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東方白銀狼 (旧白狼物語)  作者: 水城野
一章 「白銀誕生之章」
7/14

第七話「帰って話し合って」

大変お待たせしました。

今回は少し短めです。

白狼物語第七話「帰って話し合って」


アツシの家に行った後、私は村周辺のマコトとアツシ、キクさんに案内してもらった。

マコトとキクさんは昼ごろのこともあって、二人の間には微妙な空気が流れいた。

それを見てアツシと私はニヤニヤと笑っていたが……


そして今、二人と別れて神社に戻ろうと来た道を歩いている。

マコトの横を歩きながら、手に入った情報を頭の中で整理する。

今回の散歩で分かったことを書きだすと、



・この村や大宰府周辺はこの稲守神社と近くにある竈門神社を主に信仰している。そして、太宰府天満宮はないらしいこと。

・最近山賊がいるらしく、大宰府政庁が注意を呼び掛けていること。

・何年か前に遣唐使は廃止されていることであった。          などであった。



山賊はいつの時代もいるからここは置いておくとして、これらの情報から私がどこの時代にいるのかだいぶ的を絞れた。

具体的にいうと、遣唐使が廃止されるのは西暦894年、そして太宰府天満宮が建てられるのは菅原道真の死後のはずだから菅原道真が左遷される西暦901年、亡くなるのはその二年後の903年である。

ということから私がいる時代は『西暦894年~903年』のどこかだと推測した。


菅原道真が大宰府に左遷されたとも聞いてないし細かいところは戻って紅葉に聞こう。

さらに運がよけれがあの『学問の神様』と言われた菅原道真――そう偉人に会うことができる。そう思うとテンションが上がって思わず尻尾を振ってしまう。


そんなこんなしていると私とマコトは稲守神社に到着した。





「紅葉様、ただ今戻りました」



――ただいまー!!



「おかえりなさい。早速だけどマコト。夕餉の用意をお願いできるかしら?」

「わかりました。すぐに用意してきます」



マコトはそう言って母屋の方に歩いていった。

残された私と紅葉は本殿に向かう。その間に私は今日の散歩であったことを話した。

この村のこと、この時代のこと、アツシのこと、そしてマコトとキクさんのことも。

その話を紅葉は面白そうに聞いていた。

そしてある程度、話し終えた時に私はふと気になることがあったので紅葉に聞いてみた。



――ねぇ、紅葉。私たちが行っている間紅葉は何をしてたの?



「私もちょうど聞くことがあったから教えるわ」



紅葉はそう言葉に続くように話はじめた。私たちはその紅葉の話を聞いた。

話によると、紅葉は基本的に神社の仕事をやっていたらしい。

神様というにも仕事というモノがあるらしく、それを消化していたらしい。

私は神様にも仕事があることに驚いたが……。

そして、都(この時だと平安京)に派遣していた木葉の部下が連絡に帰ってきていたらしい。

この当時の都がどのような状況なんだろう……やっぱり、資料に残っているような感じなのかな?



「木葉、さっき言った都に送っていた部下――津奈木つなぎの報告のことに関して何だけど……ちょっと幾つか質問して良いかしら?」



――いいよ。なに?



「菅原道真という学者が右大臣になったんだけど何か知ってる?」



紅葉の言葉を聞いて、ちょうど帰ってくる時に考えていたことと合致した私はそのことを含め紅葉に説明する。



――菅原道真は私たちの時代には『学問の神様』って言われて天満宮に祭られているよ。彼が右大臣になったのは私が習った通りだと西暦899年。二年後の西暦901年に当時、左大臣の藤原時平が策謀を用いて彼を大宰府に左遷られ、彼は失意の中でさらにその二年後西暦903年に死去するよ。



その言葉に紅葉は目を見開いた。

私的には今私がいる年が特定できたので良かったのだが……。

二人の間に微妙な空気が流れる。少しして紅葉が口を開いた。



「成る程ね……木葉、昨日言ったから分かっていると思うけど……」



――大丈夫、信用している人にしか教えるつもりはないよ



「なら良いけど……」



先ほど言った通り、私は信用した人物にしか秘密は教えないつもりだ。

もしそのことが漏れ出すと、私が狙われてしまうのもあるし、最悪、歴史が大きく変わってしまう可能性があるからだ。

紅葉が心配する理由はもう一つある。

原作キャラである隙間妖怪こと「八雲紫」が紅葉の元に訪れたのだ。訪れた理由は紅葉に式になって欲しいから、らしい。紅葉のことを監視しているかもしれないのだ。

さらにその時、私に対して興味を持ったらしい。


もしかしたら……八雲紫は私の正体に気付いているかもしれない


そう紅葉が思っただろう。

しかし、それは無いような気がする。

今の私は霊力が少し多めのただの白い狼である。例え、この身が妖怪になったとしても、力も弱いと思うし、そこまで警戒するモノでもないと思うからだ。



「紅葉様、木葉さん、夕餉の準備ができましたよ」

「あら、もうそんな時間かしら」



――ごはん!!



マコトが夕食を用意して本殿に入ってきた。

紅葉はもうそんなに時間が経ったことに少し苦笑いをした。

私はご飯と聞いて立ち上がる。私の気持ちを表すように無意識に尻尾が振れ、口元から涎が床に垂れそうになる。

この頃、違和感を感じなくなってきた上に考え方も犬っぽくなってきてる気がする……。

頭の中で理性の私がそう言っていたが、しかし今は本能の私のほうが。だから、私は先ほどまでの考えたことを忘れそうに成る程ご飯のことを考えていたのであった。


楽しい食事を終えた後、私とマコトは改めて霊力の使い方を紅葉に教えてもらえるようにお願いした。

紅葉は最初から決めていたらしく、快く了承してくれた。

私はそのままの体勢だがバカ父(東)に教えてもらいきれなくて、中途半端になった修業が続けられることを素直に喜んだ。

そしてよほど嬉しかったのか、マコトは飛び上がって喜んだ。着地に失敗してこけたが……。

そんな光景を見て私と紅葉は笑いあった。


それから、私は二ヶ月間、紅葉とマコト達がいるこの「稲守神社」に居候として滞在し、紅葉に教えてもらいながら修業をするのであった。


いきなりですがここで物語の都合上、時を早めます。

次話からは木葉が「稲守神社」に来て2ヶ月後になります。ご了承ください。

春休みが終わり、これから忙しい時期に入りますがなるべく早く更新できるように努力しますので、ゆっくりお待ちください!


誤字指摘、感想、アドバイス、待ってます! それではこの辺で。



P・S 三佐さん、コラボお疲れ様でした!


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