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彼方の島の夏休み ―不思議系少女と過ごすネットゲームの夏―  作者: 広瀬凉太
第二章 ふたりの冒険

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第13話 ふたりのホーム

 普通は拠点を置くなら街の中だろう。

 カズハに街のことについて聞こうと思ったが、まずは自分で調べてみようと考え直した。

 となると、当面はここを拠点にレベルを上げて行動範囲を広げていくことになるか。


 ピコン、という音とともに視界の端でメッセージウインドウが開く。


――フレンドの『カズハ』さんからリクエストが届いています――

――『カズハ』さんが、あなたのセーフティゾーン、『エノキの広場』をホームにしようとしています――

――許可しますか?――

――はい/いいえ――


「え?」

 ちょっと待って。ホーム?


「ええと、ホームって、具体的にはどういう……」

「……これから拠点を移すまで、ここでふたりで生活するの」

 な、何か、微妙に答えがずれてる気がするな。

「そうじゃなくて、ゲーム的な効果とか」

「……このゲーム、ログアウト中もアバターが残るんだけど、ホームの施設内ならモンスターは入れないし、PKとかからもダメージは受けない。アイテムやお金を盗られたりすることもない。死に戻り先も、ここになる。それと、ポイントを集めれば拠点内施設も作れる」

「わ、わかった」

 ふたりで生活とか言われた時はどうなることかと思ったが、普通にゲームの自宅とか本拠地みたいなもんか。


「じゃ、OKするぞ。はい、っと」

「……ん、ありがと」

 OKはしたものの、あたりに変わった様子は見られない。


「……で、次はどうするの?」

「戦闘で武器が壊れたから、あといくつか作っておきたい」

 さきほどと同じように良さそうな枝を拾い、ナイフで加工する。

 そんな俺を、至近距離でカズハが観察している。


「お、おい、危ないから少し離れてくれ」

「……大丈夫。このナイフではわたしを傷付けられない」

 やっぱりこの人、キャラクターレベルかなり高いんだろうな。

「いやそうじゃなくて、あんまり見られるとやりにくいっていうか、俺なんか見て面白いか?」

「……ん。上手に作ってるなって」

「これぐらい普通だろ。授業で工作とかしたりするし……よし、できた」

 できた木刀、というか棒をガイドフォンに取り込んで調べる。


[アスナロの棒]  ★

種別:武器/棒

攻撃力:6  重量値:3  耐久値:10/10

オートスキル【成長加速(小)】

解説:翌檜(アスナロ)の木の枝から作られた棒。明日は(ヒノキ)の棒になろう、明日は檜の棒になろう。そう言い続けて幾星霜。今日もやっぱり、アスナロの棒。


「なにこの解説……」

「ゲームでよくあるアイテムのフレーバーテキスト」

「フレーバーとおりこしてネタ武器じゃないか、これは」

「……でも、スキルは使えそうだよ」

「成長加速? 経験値が多くもらえたりするんだろうか」

「……でもこれは、もう少しレベルが上がるか経験値の多い敵が出るまでとっておいた方が良さそうだね」

「もう一本作ってみるか」


[クリの棒]  ★

種別:武器/棒

攻撃力:8  重量値:6  耐久値:14/14

オートスキル【回復強化(小)】

解説:(クリ)の木の枝から作られた棒。()は食用となる。材は硬く、やや重い。


「回復強化?」

「……これは本人が回復魔法を使えないとだめなやつ」

「攻撃力はちょっと高いが……もうひとつ作ってみよう」


[アカマツの棒]  ★

種別:武器/棒

攻撃力:5  重量値:4  耐久値:10/10

オートスキル【火行強化(小)】

解説:赤松(アカマツ)の木の枝から作られた棒。材は柔らかく、[たいまつ]の材料にもなる。


松明(たいまつ)かぁ。柔らかいから武器には向かなそうだ」

「……火をつけて振り回す?」

「まず自分が火傷(やけど)するのがオチだろう」

 それよりも、火行(かぎょう)

「このゲーム、四大属性ではなく五行説とか採用してる?」

「……他のゲームで言うところの火属性とか炎タイプとかいうやつ。そのうち魔法が出てきたらちゃんと説明する」

 いっぺんに色々言われても混乱するだけか。


「それじゃあ、もうひとつ」

「……何かガチャに外れた人みたいになってる?」


[クスノキの棒]  ★

種別:武器/棒

攻撃力:4  重量値:4  耐久値:12/12

オートスキル【種族特効(虫類/小)】

解説:(クスノキ)の枝から作られた棒。防虫剤の材料となる、樟脳油しょうのうゆを含む。


「いやなんで、こんなに棒アイテムが充実してるんだ。初期装備だろう、こんなの」

「……それは、合成用アイテムにもなる」

「合成用?」

「……合成元になる武器を金属とかモンスター素材とかで作っておいて、そこに他のスキル付きアイテムを合成して、カスタマイズしていく」

「ああ、なるほど」

「……詳しくは、また武器を作るときに説明するけど……」

 だいぶ先になりそうだなあ。夏休みの終わりか、テストの終了の方が先かも。

 でも、虫特効はいいかもしれない。


――武器を5種手に入れた!――

――アプリ【ウェポンホルダー】が解放可能となった!――


 アプリの開放?


 スキルみたいにスキルポイントを消費して解放するんだろうか。

 鎖で封印されたようなアイコンに触れると、メッセージが表示される。


――ウェポンホルダーに武器をセットすれば、戦闘中など緊急時に装備の変更が簡単になります――

――アプリ【ウェポンホルダー】の開放には、千五百エンが必要です――

 

 課金制か!

 思わず口に出してツッコミそうになった。

 使いこなせたら便利そうではあるが。


 しかし、円ではなく『エン』?

最後までお読みいただきありがとうございます。

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