第一章 異世界遭難 第14話「とりあえず進もう」
ヒーローは良く森や何もない荒れ地など、敵と戦いながら移動していることがあります。
周りを見てもそれ以外見えない景色。私なら、迷子確定です。きちんと帰れるヒーローは帰巣本能が強いのでしょうか?私など、地図があっても駅から降りた時点で北と南の出口を間違えて街中で迷子になっているのに尊敬していしまいます。
いつか、人並み程度には迷子にならずに目的地にたどり着いてみたいです。初めての土地での迷子率100%の私には難しいかもしれませんが・・・。
ステータスでいろいろとショックなことはあったが、俺が関心を抱いたのはレベルだった。
俺と『クイーン・ランジェリーナ』のレベルと『ファイトモン』のレベル差。俺たちのレベルに対し『ファイトモン』のレベルは上がっていない。違いといえば、アリと戦ったこと。俺が倒したアリは一匹、『クイーン・ランジェリーナ』が倒した数は正確にはわからないが俺よりも倒している数は多い。だが、レベルは同じということは、テイムされた者が倒した経験値はテイムした者にも入る。もしくは、一緒に行動してる者にも経験値が入るということだ。どちらにしても、人数が多い方がレベル上げの効率は良くなる。
「聞きたいことがあるんだが、俺が同時に出撃させることができる数はどういう風に増えていくかわかるか?」
『単純にテイマーのレベルが上がれば、レベルごとに一人ずつ増えますよ。』
「そうか、ありがとう。」
それを聞いて、俺はとりあえずLv.7まで上げることを決めた。
「よし、当面の目標は決まった。まずは、レベル上げをしつつ森を脱出すること。次に、拠点と知的生命体探し安全の確保、最後に帰還の方法を探そう。帰る前に死にたくないしな。」
『そういうことなら、まずはここを離れた方がいいぜ!騒いだから、ドラゴンが来るかもしれないからな!』
『そうですね、私も少し回復しないとさすがにドラゴンの相手はきついかもしれません。』
「そうだな。というか、なんでそこまで疲れてるんだよ。」
『アリを倒すのに使った召喚でMPをだいぶ使ったのもあるけど・・・。』
もしかして、強くてもエネルギー効率が悪いのか?
『あとは布団を作るのにSPほとんど使っちゃったからね!』
いや、無駄遣いか。それよりも、MPとかSPとかはどうすれば回復するんだ?
「なあ、MPとかSPとかはどうやって回復するんだ?」
『MPが精神力のようなものだから時間経過で自然に回復していくぜ、SPはスタミナみたいなものだから寝たり、食ったりすれば回復するぜ、兄貴。』
『日乃様と寝たら、すぐにでも復活しますよ。』
「ここを少し離れたら、『パンダモン』を呼んで食事にしよう。」
そういうと、『クイーン・ランジェリーナ』をスルーして、俺はこの場から離れるべくさらに前へと歩みを進めていった。
ただ、その道はアリの巣へと続くアリの通り道。これから、しばらくアリとの連戦が続くこと。その最奥に待ち受ける女王アリの恐怖も、まだ日乃は知るよしもなかった。
主人公 次野 日乃
性 別 男
年 齢 18
職 業 ヒーロー(イエロータイガー)、高校生
ジョブ テイマーLv.2(7)
パッシブスキル 精霊視、野生の感、多重出撃Lv.1
アクティブスキル 機獣召喚、精霊変身
装 備 変身ブレス、私服、靴
持ち物 ペットボトル:スポーツドリンク(飲みかけ)、リュックサック(勉強道具、ジャージ、ティッシュ)、テイムカード(5枚)