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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

童話モチーフのお話

残酷桃太郎

作者: 桜風瑠那

※注意:途中で気分が悪くなっても、こちらでは責任をおいかねます(笑)

昔々ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでいました。

お爺さんの日課、それは山へ芝刈りに行く事。そしてお婆さんの日課は、川へ洗濯に行く事でした。

ある日の事、お婆さんが川で洗濯をしていると、川上の方からどんぶらこ~どんぶらこ~と大きな桃が流れてきました。

「まぁ、なんて大きな桃なんでしょう」

お婆さんはその桃を取ろうと、川の中に入っていきました。

桃は、勢いを増して流れてきます。

「とりゃあっ」

お婆さんはそう叫ぶと桃を受け止めようとしました。ところが…

ガツンッ

桃に勢いがあり過ぎたせいか、はたまた大きすぎたせいか、お婆さんは桃を受け止められず、側にあった大岩に頭をぶつけて死んでしまいました。

桃は、お婆さんの死体と大岩に引っかかってその場で止まり、桃の代わりにお婆さんの血が、川を流れていきました。


さて、夕方家に帰ったお爺さん。

いつもは自分より早く家に帰って来ているハズのお婆さんがいません。

お爺さんは心配になり、いつもお婆さんが洗濯をしている川に行きました。

川にはお婆さんの死体と、大きな桃が浮かんでいます。

お爺さんはすでにお婆さんに息がない事を悟ると、桃を取ってお婆さんの死体をそのまま流してしまいました。

お爺さんの目にはもう、桃しか見えていません。

お爺さんは桃を担いで急いで家に帰ると、桃に向かって斧を振り下ろしました。

パカッ

なんと桃は斧が突き刺さる前にひとりでに割れました。しかし振り下ろした斧の勢いは止まりません。

ザシュッ

お爺さんの手に嫌な感触がありました。

桃の中には赤ん坊が入っていたのです。

プシュ───ッ

斧は赤ん坊に突き刺さり、赤ん坊の頭から血が噴き出しました。しかし…

なんと赤ん坊がフラフラと立って歩き出したのです。

「うひょえぁあ───っ」

お爺さんは夢中で斧を振り回しました。

ザシュッ、ブシュッ

斧があたっても、なおも赤ん坊は歩き続けます。

「ひぃぃぃっ」

お爺さんはショックのあまり死んでしまいました。


1人残された赤ん坊は、自分の名前が桃太郎で、鬼退治に行かなければならない事を知っていました。

桃太郎はお爺さんの死体を井戸の中に投げ入れると、その家で暮らし始めました。桃太郎は自分が入っていた大きな桃を食べ、見る見るうちに成長していきました。

しかし、身体の傷は直りましたが頭の傷は塞がりませんでした。

やがて成長した桃太郎は、鬼退治に出かける事にしました。

日本一の桃太郎と書いた旗を自分で作り、桃太郎は出発しました。


途中、犬に会いました。

「おいそこのクソ犬! 皮を剥がれたくなきゃ子分になれ!」

桃太郎は犬を脅して子分にすると、また歩き出しました。


しばらく歩いて行くと、今度は猿に会いました。

「おいそこの猿! その身体を赤い血に染められたくなきゃ子分になれ!」

桃太郎は猿を脅すと、子分にしてしまいました。


更に歩いて行くと、今度はキジに会いました。

「おいそこのキジ! 食われたくなきゃ子分になれ!」

こうして犬・猿・キジを子分にした桃太郎は、鬼ヶ島目指して歩いて行きました。


鬼ヶ島に行く為には、海を渡らなければなりません。

船を探していると、丁度そこに漁師がいました。

船も繋がれています。

漁師はきび団子を食べている所でした。

「おい、そのきび団子よこせ!」

桃太郎は漁師にそう言うと、持っていた旗で漁師を突き刺して殺し、きび団子と船を奪い取ってしまいました。

旗の先端は尖らせてあったのです。

桃太郎はきび団子をあっという間に平らげると、船に乗り込みました。

さすがに桃太郎も、毎日桃ばかりの食事に飽きていたのです。


鬼ヶ島に着くと、桃太郎達は鬼達を殺していきました。

殺らなければ殺られる。

犬・猿・キジも必死です。


そうして遂に桃太郎達は鬼の親分の所に辿り着きました。

桃太郎達の殺戮を見ていた鬼の親分は、桃太郎達には勝てないという事を悟っていました。

「お願いです。宝は全て差し上げますから、命だけはお助け下さい」

鬼の親分は命乞いをしました。しかし…

「知らん、死ねっ」

桃太郎はあっさり鬼の親分を殺してしまいました。

桃太郎は、そのまま鬼ヶ島に住む事にしました。


…しばらくたったある日、桃太郎の頭の傷口から角が生えてきました。

桃太郎は鬼になったのでした。

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