表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/19

冒険者デビュー②

「まいどありィ」


「ありがとう。それじゃ」


「あ、ちょっと」


「ん?」


 なんか忘れてたっけ?


「あんたァ……とんでもない大物になる気がするヨォ? 名前は?」


「え? えーっと……タイトですけど」


 日本語っぽい感じで伝えても微妙だし、名前だけでいっか。


「あんがとな。あたしゃァ、ジェニファーだよォ。よかったらまたここの買取窓口利用してくんな。サービスするヨォ?」


「え? いいんですか?」


「ガッハッハ、いっぱい買取したらあたしの査定に上乗せされるからねィ! 大歓迎さ!」


「わかりました!」


「じゃあなァ!」


 見た目と喋り方の割に、いい人だなぁ。ちょっと怖いけど。

 ……ってかジェニファーっていうのかあの人……。


 とりあえず、お金も出来たことだし、冒険者登録といこう!


「あ、そういや、なんか用紙に書かないといけないんだったな」


 氏名……名字は別にいらんだろ? タイトでいいや。

 年齢25、職業……職業? ……ないな。悲しいけど無しでいいや。くそぅ……無職か。サラリーマンって書きたい。レベルは78っと。


 得意なスキルかぁ……設定変更って書いて伝わるのかなぁ。微妙だなぁ。やめとこう。とりあえず火と雷と水の魔法使えるしそれ書いとこう。あ、設定変更をバフと見ることもできるか。バフとデバフって書いておこう。


 あれ? これ実質魔法使いなのでは? 魔法使いと言っても差し支えないよな。


 消しゴムでごしごしと職業欄に書かれた 無し を消して、魔法使いと記載する。


「これでよし、っと」


 さっきの登録者用窓口に並ぼう。同じお姉さんだし。


 ……


 …………


 しっかし、お腹空いたなぁ。ろくなもん食べてなかったし、これ終わったら素材売ってなんか食べに行こう。


「次の……あ、先ほどの方ですね」


「あ、どうも。素材売ったら5万イェンになりましたので、登録しにきました。こちら、お金と登録用紙です」


「それはおめでとうございます。では拝見しますね」


 お金を数え、その後は登録用紙に視線が向けられる。なんだかドキドキするなぁ……


「魔法使いさんでいらっしゃいますね……レベルは……え?」


「あの……何か……」


 ヤバい、何か変なこと書いちゃったかな……特に変なことは書いてないはずなんだけどな……。


「その……先ほども申し上げたのですが、罰則等はないですが、記載事項に虚偽がありますと、パーティーを組む際等に不利になることがありますよ?」


「え? 嘘? 特に嘘なんて書いてないんですが……」


「さようでございますか。ちなみに、この都市で有名な3英雄の方々でも、最も強い方でレベルは50前後となっております。一般的な冒険者ですと、10程度でいっぱしの冒険者と認められ、20で一流というような扱いとなっているのです」


「へ、へぇ……」


 やっべぇぇええええ……なんか知らん間に3英雄とか言うの越えてたよ!

 ってか3英雄って誰だよ! 異世界人の俺に優しくねぇなこの世界!


 神様ーー! 神様ーー! wikiみたいなやつ! 説明ぷりーーーず!


 ……んなこと言っても何も起こるはずもなく。


「あ、あはは、まぁ、当面は自分1人でモンスター退治するので、これでいきます」


 別に嘘も書いてないし、ぼっちでやっていくつもりなのも間違いないし、これでいいや。


「さようでございますか……ではこれで登録致します。ギルドカードを発行しますので少々お待ち下さい。カード発行を行っている間に、ギルドランクの説明を聞かれますか?」


「お願いします」


「では」


 ギルドランク! いいねいいね、いい響きだよ!

 やっぱ異世界ってのはこうじゃないとね。


 受付のお姉さんによると……


【冒険者ランク一覧】

 SSS・・現時点で世界に存在せず。

 SS・・伝説の英雄級。世界に数人。SSSへのランクアップ条件は不明。

 S・・超一流冒険者。超級ダンジョンを複数攻略でランクアップ。

 A・・上級冒険者。超級ダンジョンを1つ以上攻略し、昇級戦へ合格するとSへランクアップ

 B・・中級冒険者。依頼達成や素材売却に加え、ギルドの専門の冒険者との昇級戦で合格することで、A以上へランクアップ可能。

 C・・一般冒険者。Dよりさらに多くの依頼をこなしたり、素材を売却するとランクアップできる。

 D・・ある程度依頼をこなしたり、素材を一定数売却するとランクアップ。

 E・・初心者。誰もがここからスタートする。ある程度経過すると誰でもDへランクアップできる。


 なるほど。異世界モノのラノベでありがちなやつだな。

 異世界人の俺でもとっつきやすいのはありがたい。

 カードの色は……黒→銅→銀→金→ルビー→サファイア→ダイヤ→オリハルコンらしい。

 なんとなくわかるけど、オリハルコン色ってなんだ?


「出来ました。こちらがギルドカードです。タイト様は登録したてなので、黒いE級からスタートとなります。ギルドカードを所持した状態で敵を倒したり、ダンジョンを攻略すると、特殊な波動がカードに記録されます」


「へぇ……すごいですね。虚偽の報告はできないってことですか。」


「その通りです。また、重大な違反である殺人等の犯罪を犯した場合でも全て記録されますのでお気をつけ下さい」


「わかりました。どうもありがとうございます」


「それでは、良い冒険者ライフを!」



 ようやく冒険者になれた!


 なれたところで……とりあえず金だ、飯だ。素材売って、飯食いに行こう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ