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着界

「うむ、ではスキルも付与したことじゃし」


「頂きましたし?」


「良い異世界ライフを!」


「へ? どわぁぁあああああああ」


 神? に落とされた。どこかに。


「なんだなんだなんだ!? え? 地面に穴が! いや穴はどうでもよくて……アイツ急に落としやがった! あんなやつ神じゃねぇぇえええ覚えてろぉおおおお」


 叫びながら、どんどん近付く地面を眺めながら


「ああ、俺の人生はこれで尾張かにえ温泉か……」


 しょうもないギャグを頭に浮かべつつ、温泉最近入ってなかったな……もっとのんびり過ごしたかったな……とか思いつつ


「とすっ」


 急激に勢いが弱まり、地面に降り立った。

 両手をばんざいの形に挙げ、


「着界!」


 無事、生きて異界に辿り着けたことを感謝した。


「いや、ふわっと着地できるんなら先に説明しとけよ神! 説明ガバガバすぎんだろ、どうなってんだよ……」


 周りを見渡すと……うん、何もない草原だな。


「え? これどうすりゃいいんだこっから!? 説明なさすぎだろ……いくらラノベ読み込んでて異世界にあんまり抵抗感無いとは言え、いくらなんでも説明不足じゃないですか神さんよう?」


 とにかく状況確認と、試行錯誤だ。

 とりあえず鉄板なやつだと、ステータスの確認だな。大体どのラノベもあの言葉で自分のステータスがわかるはず。


「ステータスオープン」


 ふよん、と。謎の画面が空中に浮かぶ。


「はいきたステータス画面ーー! っしゃぁ! どれどれ」


 ━━━━━━━━━━━━━━━━

 名前 佐味 大翔 年齢 25

 レベル 1 職業 無職

 HP 30

 MP 24

 攻撃 7

 防御 8

 素早さ 4

 スキル

 ★設定変更(等級:ユニーク)

 ★アイテムストレージ(等級:ユニーク)

 ★状態異常無効化(等級:レア)

 ━━━━━━━━━━━━━━━━


「……いくら地球から転移した直後だからって弱すぎん? ここの世界のステータス基準わからんけど、これ絶対弱いよな?」


 さっさとレベル上げないとヤバイよなぁ……スキルは神から色々もらったけど、こんなん強いモンスターに出会ったら即死だろ。


「うーん、無職ってのも地味に心にクるものがあるな。元の世界ではバリバリ社畜だったんだけどな。地球のほうがよかったんじゃ……あ!」


 サンコーはどうなったんだろう……無事逃げ出せただろうか……

 夢見さんにも……挨拶くらいしたかったなぁ……


 アメド強奪娘の……名前なんだっけ。リオラか。彼女は今日もあの場所で俺を探すのかな?

 まぁもういないんだけど。


「早くもホームシックか……? お?」


 前方から奇妙な物体が近付いてくる。

 ぷるるんっとしてて、黄緑色をしている。

 穏やかな球状のそれは、まさしくゲームでよく見るスライムだった。

 頭の上には 「1」 という数字が浮かんでいる。


「グリーンスライムとでも言うのかな? 1ってのはたぶん設定変更スキルの1~6の数値が頭の上に見えるようになるってやつだろう。どう見ても強そうには見えないが……っと」


 身体から触手状の物体をしゅっとこっちに放ってくる。


「うん、普通に避けれるな」


 うーん、せっかくだから色々実験したいが、何しろMPがたったの24しかないからな……設定変更スキルの消費MPは10だから使いどころが……あ、でもレベルアップしたらHPとかMPが全回復する系の異世界だったらもったいないな。


「とりあえずコイツの能力が見たいな。なんか発動しないかな? 鑑定! サーチ! 見破り!」


 手当たり次第に色んなワードを叫んでみるが、


「持ってないスキルは使えない……か」


 何も起きなかった。


「さすがに強いスキルっつったって3つだけだと厳しいぞ? この異世界はどうやって新しいスキル覚えるんだ? ほんと説明足りなさすぎだろ……」


 とりあえず色々試してみるしかないか……


「お前に恨みはないけど、やらなきゃ俺もやっていけないんでね。すまんね」


 勝手にグリーンスライムと名付けたスライムに向かってパンチを繰り出す!


「おりゃっ」


 ぶにんっとした触感が伝わってくる。


 ━━状態異常無効化で毒をレジストしました。


「……なんか脳内にアナウンスが流れた。ってかコイツ毒持ってんじゃねぇか! あっぶねぇなおい! なんでこんな序盤から毒持ちがいるんだよ! ツッコミ追いつかねぇわ!」


 コイツに対する憐憫の情は一瞬で吹き飛んだ。


 グリーンスライム改め、ポイズンスライムにケンカキックをお見舞いし、ついにスライムが力尽きて動かなくなるのを確認する。


「あっさり倒せたな。ん? 倒すとボディは蒸発するように消えていくのか……なんだかほんとにゲームみたいだ。あ、なんか落ちてる」


 ドロップ品ってことか。いいね。RPG感出てきた。


「アイテムストレージ」


 試しに使ってみると、ちっちゃい黒い穴が空中に浮かぶ。


「ん、これに出し入れできんのかな? どれどれ」


 さっきドロップしたやつを早速ぶちこむ。



 ━━━━

 アイテムストレージ

 ・グリーンスライムの魔石 ×1


 ━━━━


 ……名前、グリーンスライムなのか。

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