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218.妖の総大将

「レベル85!? こんな一気に強くなるのか!?」


 俺のレベルは73。レベル12の差は大きい。この前はロイドが大して強い奴じゃなかったから勝てたけど……今回の相手は歴戦の妖怪の総大将だ。


 しかも、まだどんどん強くなってるぞ!?


 鑑定スライムによって表示される情報はさらに上がっていく。86……87……88!?


「最近の人間は豊作揃いじゃな!! ワシがこの姿になったのは10年ぶりじゃが、それより前は200年前じゃ!! ハハハハハハハハハハ!!」


 ぬらりひょんが激しく笑った刹那、奴の体が一瞬で肥大化し、5メートルほどの巨大な肉塊のような化け物に変化した。


「なによアレ――あんなの、勝てるわけないじゃない!」


「百鬼夜行はこれまで誰も倒したことがないんです! アズマのサムライたちも、退かせるのが精一杯で――」


 狼狽えるライゼの後に、フウカが続いた。


「2人とも、しゃがめ!」


 叫んだその瞬間、ぬらりひょんが巨大な腕を振り回して攻撃してきた。建物が次々と破壊され、瓦礫が弾け飛んでくる。


「軽く腕を振るっただけでこれか……!」


 冗談じゃない。相手は格上、しかもあの圧倒的な体躯! 数の力でなんとかなる相手じゃない!


「<スライジング・バースト>!!」


「ガァッ!!!」


 試しに雷魔法で攻撃するが、軽くいなされてしまう。全くダメージにはなっていない。


「ライゼ! サポートは任せた!」


「いいけどどうするの!?」


「作戦はやりながら考える!」


 俺はスライムクリエイターで座標スライムとワープスライムを召喚し、展開する。

 瞬間移動を繰り返し、ぬらりひょんに肉薄した。


「<紫電一閃・焔>!」


 思い切り斬撃を喰らわせたが、手応えがない。見た目はぶよぶよの肉体なのに、一撃を喰らわせても断つことができない。不思議な感覚だ。


「ガアアアアア!!」


 刹那、ぬらりひょんがまるで急に沸騰した水のように暴発し始めた。肉の波が一気に襲いかかってくる。


「……まずい!」


 このままだと、飲み込まれる!


「<疾風暴走(テンペスト)>!!」


 俺の窮地を救ったのはライゼが放った風の魔法。肉を裂き、俺が溺れるのを防いだ。


 一瞬の隙をつき、俺は座標スライムでライゼの隣へ瞬間移動した。


「助かった!」


「……だめね、攻撃した側から回復してる。さっきの一撃も、一瞬怯ませただけ。<円焼>じゃ焼き切れない」


 かなり困った。戦うための有効な手段がない。やれるとしたら<七連星(アルクトス)>だが、そこまで時間が稼げるかどうか――


「アルクス様、少しよろしいでしょうか?」


 そう言われて振り返ると、そこにいたのはシノやチアをはじめとした人型のスライムたちだ。


「どうしたの?」


「実は、恐れながらアルクス様にご報告していない事項がございまして。数秒だけよろしいでしょうか?」


「報告していない事項?」


 シノは頷いた。


「我々スライムたちは、リュドミラ様を失い、危機感が足りていなかったと実感しました。夜中、スライムたちが狩りをしている間、我々は作戦会議を行いました」


「作戦会議? そんなことをしてたのか」


「端的に申し上げますと、我々スライムは、これから激化するアルクス様の戦いで足手まといにならないよう、さらなる強化を目指しました。そして毎日、スライムたち総出でその準備を進めました」


 そんな……スライムたちはこれまでもすごく頑張っていたのに、まだ頑張ってくれていたのか!?


「結論。スライムは個々に力を活かすよりも、『一丸』になる方が強い。我々は実験を繰り返し、ついにその極致を見つけました。それを今、試したいと考えています」


「それは――この状況を打開できるのか!?」


 スライムたちは黙って頷いた。


 今、あの巨大なモンスターに抵抗する手段はない。なら……スライムたちを信じてみるべきじゃないか!?


「……わかった。やってくれ!」


「かしこまりました。では、実行します。チア!」


「はーい! みんな、いきますよー!」


 チアがそう言って手を天に向かって掲げると、スライムたちがその様子を見て一斉に集まってきた。


「な、何が始まるんだ!?」


 スライムたちはまるで鳥が群れで飛行するようにばっと集合すると、今度は一つになるように体をくっつけ始めた。


「我々スライムたちは、個々が様々な能力を持っている。だからこそ様々な敵を相手にした時に強く立ち回ることができる。それは時に長所でありながら、短所でもある。裏を返せばーー一致団結することができれば、我々は新たなステージの強さを手に入れることができる」


 次の瞬間、人型スライムたちを飲み込むように、スライムたちが集まり、一個の巨大な塊に変化した!


「み、みんな!? 何やってるんだ!?」


「ご安心を。これこそが、我々の新たな進化のステージ」


 ち、違う! これはスライムたちが結束(・・)したんだ! まるで雫の一滴一滴がくっつき、大きな水溜りができるように、スライムたちは一つの生命体へと進化した!


「説明しよう!」


「一匹一匹は弱くとも!」


「一つになれば100倍強化!」


「我らが新時代のスライム!」


「「「「合体(ユニゾン)!!」」」」


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