表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神の誓い  作者: 白猫
第一幕
2/11

第1章 誓ったこと

『ユウくんは死神なんかじゃ無いよ?本当の死神はサキの事、守ってくれないもん』

そう言って僕に微笑む少女。


この笑顔で、僕は何度も助けられたんだ───。


◆◇◇◆◇◇◆


夜の11時を過ぎた頃。

一人の少年が真っ暗の闇の中に立っていた。


「全滅確認しました」

僕はヘッドフォン型の通信機に向かってそう言う。


「ん。ごくろーさん。さすがだな。仕事が早い…それより火野(ひの)、お前明日から新学期だろ?もう帰って良いぞ」

通信機から飯島(いいじま)の声が聞こえた。


「了解です。…ところで飯島先生…僕の新しい担任は誰ですか?」

「…教えらんねぇな…。ふふふ」

飯島は不気味に笑う。


「……まぁ先生ですよね」

「!? 何故分かった!?」

「……先生、騙しやすいですね」

「はぁ?…………っ!?騙したな!?」

「頭の回転遅いですね~」

やーいやーい、と笑ってやった。


「う、うるせぇ!!もう寝ろ!!…ったく…切るぞ?」

「はい。お疲れ様でした」

「おうよ」

そう言って通信は切れた。


「ふわぁぁ…眠くなってきた…。もう帰ろー」

そう言って都市の方へテクテクと歩いてい行く。


今彼のいた場所は、百余りの【植獣種】の血肉の散らばる平野だった───。


◆◇◇◆◇◇◆


八歳の頃、僕達の目の前で両親達は殺された。

植獣種(しょくじゅうしゅ)】に。


ただ呆然と見ているだけしか出来なかった。


──悔しい──


心からそう思った。

何も出来なかった自分に。

両親を殺した【植獣種】に。

世界全てに。


だから、仇を打とうと誓った。

僕と、咲姫(さき)の両親の仇。


そして、咲姫を守ろうと誓った。


咲姫は、みんなに怖がられ、友達も居なくなった僕に優しく接してくれた。

『死神なんかじゃない』と言ってくれた。



いつも隣に居てくれた咲姫を、

何よりも大切な人を、

僕は、守ろうと誓った。


強くなって。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ