★★★★☆
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今回は少し短めです。
「サイファさんのお顔が見たいです」
その言葉を理解した瞬間、頭のなかで何かが弾けたような感覚に陥り、頭がくらくらした。彼女のいると思われる方向に両腕を伸ばして、その筋肉質で温かいお腹をグッと抱き寄せると、耳のそばで彼女のきゃっ、という短い悲鳴が聞こえた。
前屈姿勢で顔を伏せたままのわたしに後ろから抱き寄せられた彼女は、わたしの頭の上に背中から倒れ込む形となっている。そして、わたしが背中の下から頭を抜くと、彼女はわたしの太ももを枕にするように仰向けの状態になった。
わたしはそんな彼女のお腹と頭に両手を置いて、彼女の顔を覗き込んだ。
「急にひどいです」
「顔見せてって言うから」
むくれて見せた彼女にわたしはいつになく余裕の態度で反論した。顔は恐ろしいほどニヤけていておそらく真っ赤になっていると思う。
「お腹くすぐったいです」
その言葉に反応したわたしは、左手は頭を撫でながら、右手で彼女の腹筋を撫でた。彼女のお腹は綺麗に引き締まっているのに薄っすらとやわらかい肉が乗っていて素晴らしい触り心地だった。それぞれの指を腹筋の筋に這わせながら、するすると触っているとキーアはくすぐったそうに身を捩った。
「ちょっ…………さ、サイファ……さ、ん」
そんな彼女の反応がわたしの思考能力を徐々に蝕んでいった。
褐色の美しい調度品のような腹筋を慈しむように撫でていると、そのすぐ下部に添えられた、煽情的な彼女のへそが異常なほどに性的なものに見えた。わたしはそれに小指を滑らせていき、縦長なその形を縁取るように滑らせると、そのままその穴の中に指を入れた。
「……あっ」
そのまま小指を穴の中でくるくると躍らせると、彼女は「あぁ!」と短い嬌声を上げ、そのお腹がびくん、と跳ねた。あまりに刺激的な反応に、頭がどうにかなりそうだった。
その姿にテンションの上がったわたしはへそを弄るのをやめて、上半身のなだらかな二つのふくらみに手を伸ばす。指をするするとゆっくり滑らせながら移動させたので彼女も意図に気が付いたのか、身体がこわばるのがわかった。
「ん……恥ずか、しい……」
こんなにかわいい子なのに自分の身体にコンプレックスがあるのが信じられなかった。何も恥じるものなどない、これこそ完成された美しさだと思うけれど。
そんな彼女を見て一旦手を戻し、こわばった身体をほぐすようにお腹や腰をゆっくりと撫でた。そして、その彫刻のように美しい造形の、きめ細かい褐色のお腹に口づけをした。
彼女の匂いや感触が粘膜を通して感じられることがとてもうれしくて、名残惜しく、口を離すときに少し舌を這わせた。
「あぁ!」
彼女はお腹を舐めた瞬間にひと際大きな声を上げた。そんな官能的な喘ぎ声に、艶やかな腹筋や煽情的なくびれに夢中になっていたわたしは、思わずその顔へと目をやった。
「……やっと……こっちみた」
「ごめんね、つい……キーアがかわいいから」
「ばか……ひどいです」
潤んだ瞳で不満そうに見つめてくる彼女がもう愛おしくてたまらなかった。
その不満そうな顔でうぅぅ、と少し唸った声は挑発しているとしか思えない妖艶さで、愛らしくて、愛おしくて、そんな彼女は乱れた呼吸を整えながらも、口をむずむずさせて何か言いたげだった。
「どうしたの?」
精神的に優位に立ったような気になっていたわたしは、子どもに問いかけるようにやさしく言った。
すると彼女はわたしの右手を自分の腹部から払いのけ、布団を強引に自分の身体に巻き付け全身を覆った。そして、口を真一文字に結んでムッと睨みつけたかと思うと、ひと呼吸おいてから口を開いた。
「…………すけべ」
……そのセリフは誘っているのか、それとも真面目に怒っているのか。
わからん! もう可愛すぎる。どっちにしろ可愛いからどっちでもいいや。けど本当に止めてほしいならその反応は逆効果にしかならないということを彼女に教えてあげた方がいいのかもしれない。布団に包まってこちらを睨みつけながら「すけべ、へんたい、えっち」と呪文を唱えるキーアを見ながらわたしは心底そう思った。
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