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試行

「ステータスオープン」


 うん……レベル1のままだな。そんなに甘くないか……。


 とりあえずやることも決まってないし、異世界定番のスライムレベル上げでもしようかな。色々試してみたいし。


「そいっ」


「とりゃっ」


「ふんっ」


 ボコボコとグリーンスライムを倒していくと、


「ピロンッ」


 と音が鳴った。これはもしかして……


「ステータスオープン」


 ━━━━━━━━━━━━━━━━

 名前 佐味 大翔 年齢 25

 レベル 1→2 職業 無職

 HP 30→36

 MP 24→30

 攻撃 7→11

 防御 8→10

 素早さ 4→7

 ━━━━━━━━━━━━━━━━


「おー、やっぱレベル上がってる! 意外と簡単に上がるな」


 あ、でも最初だからか? 有名なRPGだって最初はポンポンレベル上がるもんな。


「やべっ、HPとかMP満タンだったからレベルアップで全回復するかどうかわからなかったぞ」


 やっちまったな……気を取り直していくか。


「とりあえず初めての設定変更スキルを使ってみるか。偶数と奇数があるけど……」


 偶数変更・・対象の設定を2、4、6のいずれかに変更する。1回MPを20消費。

 奇数変更・・対象の設定を1、3、5のいずれかに変更する。1回MPを10消費。


 これ、確率的にはどうなんだろう? 均等だったらコスパ的には奇数変更一択……と思いきや、1→1になる可能性もあるから無駄打ちになるかもしれんのだよな。

 俺の設定が1ならば、偶数なら確実に上がるが……うん、とりあえず悩んでも仕方ない、奇数変更で言ってみるか。


「俺を設定変更! 奇数変更!」


 ん? なんか身体に違和感が! どれどれ……


 ステータスオープンで自分のステータスを見ると新しい項目が増えていた。


 > 設定1→1


「なるほどね……最初にスキルを使わないと自分の設定の項目出ないのね……て、やっぱデフォルトは1か。そして1から1に変わった、と。しっかりMPも10減ってるな。むむ」


 あれ? このスキルもしかしてハズレか? やっちまった!?


 でもあんだけスキルが並んでて、ユニーク、レア、ノーマルって並んでたらユニークが一番強いと思うじゃん?

 てかたぶんそれは合ってると思うんだよなぁ。

 異世界転移特典でそんな露骨なハズレを混ぜる必要あるか? ないよな?


「あ、敵に使ったらどうなるんだろう?」


 スロットの場合は、当然台自体の設定のことなので、もちろん1より2、2より3と、高ければ高いほどいいに決まってる。6ならヒャッホーだ。


「試しに奇数変更を敵に使ってみるか。1から1に変わっても倒せばいいだけだし。……まさか劇的に強くなったりしないだろうな?」


 手頃なグリーンスライムを……うん、1って浮かんでるやつがそこらにいるな。どれどれ


「グリーンスライムを設定変更! 奇数変更!」


 さぁ、何か変化起きてくれよ……おお!?


 グリーンスライムの上に浮かんでる数字が3に変わった。


 スロットなら3と言えば悪くもないが別に特別いい設定でもないんだが……果たしてどうなるか。


「おっと、効果時間は10分しかないんだった。ぱぱっと倒すか。とうっ」


 ボコッ と蹴りをかますと、


「あれ? なんか手応えあんまないのに倒せ……」


「ピロンッ」


「え?? ま、まさか……ステータスオープン」


 ━━━━━━━━━━━━━━━━

 名前 佐味 大翔 年齢 25

 レベル 2→3 職業 無職

 HP 36→43

 MP 30→38

 攻撃 11→16

 防御 10→17

 素早さ 7→11

 ━━━━━━━━━━━━━━━━


「んんー? さっきは複数体倒してようやく1レベル上がったのに、今度は1体であっさりレベルが上がったな……」


 つまり……設定3のグリーンスライム1体のほうが、設定1のグリーンスライム……あれ? 何体倒したっけ? まぁ4~5体より経験値が多く貰えるってことだな。

 必要経験値がわからないのはちょっと不便だけど、これはけっこうすごいな。


 そしてMPも満タンになっている。これはでかいぞ。

 レベルが高くなったら、もうちょいでレベル上がるかな? ってところで敵を大量に引き付けて、バシバシ倒した後はレベル上がってさらに魔法連発でレベリングができるってことだよな。夢が広がる。


「こうなってくると、MPの出し惜しみがもったいないな、バンバン使うか。俺を設定変更! 偶数変更!」


 試しに初の偶数変更を使って、ステータスを見てみる。


「おお! 4になってるじゃん! こりゃ高設定と言っていいんじゃないか? 時間がもったいないからどんどん倒そう」


 なるべく群れがいそうなところ目掛けて走り出す。


「おっりゃぁぁあああああ」


 グリーンスライムをボコッと殴ると、さっきより軽い感触だったのに倒せる。


「うおおおお、楽しくなってきたぁぁあああ」


 そこらにいるやつをボコンボコン倒して倒して倒しまくる。夢中になって「ピロンッ」という音が鳴っていることにも気付かずに。

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