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死神の誓い  作者: 白猫
第一幕
4/11

第3章 鋭い視線

説明章みたいになってしまいました。

見辛かったらすいません…。

周りの目がチクチクと痛い。

「………安立さん」

「何だね?火野くん」

「………何か、クラスの目が恐ろしいのですが……?」

「あぁ………。それは、咲姫ちゃんと仲良くなった人の宿命というかなんというか…」

「……なるほど」


さすが咲姫。

高校生活一日目からもうファンがいるのか…。


ここは1年7組の教室。


悠、咲姫、緋奈、崇、紫衣の5人は雑談をしながら普通に教室に入ったのだが、クラスメイトは咲姫を見るなり目の色を変えた。


それもそのはず。

咲姫は、中等部に入学式した時から人気者だったのだ。


美少女で、誰にでも優しく、そして『天才』と呼ばれた咲姫。


そんな彼女と一緒に教室に入ってきたのだ。


羨ましい…というより、恨めしいと言う感情なのだろう。


悠も中等部時代、ほぼ毎日咲姫と一緒に学校に来ていたので、そりゃあもう酷いものだった。


…毎日、家に出入りしているなんて、絶対に言えない…。

悠はブルッと震えた。


「僕達も、中等部の時はこんな感じだったんだ~。

ずっと咲姫ちゃんといたからさ~」

「あぁ…。初めは気が滅入りそうだったが、もう慣れた。

……ん、先生が来たようだ」


紫衣はそう言い、きちんと座り直す。


前を見ると、丁度飯島が教室に入ってきたところだった。


「おぅ、席つけー。……ひぃ、ふぅ、みぃ…うし、全員居るな。

ゴホン……。えー、今日から7組の担任になる飯島だ。よろしく」


そう言って自己紹介をする飯島。

その様子を見て、何となく悠は隠れてニシシと笑ってしまった。


「分かっていると思うが、高等部からは『ガード』になるための実践訓練が始まるからな。心しておけよ?

……じゃあ、30分後に始業式が始まるから、それまで親交でも深めてろ。」


この【亜利乃学園(ありのがくえん)】は、人を食らう化物、【植獣種(しょくじゅうしゅ)】に対抗するための兵士を育てる学園だ。

その兵士のことを『ガード』と呼ぶ。


ガードは、自分の『神才(じんさい)』に合った武器を使い人々を守る。


では、『神才』とは何か。

神才は自分に合った武器に選ばれ、使いこなす力のことを言う。


例えば、『片手剣の神才』を持つ者は、片手剣に選ばれ使いこなすことができる。


「……あー、忘れてた。荒地(あらち)、朝花それと火野。ちょっと来てくれ」


教卓の椅子に座っている飯島は悠たちに手招きした。


「悠くん。呼ばれてるよ。行こう?」

「あ、うん」

咲姫は悠を引きずって、飯島の方へ行く。


「「「いってらっしゃーい」」」

後ろから緋奈、紫衣、崇の声が聞こえた。


◆◇◇◆◇◇◆


悠と咲姫と、荒地という男子は教卓の前に横一列で並んだ。


「えーっとだな…。

これから、お前達に今年度初の『ジャックス』としての任務をしてもらう。

……まぁ、火野は『ジャックス』じゃないが……」


『ジャックス』

それは学生なのだが、即戦力となる力を持つ者の事。

いうならば、学生の『ガード』の事を指す。


咲姫は中等部の時からジャックスとして活躍していた。


多分、この荒地という男子も、中等部時代からジャックスだったのだろう。


しかしこの男、さっきから悠の事をずっと睨んでいるのだが…。


「内容は、現在【植獣種】の大群がここに向かって来ているらしい。

それを、今から迎撃しに行く。それが、今回の任務だ。

【植獣種】のレベルは、LV.3が1体、LV.2以下が合計50体以上…。まぁ、楽勝だな。」

飯島が手元の資料を見ながら言う。


【植獣種】はLV.1~LV.5に分類されている。

LV.1が一番弱く、LV.5が一番強い。

見た目も、LV.1は狼や犬など小型なものだが、LV.5までなると巨人、大蛇など大きなものになる。


LV.5はジャックスや普通のガードでは倒せない。その上の『キング』と呼ばれる最高ランクの精鋭兵でも倒せるかどうかと言うレベル。

今、この都市を回しているのはその『キング』と呼ばれる人達である。


「んで、荒地は俺のチームに。朝花もチームに入れ。

……火野は単品で」


「はい」

「分かりました」

「了解」


「……あれ?先生、始業式はどうするんですか?」

咲姫が疑問を口にする。


「あぁ、サボってもらう。…先生公認だから大丈夫だ!!」

胸を張る飯島。


……いばんなよ。


「それじゃ、準備ができたら本部室に集合な」

そう言って飯島は去って行った。


飯島の背中が見えなくなった時、初めて荒地という男は悠たちに対して口を開いた。


「……おい、咲姫。こいつは誰だ?」

荒地という男は悠を指差しながら咲姫に尋ねる。


「あ、えっとね、

その人は火野 悠くん。私の幼馴染なの。…悠くん、この人は荒地 直哉くんね。ジャックスの任務の時に知り合ったの」

咲姫は笑顔で答える。


「……どうも」

軽く頭を下げるが、荒地はスルーして咲姫と話している。


「幼馴染何て居たのか?」

「うん。言ってなかったけ?」

「あぁ。……幼馴染、ねぇ…」

そう言って、荒地はジロジロと悠を眺め回す。


この荒地という男、よく見るとイケメンだった。


少し茶色い髪の毛に、同じ色の瞳。顔のパーツ一つ一つが綺麗な形をしていて整った顔立ちだ。


「あの…?」

「君、ジャックスでもないのに何で任務に参加できるんだ?」

荒地は悠の言葉を遮って言った。


「えっと…」

「……まぁいい。どうせ俺よりも弱いことは分かっている。

咲姫の幼馴染だからと言って調子に乗るなよ?」


そう言うなり、荒地は去って行った。


「はぁ?……意味分からん…」

ポツリと悠はそう呟いた。

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