最強執事の始まり
βテストを受けた2500人にはそれぞれβの貢献度に応じて引き継げるものがあるらしく、この店の店長の梅干さんは上位生産プレイヤーとしてなかなか良いものを貰えたらしく、それを全てお金にしてそのお金を頭金にこの店を買ったらしい。
「まぁそういうことよ。」
「それで、ユウカ兄の件は?」
「大丈夫大丈夫。ちゃんとあるよ。ユウカ君が欲しい執事服。ただねぇ…。」
梅干さんが持ってきた執事服は結構上等そうなもので、見て分かる高価なものだった。
「高いですか?」
「そうなのよ。この上下と手袋そして靴の値段を合計すると最低10万マニはするわね。」
「10万マニですか…。」
初期に持っているマニ(お金は)1万で、さっき倒してきたウルフとスパイダーの素材を売って得たマニは3500なので、全然足りない。
「そう、だから先行投資して、初期マニの1万だけにしておくわ!」
「それじゃぁ大赤字なんじゃ…。」
「そうだね〜。大赤字だけど、価値はある。私は君が有名プレイヤーもしくは広告塔になることを期待するよ。」
こういうのは絶対乗りなさい!ってアリスがいたら言うと思うので、
「分かりました。広告塔、しっかりと役目を果たせるよう頑張ります。」
「梅たまにはいい事する。」
「雪ちゃんたまには余計よ?」
そんな感じで購入した執事服だが、ものすごく性能が良かった。
執事服(上)
耐久値1500/1500
INT+10 DEF+10
執事服(下)
耐久値1500/1500
MP+25 AGI+10
手袋
耐久値1500/1500
STR+10 DEX+10
靴
耐久値1500/1500
AGI+20 DEX+10
というスタートにして全装備プラス値が2つあって、その値が高いという高性能。しばらく使えそう。
梅干さんとフレ登録をしてから店を出た。
「ユウカ兄、私ログアウトする。」
「そうですか。分かりました。」
「また、遊ぼ?バイバイ」
「ええ勿論です。」
白雪がログアウトしたので、少し街をぶらぶらする事にした。
この世界の住人とプレイヤーの見分けは上に薄らと緑のマーカーが出るかどうかぐらいで全く分からない。
ちなみに犯罪をするとマーカーの色はどんどん赤に近くなり、色々な縛りがあるらしい。
まぁそんなことは置いておいて、ぶらぶらしていると公園についた。
「公園なんていつぶりでしょうか…。」
公園に入ると女の子が1人でぶらんこに乗っていた。




