第一章 異世界遭難 第5話「神々の生まれた日」
怪人の中には、見た目が少しアレ過ぎて小さな子供にはトラウマになりかねない奴がたまにいますが、ヒーローたちがとる行動が行き過ぎていて子供には見せてはいけない気がする場合の方が多いです。
子供に聞くと、何となく悪者だから悪者というあまり何が悪いのかわかっていない状態でヒーローを応援していたりします。子供が見るものなので、もう少し子供にもはっきりと善悪の区別がつくようにした方がいいと思ってしまいます。
食糧危機を回避して得られたパンは、イチゴジャムパンと焼きそばパン。そして、『パンダモン』は自分で作ったあんパンとBLTサンドを食べていた。正直、かなりチートな自給自足だと思う。
それよりも、重要なことは野菜や肉も出すパンによっては手に入ることがわかった。ただ、残念なことにピザはパン扱いにならなかった。同様の理由なのか、ナンも無理だった。
『主よ。ピザは無理ですが、ピザパンやピザトーストはできますが。』
「パンダモン。お前、最高だよ!」
こっそりと心の中で、前に出てきたとき倒してごめんなさいしておいた。
そしてパンを食べ始めて、めちゃくちゃのどが渇くことに気付くと同時に、ツクモンにスポーツドリンクを渡したら、もっと大量の飲み物を出す怪人になるんじゃないかと思いついた。
『パンダモン』がパンを食べ終わったのを確認して、一枚のカードを取り出した。
「パンダモン悪いが少しの間だけ、ほかのツクモンと交代してもらってもいいか?」
『主の仰せのままに。』
「ありがとう。あんまり時間はかけないよ。格納!」
『パンダモン』をカード化して、見てみると
名称 パンダモン(仮)
種族 パンダモン(食糧系中級精霊種)
[特殊な過程で誕生した精霊種、特定の食に対してのみ絶対の力を発揮する。それ以外のことに対しては本人の器量による。進化先にフーズモン(食糧系上級精霊種)などがある。]
階級 Cランク(戦闘経験を積んだ人族の一般成人男性程度の強さ)
状態 良好
ほんとに神じゃなくなってるな。まあ、それよりも先にツクモンのカードと交換して、
「出撃!」
ツクモンBが、目の前に現れる。
『ご主人様。何か御用ですか?』
「これを持ってくれるか?」
そういって、ペットボトルをツクモンに差し出す。
『はい、ご主人様。』
ツクモンが受け取ると、
『条件を満たしました。新生を開始します。』
予想通りにツクモンが光に包まれ一瞬で怪人になった。が、それはどう見ても飲み物に関係ある怪人ではなかった。
『燃えるアスリート!!ファイトモン!!』
筋肉ムキムキの覆面をして、ランニングとハーフパンツの男が現れた。覆面からはみ出る鬣が炎となって揺らめいてる以外は人間にしか見えないその男は腰に左手を当て、右手の親指を立てて前に突き出したポーズでこちらを向いて白い歯をキラッと輝かせている。
「なぁ、俺のスポーツドリンクはどうした・・・。」
『兄貴、何言ってんだよ!俺に決まってんだろ!!』
突き出した右手の親指を自分の方に向け当たり前のように答えるその男。貴重な水分を失ってしまったことが分かり絶望が襲い膝をついてOTZの姿勢で、
「終わった。」
不幸の底に沈んでいく。そんな時、左肩に手を置かれ、ふと顔を上げるとしゃがんで覗き込むようにした男が、
『なんか元気ないみたいだけど、大丈夫これさえ飲めば元気100倍さっ!』
と、言ってきた。左手に目を向けるとどう見ても栄養ドリンクのビンが握られている。
そして、無理矢理手に握らされる。
「ありがとう・・・。」
『気にするな、グイッといってくれ兄貴!!』
飲み物が出せるとわかり少し安心した。でも、それどこから出したんだよ!お前!!
主人公 次野 日乃
性 別 男
年 齢 18
職 業 ヒーロー(イエロータイガー)、高校生
ジョブ テイマーLv.1(7)
パッシブスキル 精霊視、野生の感
アクティブスキル 機獣召喚、精霊変身
装 備 変身ブレス、私服、靴
持ち物 栄養ドリンク、リュックサック(勉強道具、ジャージ、ハンカチ?、ティッシュ)、テイムカード(6枚)