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プロローグ ライバルからの激励、そして三年後……

「お、お前は!」


「そう。私はここで一番の天才、ケイネスだ!クレバー君、君は今日でここを出て行くらしいじゃないか!」


 こいつはケイネス、俺のライバルみたいな奴。普段から色々競ったり議論する仲なんだ。言い方は挑発してるっぽいが、どこか寂しそうな……


「そうだよ。もう出る所だ。じゃあ元気でな。」


 とにかくもう早く出よう。マトンをガラクタと言った奴らの所から、一刻も早く外に出るんだ。


「ま、待ちたまえ!」


「何だよケイネス。俺に関わるとお前も大変じゃないか?お前だって変人扱いされているんだからな。」


「し、失礼な!私はここで一番の天才だぞ!確かに皆の目は冷たいが……。」


「じゃあな。」


「だから待てと言っているだろう!君がクビになった理由は……彼女なのだろう?」


「えっ?」


 こいつ、今彼女って言ったか?


「やはりな。一目でいい、私にも見せてくれないか?」


「あ、ああ?どうするマトン?」


「え!?私はマスターが良ければ。」


「……ほら。」


 俺がマトンの後ろに移動すると、ケイネスはすぐにマトンを調べ始めた。


「お、おお!素晴らしい!この肌、質感はゴムか?違う、人工の皮膚か!関節部分は球体にして可動域を確保……?内蔵されているのは攻撃装置、他の装備も気になるが、一番重要なコアは」


「お前、あんまりベタベタ触らないでくれよ!まだ調整中なんだから!」


「こ、これはすまない。しかし大したものだ、これ程のゴーレムを創り上げるとは!流石私のライバル、と言っておこう!」


「そ、そうか?」


 マトンが褒められると俺も嬉しい。しかし流石ケイネス、一回見ただけで構造を理解するとは……!


「しかし残念だ。まさか君が追放されるなんてね。当てはあるのか?」


「さあ、とにかくここから出て、山にでも籠ろうかな。」


「まあ君なら問題無いだろう。……健闘を祈る。」


「えっ?」


「そこのゴーレム……マトン君だったっけ?クレバー君はこう見えて繊細だ。しっかりと支えてあげてくれたまえ。」


「は、はい。」


「お前……。」


 ケイネス、お前はマトンの事を、ちゃんとパートナーとして見てくれているんだな……!




「なあケイネス。お前はどうするんだ?ここで研究を続けるのか?」


「さあね。今はそうだがこの先は分からんよ。とにかく、マトン君の為にも頑張る事だ。私には応援しか出来ないがね。」


「そう言って貰えるだけでも嬉しいよ。じゃあなケイネス!また機会があればよろしくな!」


「ああ!行ってこいライバルよ!」



 俺はケイネスと握手をして、門を出た。ケイネス、ありがとうな。













 それから何日経ったかな。今は自分の予定通り山の中だ。小さな小屋を買ったから、ここで研究を再開するんだ。


「マスター。学会を出てもう二週間ですね。」


「ああ。まずはマトンの研究を進めて、より完成度を上げようと思う。マトンはもっともっと成長出来る、俺にその手伝いをさせてくれ!」


「こ、こちらこそお願いします。私、マスターの為にも自分の為にも強くなりたいです!」


「ま、焦らなくてもいいさ。のんびりやっていこう!」


 研究資金はたっぷりあるぞ、給料に殆ど手を付けずに貯金してたからな!足りなくなったら外で稼ごう。ついでに体も鍛えられる!


「では改めて。マトン、これからよろしくお願いします!」


「はい、マスター!よろしくお願いします!」



 こうして、俺達の理論を証明する為に、最強のゴーレムを創り上げる研究をスタートさせたんだ。















 ◇◇◇


「どうだ、上手く行ったと思うが。」


 そして今に至る。俺は起動レバーを降ろすと、カプセルの中の少女の顔がどんどん明るくなっていく。そして目を開けた少女はこちらに気づくとぴょんと地面に降りた!




「あ!お、おはようございます、マスター!」


「おはようマトン!久しぶりだな、一ヶ月まるまる最終調整に使っちゃったよ。ごめん!」


「い、いえ!こちらこそ起こしてくれてありがとうございます!それでは遂に!」


「そう!完成だマトン!」


「や、やったー!マスター、マスター!」


「やったぞー!頑張ったなマトンー!」


 俺達は二人でジャンプ、喜びを表現する。


「ではマスター、早速明日街に行ってみましょう!」


「その予定だ。この三年で随分色々な事があったなあ。」


 そう。俺達が研究を続けている間に……世界は大きく様変わりしていたんだ。

今回も読んで頂き、ありがとうございます。続きが気になる、面白かったと思って頂ければ幸いです。もしよろしければ、ブックマーク、評価を入れて頂ければ嬉しく思います。

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