表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

有名なマンモス校

『次はー、千条高校、千条高校ー』


 バスの運転手の無機質な声が聞こえた。その声と共に俺は憂鬱になる。

 今日から学校かあ。

 しかもとびきり凶悪な。

 受験を勝ち抜いたご褒美、楽しかった春休みを思い返す。今年の春休みはゲーム浸けだった。受験で失敗しないため冬休み以降ゲーム絶ちをしていたのだ。


 しかし、むしろ失敗した方がよかったかもしれない。

 そう思わせるほどの個性が、本校、千条高校にはあった。

 バスが停まった。諦めて運転手に金を渡し、バスを降りた。




ーーー




 私立千条高校。

 高い偏差値に見合い、卒業後の就職率は驚異の95%。それもほとんどが大企業だ。


 ではその高校には何があるのか?


 その問いの答えは簡単だ。

 鬼のように厳しい指導がある。

 つまるところ、その教育に耐え抜き、そして勝ち抜いた生徒は社会でも使えるということだ。


 しかし、教育についてはほとんどが謎。

 わかっているのはたった三つだけだ。


 苛烈な教育。

 厳しい競争。

 そして、独自のカリキュラムを導入していること。


 それゆえ色々と噂も出る。体罰が横行しているとか、治外法圏だとか。

 しかし、これだけは言える。

 この高校は、全寮制だ。


 もう、戻れない。


 俺は豪華なアーチと高い高い壁が付いた校門をくぐった。

 中を見て思ったことは、まず広い。

 以外と校舎とかは綺麗で、近所の市立高校よりよほど清潔そうだ。

 ちなみに、広いのも当然。土地が余っているという利点を生かしてか、この学校100ヘクタールある。東京ドーム100個分である。


 校舎の向こうにも何かがありそうだが、さしあたって向かうべきは体育館だ。入学式を受けなければ。

 ちょうど向こうにそれらしき建物があった。おれはその建物の扉をがらりと開ける。

 と。


 ズギューン!


「この建物に入るなぁ!」


 美人な先生が、発砲してきた。

 適当に撃ったのだろう、その弾は。

 俺の玉に命中した。


「…………っ!」


 俺は声にならない声を上げ、そのまま倒れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ