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トマコと帝国の魔法使い  作者: ちくわ犬
三章

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いざ学園へ2

「ええ。それはそれは素晴らしい学園でございますよ。もちろんウルフ様と私の母校でもありますので。」


いつもより熱のある言葉でトマコにそう教えるのはモリスン。この執事、実はウルフの15ほど先輩らしい。トマコはウルフよりずっと年上だと思っていた。若白髪のせいなのかとっても老けて見えるモリスン。散々の甘味「逆兵糧攻め」を受けたトマコは体がずっしり重くなったと実感しながら半分上の空で話を聞いた。


「はあ。」


モリスンはいよいよトマコ「性別:フェミニン」←これ重要。がウルフの嫁に向かっているのを微笑ましく且つ脳内お花畑で応援していた。時々二人がだらしなくベットの上で食べた甘味の汁に思いを馳せながら彼はやってくると疑わない二人の愛の結晶を想像してはニマニマするのだ。そんなモリスンだが目の前のトマコを見てトマコが学校へ通わされることに不安を感じていると受け取っていた。


「……大丈夫ですよ、トマコ様。セリベート学院は全寮制でありますがウルフ様の職場も近いです。週末はお二人で愛も語れましょう。」


「ちょ、モリスンさん!私はウルフ様と愛なんて語っちゃいませんよ!皆誤解してるんです!結婚なんてもってのほかです!」


「……。」


その言葉にチラリと目線を戻すとモリスンは目を細める。モリスンはマレノから正式にトマコをウルフの「奥方」に迎えることを宣言されている。もちろんウルフも了承している。そのために面倒な裏工作を次々とマレノがこなしているのだ。あの気難しい二人に気に入られる者でさえ珍しいのにその上トマコは「女」。ここでアーキンス家の未来の為にトマコを手放すわけにはいかない。


「いいですか、トマコ様。ご自分を卑下してはなりません。貴方がウルフ様に好かれようとサル頭で男装している姿はそれだけでご立派です。ご身分などはマレノ様が上手く立ち回ってくださることでしょう。


「え、ちょ、今、ヒドイこと言いませんでした!?」


「大丈夫です!トマコ様は何よりも「女」であるのがすばらしい!」


「はあ!?」


身分差でトマコが身を引こうとしていると勝手に想像しているモリスンはある意味最強だった。

何を言ってもこの人には通じないと最近になってトマコはやっと理解してきた。





*****





「ごめんねぇ。トマコちゃん。私だってトマコちゃんの制服姿を楽しみにしていたのよ。」


申し訳なさそうにそう言うメヌエット母にトマコは不思議顔。だって今まさに制服着ているし。

でも、何かがおかしい。


「聞きたくないんですけどセリベート学園って男子校なんですか?」


「いいえ。共学よ。」


「……。」


「もしかして、私……。」


「ほんと、ごめんなさいねえ。マレノが貴方に女の子の恰好させちゃダメだって言われてるの。こっそりするつもりはないんだけど、男の子として通わせたいって。」


「……。」


そうしてまたトマコは伸びてきた髪を切る羽目に。サルではないが超ショートカット。

なにか悟りの新天地を迎えた気がするトマコだ。もちろん今着せられて採寸している賢そうな制服も下はズボンだった。悲しいかな結構鏡に映るその姿が様になりすぎている。泣いてもいいぞ、トマコ。


「そうそう、紹介したい人が二人いるの。いいかしら。」


一通り採寸が終わって普段着に戻ったトマコはメヌエット母にそう、告げられる。段取りは出来ている様でトマコはされるがまま魂が抜けた状態で椅子に座って客人を迎えた。


「入ってちょうだい。」


メヌエット母が呼び鈴を鳴らすと執事に迎えられて二人の少年、少女が入ってきた。少年の方は天使のような風貌でウエーブがかった薄茶の髪に琥珀色の瞳。弟ポジションの年上キラーアイドルのようだとトマコは思った。少女の方は色白の長い赤毛で分厚い眼鏡をかけている。なんていうか眼鏡とったらあらビックリ美少女じゃない!?的なポジションだとトマコは勝手に想像した。


「この子たちに貴方の学園での生活を助けてもらうから。」


「そ、それは心強い……です。」


メヌエット母には言えないがものすごい感じで少年の方がトマコを見ている。こえええ。

絶対に平穏な生活なんて待っていないんだとトマコは未来を確信した。



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