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9.『辺境都市ツヴォルフへ(海ルート組)』

【エタスト】リシェルたん助け隊【part1】


1:名無しの参列者さん

家庭用RPG『エターナル・ストーリー』、及びその続編『エターナル・ストーリー2』に登場するヒロイン、リシェルたんのタヒを悼み、哀悼の意を捧げるスレ…全てはそこから始まった。


ここは『リシェルたんお通夜会場』スレから派生したスレです。

リシェルたんを救う為、異世界セラフィードへと旅立った六人。

一行は王都ドラレミードから出立し、二手に分かれて『辺境都市ツヴォルフ』へと向かう事に。

頑張れ六人、海ルートがあるってコトは水着回はあるのか!?


※配信URLは直前に水無瀬氏から投下されます!

※本スレに迷惑がかかる行為は禁止です!


2:名無しの参列者さん

>>1

スレ立て乙!


3:名無しの参列者さん

>>1

スレ立て乙です!遂に派生スレ化したか


4:名無しの参列者さん

>>1

乙乙乙


5:名無しの参列者さん

>>1

スレ立て乙!

残念だが海ルートは男しかいないハズだぞ


6:名無しの参列者さん

>>5

糸冬 了


7:名無しの参列者さん

>>5

オッパイは無いけど雄っぱいは有るよ?


8:名無しの参列者さん

>>7

ソレ需要ある…か


9:◆枯れ専の参列者さん

>>8

もちろんだが?


10:◆ネコゼスキーⅢ世

>>8

そりゃあ有るだろう?


11:◆高×篠CP支持者

>>8

有る…が、こっちは推しカプが分断されてションボリ


12:名無しの参列者さん

>>9-11

流石ブレ無ぇな


13:名無しの参列者さん

エタストのファン動画上がるのってこのスレ?


14:名無しの参列者さん

過去スレ嫁…って新スレだったわ

合ってるぞ


15:名無しの参列者さん

そういえば昨日テレビで紹介されてたな

そこからの新規流入多そう


16:名無しの参列者さん

らしいな

前スレで「アレ許可取ってないだろ?」って

住人達激オコだった


17:名無しの参列者さん

助け隊的には動画の転載は

どうぞご勝手にってスタンスらしいけどな

それでもテレビとなれば許可取りはするだろ普通


18:名無しの参列者さん

マトモな奴なんて居ないんだよ、放送業界なんて


19:◆名無しの自営業

>>1

新スレ乙だお(´・ω・`)

>>15

どうやって見つけたのか

Xのアカウントに許可取りの連絡来てたお

マジでよく見つけたなと驚いたお(´・ω・`)


20:名無しの参列者さん

>>19

オッスオッス!


21:名無しの参列者さん

>>19

おはよう水無瀬氏

許可取りの連絡あったんだ?


22:名無しの参列者さん

>>19

一応聞くけど個人アカウント?


23:◆名無しの自営業

>>22

実家の酒屋のアカウントだお(´・ω・`)

商品紹介と俺のオススメアニメ話しか呟いてない(´・ω・`)


24:名無しの参列者さん

えぇ…


25:名無しの参列者さん

>>23

逆に目立つわそんなもんwww


26:名無しの参列者さん

>>23

お前もブレないな…

流石アニメTシャツに前掛けスタイルの男


27:名無しの参列者さん

>>23

特定したわwww


28:名無しの参列者さん

>>23

いやお前、特定も何も

前掛けにシッカリ『水無瀬酒店』って書いてあるだろう


29:名無しの参列者さん

>>28

それな、本人隠す気ゼロやし


30:名無しの参列者さん

>>29

むしろ動画が宣伝になってるまで有る


31:名無しの参列者さん

>>28

俺水無瀬氏の実家の酒屋行ったぜ

迷惑にならんように普通に買い物してきたけど


32:名無しの参列者さん

>>31

お前…凸すんなや

オタクにだって最低限のマナーがあるだろ?


33:◆名無しの自営業

>>32

ありがとう

一応迷惑にならんよう気をつかってくれればOKだお(´・ω・`)

>>31

母ちゃん元気だった?


34:名無しの参列者さん

>>33

水無瀬氏の母ちゃんかは分からんが

レジ打ってくれたおばちゃんは元気だったぞ


35:名無しの参列者さん

>>33

え、親に連絡してないのか?


36:◆名無しの自営業

>>35

一応母ちゃんのスマホ宛てにメールはしてるけど

俺の話イマイチ理解してないっぽいお(´・ω・`)

説明したのに、いつ戻ってくるんだとか聞かれるし…

なんか友達と海外旅行行ってる位に思ってるっぽい(´・ω・`)


37:名無しの参列者さん

母ちゃん…


38:名無しの参列者さん

…まぁ、説明されても理解出来んわな

なにせ異世界だし


39:名無しの参列者さん

…俺、迷惑にならん程度に買い物行って様子見しとくわ

なんか心配だし


40:◆名無しの自営業

>>39

マジで助かります、ありがとう(´;ω;`)


41:名無しの参列者さん

よせやい、照れるだろう?


42:名無しの参列者さん

俺達はスレの仲間じゃあないか


43:名無しの参列者さん

うふふ( *´艸`)


44:名無しの参列者さん

ナカーマ( ´ ▽ ` )人( ´ ▽ ` )


45:名無しの参列者さん

…どうでもいいが、ここまでテレビ関係者への謝罪無し


46:名無しの参列者さん

…マジですんませんでしたm(,_,)m


47:◆名無しの自営業

【配信URL】https://*********

んじゃ謝罪配信するお(´・ω・`)


48:名無しの参列者さん

キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!


49:名無しの参列者さん

キタコレ!!


50:名無しの参列者さん

波の音聞こえる!



「…という訳で、『海の街オクトパ』に到着だお!」


「いやぁ…大陸の西端だっていうのに二日で到着とは、あっという間だねぇ…おかげでお尻が割れそうだけど。」


軽口をたたきながらも、どこか歩き方がぎこちない二人。

目の前には石造りの巨大な正門。


「金に物を言わせて高速竜車を使ったからな。Time is moneyだ。」


高速竜車…

馬車の倍のスピードが出る走竜四頭に、鋼鉄製の荷車を引かせた移動手段だ。

王都には常に常駐しており、主要な都市へのチャーター便として運行している。

速度は最高、乗り心地は最悪、値段も…まぁお察しだ。

おかげで白川さんによる金策でかき集めた資金が底をついた。

…さっさとクエストをこなさねば。


「…とはいえ、実際ケツがピンチだお。藤村氏、後でケツに『治療魔法(ヒール)』を頼むお。」


「…なんか嫌だなぁ…。」


…潮の香りを含んだ風が吹き抜けてくる。


『オクトパ』は古くは海運で栄えた商業都市。

街の中央には大きな貿易市場があり、魚介、香辛料、布地、宝石――

あらゆる物資がここで取引される。

…と、エタスト公式ガイドブックに書かれていた。


整備された石畳の道には塩の結晶が白く浮かび、通りを歩けば海鳥(正確にはカモメに似た海鳥のモンスター)の影が頭上を横切っていく。


波止場には大小の船が並び、マストに吊るされた帆布がパタパタと鳴る。

街全体が塩気を帯びた陽光に照らされ、白壁の家々がまぶしく光っていた。

カモメ(のモンスター)の鳴き声、船大工の木槌の音、魚を売る声――

それらが混ざり合い、オクトパの街は王都とはまた違った賑やかさがある。


〈おおおオクトパだ!!〉

〈すっげぇ!ゲームじゃなくて本物!!〉

〈王都も綺麗だったけどこっちも中々…〉

〈なんかワクワクしてきた!〉

〈画面越しでも潮の匂いを感じるぜ…〉


「お、コメントも賑わってきたお。」


水無瀬さんが眼前に浮かぶパネルを見て呟く。


…スレの皆が興奮するのも仕方が無い。

ゲームのエタストも美麗なCGで作られた街並は目を見張る物があった。

それが現実の物となれば…誰でも胸が熱くなるだろう。

…かく言う俺も、高揚感に今すぐ走り出したい気持ちを抑えているのだから。


「う~ん、流石は海の街…磯臭いねぇ!」


「情緒や風情がぶち壊しだお!」


藤村さんは…渋い見た目に反してああいう事を言うから侮れないな。

良い意味で、気持ちが若いのだろう。


「さて…到着したばかりだが、早速ギルドにクエストを受注しに行こうと思う。…高速竜車で大分散財してしまったからな、このままだと数日分の宿代も怪しい。」


「お、来た来た!必須クエストは海賊討伐とクラーケン退治だけれど、どっちから行くお?」


「確か海賊討伐は…商船を襲う海賊団を討伐する為に、ギルドの用意した偽装商船に乗り込んで襲ってきた海賊を返り討ちにするんだったかねぇ?一方でクラーケン討伐は…」


「漁師の元締めからの依頼で、最近漁場を荒らすようになった近海の主、クラーケンを退治する…こっちは元締めが用意した漁船上で戦うことになるな。」


この二つのクエストは、オクトパで受けることのできる重要な『海に呪われた一族』クエストの為のキークエストになっている。

二つのクエストをクリアする事で初めて『海に呪われた一族』クエスト受注の為のフラグが立つ。

…つまり、この二つは必修クエスト。


「…あ、クラーケンのクエは常設じゃ無かったハズだから、とりあえずギルドに行ってみて、受注できるなら両方受けておくお?」


「…そうだな。確かクリア期限は無かったと思うから、両方受注して海賊クエを先に進めようか。」


方針を話し合っている内にオクトパの冒険者ギルドに到着した。


軋む木戸を押し開けると、ギルド内の視線が俺達に集まる。

ギルドに併設された酒場で飲んだくれていた冒険者達の、値踏みするような目線を華麗にスル―し、カウンターへと向かう。


「オクトパの冒険者ギルドへようこそ。本日のご用件は?」


「色々とあるんだが、まずは素材の買い取りを頼む。」


笑顔で応対する受付嬢に手短に用件を伝え、カバンの中…に見せかけてストレージ内から素材を取り出した。

カウンターの上に、赤い液体が入ったガラス瓶を置く。


「はい、『ゼリー液』ですね。…赤色はここらでは珍しいですね、失礼ですが何処からいらしたのですか?」


「ああ、コレはヘキサの街周辺で取った物だ。」


「…ヘキサの街ですか?…結構距離がありますが、その割に品質の劣化が無いように思えますが…。」


「…そういうスキルだと思ってくれ。深い詮索はしないのがギルドのルールだろう?」


受付嬢は俺の言葉に一瞬訝し気な表情を浮かべたが、すぐに取り繕って買取金額一覧を提示してくる。


「…はい、赤いゼリー液一瓶で200レジットで買い取らせていただきます。」


…想定していたよりも、買い取り額が低い。

今夜の宿代だけでも確保できればと考えたのだが、これでは良い所一人分程度だ。

…仕方がない、ここで売るつもりでは無かったのだが…。


「…すまない、追加でコレも買い取ってくれ。」


カバンから取り出したアイテムをカウンターに置く。

銀色のインゴットが、ごとりと重い音をたてる。


「…!?こ…これは…『プラチナインゴット』ですか!?…本物?」


「そうだ。幾らになる?」


…正直、このアイテムはここで売るつもりは無かった。


『プラチナインゴット』は文字通りプラチナプディングがドロップするアイテム。

あのモンスター自体が事故みたいな存在なので、滅多に出回る品じゃ無いだろう。

ちなみに、鉱山の採掘ポイントでも超低確率で入手可能だ。

錬金や鍛冶の素材としても最高級品。

…そう、素材として有用なのだ。

白川さんのアイテム合成用素材として考えていたのだが…背に腹は代えられん。

…まぁ、正直在庫はまだ有るしな。『プラチナインゴット』。


「…ヒャ~ッハッハァッ!!…さっきから聞いてりゃ適当なコトばっか言いやがって!!」


「『プラチナインゴット』だぁ!?そんなレアアイテム、お前みたいなモヤシが持ってるワケ無ぇだろうが!!」


…『プラチナインゴット』を換金アイテムから除外していた、もう一つの理由。

そう、換金時にどうしても悪目立ちする。


併設酒場で飲んだくれていた、海の街に相応しい荒くれ者達。

…この時間帯に飲んだくれている時点で、まぁお察しではあるのだが。

…面倒くさい、無視だ無視。


「…それで?幾らになる?」


「…あっ!しょ、少々お待ちくださいっ!」


再起動した受付嬢は、束ねられた買取金額一覧を捲り、思い出したかのようにその束を放り投げてカウンターの奥から大きな秤を運んでくる。


「…お待たせいたしました。ギルドの規定では『プラチナインゴット』は重量での買い取りとなっております。現在1ガーラムあたり200レジットとなっておりますので…失礼します。」


そう言って受付嬢はインゴットを手に取り、慎重に秤に載せる。


「……はい、500ガーラムピッタリですので、100,000レジットでの買い取りとなります。」


…うん、それくらいが妥当だろうな。

『プラチナインゴット』はランダム性のあるアイテムで、ドロップ時に毎回重さが変動する。

今回渡したのはドロップした中でも最も軽かった品…だったのだが、それでもこの金額か。

売る事自体は予定外だったが、これでしばらく軍資金の心配は無さそうだ。


「篠原氏~!クエストボード確認してきたお!」


受付嬢から渡された金をカバンにしまう…フリをして『ストレージ』に収納していると、水無瀬さんと藤村さんが手を振りながらこちらへやって来た。


「いやぁ~、なんだかナイスタイミングだったみたいだねぇ。『海賊』と『クラーケン』のクエスト、両方とも貼ってあったよ。」


「受付嬢さん、これ両方とも受注するお!」


そう言うと水無瀬さんは二枚の依頼書をカウンターに置いた。


「…は、はい?…失礼ですが、お持ちいただいた依頼書はどちらもBランク以上推奨となっております。最低受注可能ランクでもCランクですので、お三方では受注不可能かと…」


戸惑う受付嬢の言葉に、何故か水無瀬さんと藤村さんの視線が俺に集まる。


「…篠原氏、まだギルドカード提示してなかったお?」


「…ああ、買取依頼だったんで提示して無かったな。すまない、コレでいいか?」


俺が懐から取り出した黒いカードを見て、引きつっていた受付嬢の顔が驚愕に染まった。


「…ブラックカードっ!?た…大変失礼いたしましたっ!まさかAランクの冒険者様だったとは…」


「いや、こちらが提示するのを忘れていたんだ、気にしないで欲しい。」


冒険者ギルドのランクは、王都に行った際に上げられるだけ上げておいた。

エタストのギルドランクはギルドへの貢献度で決まるが、その貢献度は指定された品の納品で上がる。

何をどれくらい納品すればいいのかは把握済みなので、王都への道すがら収集しておいたのだ。

…ウチのメンバーは全員レベル70台。正直楽勝だった。


「それじゃあコレ、受注で。」


「かしこまりました!『海賊討伐』と『クラーケン討伐』クエスト、確かにシノハラ様のパーティーに発注させていただきます。」





「…お、おい…アイツAランクだってよ…。」


「…静かにしろ…!目立たない様に…空気になるんだよ…!!」


なんか先程俺に絡んで来た荒くれ者達が、真っ青な顔で息を殺している。

…いや、別にどうもしないから。

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