【プロローグ】 昔々のお話でございまする
約2000年前、とある国のとある村に1人の男がいた。
その男は、何か得意なものがあるわけでもなく、只々何にも起こらない日常を過ごしていた。
だが、この男にも「生き甲斐」があった。
同じ村に住む1人の女だ。
この女のためなら、この女が望むなら、何でもしてやる、何にでもなってやる。男はそう思っていた。
ある日、男はいつも通りの生活を送っていた。
何もせず、只々生きるだけ、それだけ、
ーーーーけど、その日常は突然消滅したーーーー
突如、出現した何者かによって村は襲われた。
男は立ち向かうこともせずに、逃げた
必死に逃げた。
それからしばらくして村へ戻ると、村は原型を留めていなかった。何もなくただ広がる焼け野原となっていた。
そして、男は気づいた。
自分の「生き甲斐」である女がいないことに。
男は泣いた。もう一生泣くことはないほどに泣いた。
そして、決意した。
「こんな理不尽な世界なんて俺が壊してやる。」
ーーー数年後男には世界を支配したーーーー
男は圧倒的な力で、圧倒的な存在として世界に君臨し続けた。
男は常に冷酷で、目的を作り行動した。
あの日の悲劇を繰り返さないために。
この男、ゴルド・エイムは伝説の「覇王」として現在でも知られている。