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“私は、この男性を何処から何処まで愛しているのだろう?”

作者: 七瀬







“私は、この男性を何処から何処まで愛しているのだろう?”




こう思うのは? 13年も付き合っている彼の事だ!

もう結婚のタイミングはとっくに過ぎている。

ズルズルと気がつけば、13年!

もう別れるに分かれられない状態にまでなった。

彼は、“私と結婚する気はあるのか?”




・・・いや? そもそもまだ私の事が好きなのか?

【愛してる】かとまでは思わなくとも、せめて“私の事を好きでいてほしい!”

長い時間、一緒に居ると? もうこのままでいいとも思うようになる。

別に籍は入れてないだけで、やっている事は“夫婦”のような関係。

私と彼は付き合って、3年後に同棲をはじめた。

毎日否が応でも私と彼は顔を合わせる。

朝は彼とテーブルで顔を合わせながら、彼と同じモノを食べほぼ一緒の時間に

家を出て仕事に行き、私が先に帰って彼の帰りを持ちながら晩ごはんを作る。

彼はお風呂に浸かるのか好きな人で、一回入るとなかなか出てこない!

私は彼がお風呂から出てくるまで本を読んだりテレビを見て時間をつぶす。

彼がお風呂から上がってくると、一緒にご飯を食べ始める。

別に大した会話はしないけど? “ただ私の目の前でご飯を食べている

彼が居るだけで私はホッとできていた。”

私は一人じゃない! 私には彼が居るんだと安心していたのだ!





でも13年という月日は二人を引き裂くモノにもなった。

彼が私と付き合って、“初めて浮気をしたのだ!”

彼が浮気した女性は私よりも10歳以上も下で若い女性だった。

彼も彼女を気に入っていたらしい。

何度か彼の男友達が開く飲み会で彼女もきていて、いつの間にか体の関係も

持つようになったらしい。

そのうち、彼の浮気相手の彼女が彼にこう言った。

“赤ちゃんできちゃったみたい!”

彼も少し驚いたようだが、浮気相手の彼女に自分の子供がデキたなら?

私にも話さないといけないと思ったのだろう。

彼はその後、彼女を家に連れて来る。





『話したい事がある!』

『こんばんわ。』

『・・・そ、その女の子は?』

『今からちゃんと話よ。』

『・・・・・・』

『取り合えず、家の中に入って。』

『・・・ううん。』

『・・・・・』






 *





彼と彼女は私の目の前に二人座った。

私もなんとなく最悪な事を考えて“覚悟を決める!”




『実は、“この子のお腹の中に子供ができたんだ。”』

『勇一の子なの?』

『そうだ!』

『“この女の子は、勇一の浮気相手って事?”』

『・・・ううん。』

『で? 子供がデキたから私と別れてほしいって事なんだね。』

『“彼は何も悪くないんです! 全部、ワタシが、”』

『そうね、彼には私というれってきとした彼女が居るの! 貴女が彼を

誘惑してこんな事になったんじゃない!』

『・・・おい、少し落ち着けって!』

『落ち着ける訳ないでしょ! 13年よ! 13年も私はこんな関係で

居るというのに、横から割って入ってきたこんな小娘が子供がデキたから

私にこの座をどいてくれって言ってんのよ!』

『・・・と、取り合えず落ち着こう。』

『もう我慢の限界よ! 互いの両親共仲が良くて、こんないい関係性にも

関わらず、【結婚】してないなんて! こんな恥ずかしいことはないわ!』

『・・・お、おい? それは、』

『あのさ、勇一は私の何処から何処まで愛していたの?』

『えぇ!?』

『直ぐに答えられないんだね。』

『もう彼と別れてください。』

『勇一は私と本当に別れていいの?』

『当たり前じゃないですか!』

『・・・・・・』

『男らしく言いなさいよ!』

『・・・そ、それは、』

『ワタシは彼と彼との間にデキた子供と仲良く暮らしたいだけなんです。』

『・・・そう、貴女はそうかもしれない! でも私の13年間はどうしたら

いいのよ!』

『本当に、すまない。』

『“謝って済む話?”』

『・・・い、いや、』

『もうどうでもいいわ! 別れてほしいなら別れてあげる!』

『・・・・・・』

『ありがとうございます!』

『・・・だから、もう出て行って!』

『・・・あぁ、』

『行きましょう。』

『・・・・・・』






 *






私と彼の13年間という時間は、“ここで終止符を打つ。”

彼は今頃、彼女と子供と仲良く過ごしているのだろう。

私は、あれから1年経つが今も“独り身だ!”

今は、また男性だれかと付き合いたいと思えない。



・・・だからなのか今でも、ふと思う事がある!



“私は、この男性かれを何処から何処まで愛していたのだろう?”



あんなにあっさり身を引いた事に私自身もビックリもしていたからだ!

長く一緒に居たからといって、お互いの想いが変わらずあったかと

言われれば、正直自信がない。




でも少なくとも! “私は今も彼を愛している事は知っている。”


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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