なろう的乙女ゲーム問題
「小説家になろう」に登場する乙女ゲームの数々。
一般的な乙女ゲームユーザーから「そんな乙女ゲームねぇよ!」と突っ込まれて早数年。
個人的には2年ほど前に「なろうの乙女ゲームは異常そのもの」で答えが出ているのですが、最近になって問題が再燃した模様。
ランキング、テンプレ、追放ザマァに婚約破棄の長期支配。
こういった問題同様、定番化してきた感があります。
まず最初に、確定している情報から整理していきましょう。
〇 そもそも乙女ゲームって何?
女性主人公で、恋愛中心のシナリオ構造を持つゲームの事、らしいです。
細かい定義はなく、
〇 なろうにおける「乙女ゲーム(自称)」
なろうの乙女ゲームって、どんな話?
要素を簡単にまとめると、
・ ヒロインは庶民出身
・ 実は貴族の庶子(主に男爵)
・ 特殊な魔力、聖女の力などが発覚して貴族の家にドナドナされる
・ 貴族の若者が通う学校に放り込まれる
・ 王太子やその他高位貴族のイケメンと出会い、恋に落ちる
・ 恋の相手の婚約者にいじめられる(悪役令嬢の存在)
・ 卒業式でイジメてきた相手を断罪し、ザマァする
・ 隠しキャラ、逆ハールートあり
だいたいこんな所でしょうか。
ここに「神絵師と豪華人気声優陣で超人気ゲーム」などと言われる事が多いですね。
異論は認めますが、今回のエッセイではこの前提で話を進めたいと思います。
〇 現実の「乙女ゲーム」
では、特に人気のある、現実の乙女ゲームについて説明してみましょうか。
私が話すのは人気のある乙女ゲームの話です。不人気ゲーの話はしていません。だって、ようつべに動画がアップされていませんから。
・ ネオロマンス(コーエーテクモゲームスの乙女ゲー)
・ 幕末系統(薄桜鬼シリーズ・幕末恋華シリーズなど)
・ 音楽もの(うたの☆プリンスさまっ♪など)
凡そ人気があるのは、この3系統だと思います。
細かい事を言いだすとさらに細かくジャンル分けされるんですけどね。大雑把にまとめました。
分かりやすくアンジェリークというゲームの話をすると「普通の女の子がイケメンの手助けで女王を目指すゲーム」でしょうか。「乙女版ときめきメモリアル」でもいいですけど。
細かい部分の説明は省きますが、なろう乙女ゲームとの共通項は「主人公が普通の女の子である」一点のみです。その後に貴族の庶子などという流れにならず、特異な設定は持ち合わせておりません。
12歳以上が対象という事で、大人から子供まで楽しめるゲームではないでしょうか。
なお、女王になる条件をクリアするとゲームエンドなので、プレイヤーは「攻略対象に認められるステータスまで育成をする」のと「恋愛イベントを進める」という2つの目標をバランスよく行う必要があり、何気にハードなシステムとなっております。
その一方で「薄桜鬼」ですが、人がガンガン死ぬこともあり、17歳以上の乙女ゲームとなっております。まぁ、調べてみたら人気作でも17歳以上推奨の乙女ゲームの方が多かったんですけどね……。
ある程度史実に忠実なストーリー展開にファンタジー要素をぶっこんだハードなお話ですけど、仲間内での触れ合いはほのぼのとしていたり、クスリと笑える物が多く、だからこそガンガン死んでいく仲間に涙するような構成となっております。
なろう乙女ゲームとの共通点? 皆無ですが、なにか?
最後の音楽ものは、アイドルだったりバンドだったり、クラッシックだったりと。芸能界やそれに近い世界と、音楽を絡めただけのものまで、色々とあります。音楽を楽しみつつ、ゲームを楽しむスタイルですね。
ピックアップした「うたの☆プリンスさまっ」シリーズは、人気があって学園ものだから選んだだけですけどね。動画をざっと見た感じ、こちらも悪役令嬢/婚約者は不在だし、やっぱりなろう乙女ゲームとの共通項は見当たりません。
私のチェック不足かもしれませんが、「婚約者を奪う」展開を主軸にした人気乙女ゲームは無いですね。
戦国時代にタイムスリップする「遙かなる時空の中で」シリーズですら、ヒロインが婚約者を奪う真似はしていませんでした。
該当しそうな人気作は無いと断言しても良いのではないでしょうか?