺の身体だったとして、とヤシャはぼくたちを見下ろす。
「俺の刀と同じように実は吹っ飛んだだけで、地上に落ちてたとか?」
「落ちてたとして、なんで動いてるんだろう」
「……誰かが中に入ってるとか」
「えっ、それはきもいから嫌だな」
ヤシャは腕をさする。
「ティア、ヴァル、頼む。その俺っていうのを探してくれねぇか」
ぼくは男を見た。
「いいんじゃない」
「……報酬の当てがないのが痛いけどね」
ヤシャには世話になっているし。たまにはいいだろう。
ぱっとヤシャは笑顔になった。
それはいい。
ただ、目下の問題といえば、ジェウセニューたちの前で普通にヤシャと会話してしまったことだ。
ジェウセニューとニトーレはぽかんとぼくたちを見ている。
「ヤシャくんっていうお友達がもう一人いるのよ」
「そ、そうなん、だ?」
視線が痛い。
とりあえず、そのヤシャの身体らしき人物に会ったら殴ってもいいだろうか。
そんなことを考えながら、ぼくはお茶を飲み干した。
+
カゲツ・トリカゼは息を整え、扉を叩いた。
どうぞ、という低い声が聞こえて、カゲツはノブを回す。
「カゲツ、どうしましたか」
本だらけの部屋だ。それほど広くない部屋は本という本で埋め尽くされている。
そんな中、カゲツの直属上司であるカムイは本を閉じて顔を上げた。
「読書中、申し訳ありません」
「いえ、ただ眺めていただけですから問題ありませんよ」
カムイは優しい。そういってカゲツを気遣ってくれる。
けれどカゲツは知っている。カムイが読んでいたのは先代時代の資料だと。片手間に読むようなものでも、ただ眺めるようなものでもない。
カゲツは申し訳なくなって、小さく俯いた。
それを見て、カムイはくすりと笑う。
「本当に、気にしなくていいんですよ。以前読んだことがあるものですから」
「……はい」
これ以上カムイに気遣わせてはいけないと、カゲツは顔を上げた。
カムイの優しい目と出会う。頬が紅潮する気がした。
「それで、用があったのでは?」
はい、と唾を飲み込む。
「リングベルの報告の中で気になったものがあったので、お耳に入れようかと」
「リングベルは……ああ、アーティアとヴァーレンハイトにつけているんでしたね」
カゲツは頷く。
「リングベル曰く、二人は時々『ヤシャ』という見えない者と会話している様子が見られるとのことで……」
ばさりとカムイの手から本が落ちた。
ぎょっとしてカゲツは口を噤む。
「……ヤシャ?」
「はい、ヤシャ、です」
カムイは落とした本を拾いながら、考え込む仕草をする。
カゲツは邪魔をしないようにそっと気配を薄めて黙った。
「……そういえば、どうして彼らはあの刀がヤシャのものだと……いや、でもそんな馬鹿な話が……」
ぶつぶつと呟く。
カムイは本を机の上に置いた。
照明がゆらりと揺れる。
「……知らせてくれて、ありがとうございます。報告は以上ですか?」
「いえ、その……もう一つ、お二人に新しい同行者が出来まして……」
「? それが、なにか」
カムイは首を傾げている。
「その同行者――女性が雷魔法族だということで、今、お二人は雷の集落にいます。それで、彼女の名前なんですが……」
カゲツは息を吐いた。
「――ルネローム・サンダリアン、だそうです」
「は?」
カゲツは出来るだけカムイを刺激しすぎないように、女性――ルネロームの特徴を伝えた。
カゲツもカムイを手伝う傍らで<雷帝>ルネローム・サンダリアンという存在は知っていた。というか族長ヴァーンを追って、<雷帝>との交戦により負傷した彼を神界まで運んだのはカゲツである。
ヴァーン本人にも気付かれないように動いたので、その事実を知っているのは目の前にいるカムイだけだが。
(いや、ヴァーンさまも他の四天王の方もなんとなく気付いてるんだろうけど)
流石に自分程度の者が神界をひっくり返すほどの偉業を成し遂げた彼らを出し抜けるとは思っていない。
(でも、この件もカムイさまは自分のところで報告止めちゃうんだろうな。ヴァーンさまに知らせたら、きっと地上に行ってしまうから)
カゲツはカムイが一番のヴァーンの過保護筆頭だと思っている。他の直属部下から言わせると、自分の直属上司が一番過保護だそうだが。
報告を止めるということは、自分だけで抱え込むつもりということだ。
カゲツはカムイの横顔を盗み見た。
真剣になにかを考えている。
(もっと僕が強ければ、カムイさまのお力になれたかな)
正直、カゲツにとってヴァーンよりもカムイの方が大事だ。死んでも口にする気はないが。
直接助けてくれたのはカムイだったから。
力になりたいと思った。だから直属部下という地位にまでのし上がった。けれど、カムイは肝心な部分は手伝わせてくれない。支えさせてくれない。
いや、九年前の<雷帝>との折には咄嗟に頼ってくれたのだが。まぁそれだけだ。
悔しいと思う。寂しいと思う。
本当はもっと頼ってほしいのに。
(でも、それを言うともっと困らせてしまうんだろうな)
最初はカムイが思考しているときにすらそばに寄らせてもらえなかった。それを考えると、思考中のカムイのそばにこうして待機していられるのはすごいことだ。
そう考えるとカゲツの頬は緩む。
いけない、カムイが真面目に何事か考えているのに。
出来るだけ真面目な顔をしてカムイの横顔を見る。
彼の熟考はまだ続きそうだった。