表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方白銀狼 (旧白狼物語)  作者: 水城野
間章 一之章
14/14

神社と村の話

遅くなってスミマセン(汗


間章は全部で四話くらいで行うつもりですので、よろしくお願いします!



「木葉様おはようございます。そしてまず謝罪を。なぜならば、本来『ご協約』を結んだ孫の真和さねかずが日々の木葉様のお世話を行わなければなりませぬ。されど、彼奴はこの冬に稲守神社の新たな神官の役目につかねばなりませぬ。そして今はその為の準備に追われております。よって不肖ながらこの神崎明日香がそれまでの仮の神官をやらせていただきます」

「は、はいよろしくお願いします」



そう言ってマコトのおじいちゃんで、現稲守神社神官(たぶん宮司ことだと思う)兼神崎家当主の神崎明日香さんが厳格な雰囲気を醸し出しながら、座布団の上にちょこんと座る私に平伏した。

私もそれに合してお辞儀をする。

簡単に想像できると思うが、今の状況を一言で表すとしたのなら

私の気持ちを一言で表すのならそれであった。

「客観的に見れば、厳ついおじいさんがが、ケモミミ巫女服幼女に対して至極真面目に謝罪の言葉を述べながら平伏している状況」である。

とてもシュールな光景であった。


……超逃げ出したい

私はそう思いながら曖昧な表現で対応するしかなかった。


しかし、この状況を作り出した明日香は気にしていない様子で「一応お聞きしたと思いますが――」といって現状を説明し始めた。


空が綺麗だなー……

その話は紅葉たちから聞いていたので、私は半ば話をスルーしながらここ数日のことを思い出すことにしてみた。







――私が目覚めて数日がたった。

その途中でわかったことというとまず人形と狼型の両方が出来る様になったことだ。

狼型の方の説明はまた今度にしておくとして、これのおかげで狼型の時では色々と出来なかったことが出来るようになった。

わかりやすい例を出すと二本の足で立つ――つまり二足歩行が出来る様になったことで行動できるようになったことだろうか。

最初はバランスをとるのが難しくて何度かこけてしまった。けれども、やっぱり前世で人間だったから、四つん這いよりもこの姿の方がしっくりきた。

そして今は走ったりすることもできる。


その時に紅葉から「反対の足と手を同時に出す……未来では歩き方にすら差異があるのね」と言われ、「そういえばこの頃の日本人の歩き方は右手と右足を同時に出す所謂『ナンバ歩き』という歩き方が主流だったなあ~」と思ったりした。


多少脱線したので戻そう。

他に出来る様にわかったことといえば、自分の口で人の言葉を喋れるようになったことかな。

やっとマコトとかとも意思の疎通も可能になった。

前までは、マコトは雰囲気を読み取って勘で話していたから本当にすごいと思った。ともあれ、マコトはちゃんと意志疎通を図れるようになったから嬉しそうにしていた。


そして何よりわかって嬉しかったこと。

それは「おいしいご飯を食べられるようになったこと」だった!

何故かというと狼の状態で食べるものとしては基本生肉だったのだ。

まだ神社にいたときはある程度血抜きされたものや、多少野菜(それでもあまり料理されてない。狼だし)を食べられていたのだが、山の中では勿論、血抜きは出来ないので生臭いお肉しかなかった。

正直に言う、全然美味しくない。

多分、ずっと狼として生きていれば気にしなかったと思うのだけれども、前にお腹が空きすぎて死にそうになったときに、グルメな現代日本人の一人だった感覚が戻ったらしく私にはキツいの一言だった。

山に帰ってきて一時期はどうにかしようと色々試してみたがどれも狼状態だったのもたかって、うまく行かなった。

それに比べて、この姿はいい。

炊いたご飯やちゃんと調理された肉や魚、野菜をちゃんと食べられる。

味付けは塩や味噌しかないけれども、食材は現代の汚れてしまっている川や海でとられてないし、化学肥料も使っていないから何でもかんでもとてもとても美味しかった。

だから、私の中では人型に成れた一番うれしいことなのである。

やっぱりおいしご飯食べたいもん。人間(?)だし。



他にやったこととは私の能力「不可能を可能にする程度の能力」のことや私の教育方針について、保護者達と話した。

結論から話すと、「私の能力は今のところ当てにならないから、あまり能力に頼らない、妖術や霊術、体術などの方を主力に教えていくこと」になった。

なんでも「程度の能力」は例外を除いて、普通は年月を経ることや、鍛えることに比例して解釈の幅も広がっていくらしい。

だから、たいそうな名の能力でも開花した最初の頃は結構しょぼかったりするらしい。

やっぱりどこの世界でも努力は必要だよね。

そして私の場合はどちらかというと後者に当てはまるらしい。

紫が言うには「あなたの能力は厳密に言うと『0パーセント(不可能)を1パーセント以上(可能)にする程度の能力』」と言われた。

より分かりやすく言うと「絶対無理じゃなくなるけど、相当の運や努力が必要だから。精々頑張れ(笑)」みたいな感じの能力らしい。

確かにこれじゃあんまり役に立たない……そして、やっぱり楽に物事が運ぶことって少ないよね……ぐすん。

結構強そうなチート能力を手に入れたと思っていので余計に落ち込んでしまった。

紅葉はまだ打開策があると言っていたが、その時には教えてもらえなかった。

とりあえず強くなる(生き残る)ためにはさっき言っていた諸々を覚えなくてはならないので、頑張ろうと思う。








「――木葉様? 聞いておられますか?」

「はっ、はい! 聞いてます!!」



明日香は訝しそうな表情で私の顔を見ていた。

私はサッと背筋を伸ばして返事をする。

「ならいいのですが……」と言って明日香は説明の続きを始める。

よ、よかった……ばれてないかな? やっぱり怒られるのは嫌だしちゃんと聞こう。

私は座り直して明日香の話を聞き始めた。

しかし現状についての話はすぐに終わって、その後は普通に二人で談笑した。

明日香さんってなんだかんだで孫のマコトのことが大好きみたい。

いつもは役職柄からか厳しく接しているが、本当はほのぼのと過ごしたいらしい。

固い言葉でしゃべっていたが、談笑の内容はそんな感じだった。

私自身、なんとなくおじいちゃんと話しているような感覚と似ていて話は弾んでいった(まあ実際お爺さんなのだけれども)。

結局、私と明日香はマコトが私たちを呼びに来るまで話続けた。







少し難しそうな顔をしてやって来たマコトに「どうしたの?」と話を聞いてみた。

なんでも大宰府の役人(アツシの父親)が新しく生まれた(?)神――つまり私に会わせていただけないか? とマコトに言ってきたらしい。

私は驚いて、明日香は「まぁそうであろうな」と当然だという言う風に答えた。

明日香に理由を聞いてみる。

彼の話によると、なんでもこの稲守神社は国から毎年武具や神酒などの「幣帛」をもらっている「官幣社」と言われる神社で、社格(神社の階級的なもの)が結構高い神社らしい。

周囲から大分信仰されているという事は前々から知っていたけど、聞いたときはとても驚いた。

そう言えば、前世で有名な神社とかでは「官幣社」とか「国弊社」とかいう肩書があった気がするなあ……。

ということは、まだ教えてもらっていなかったけど、もしかしたら……というか多分確実に紅葉って高位な神様だったりするのかな……

そんなことを考えていると仕事を終えた紅葉がやって来た。

紅葉もマコトから話を聞くとマコトから話を聞くと「私も参加するわ」と告げて参加することになり移動した。

その時、一瞬紅葉の笑顔がちょっと黒かった気がしたけど気にしないことにした。





マコトに連れられていくと、そこには礼服を着た、いかにも役人と言える人物とそれに仕えている感じの男が平伏していた。そしてその後の石畳あたりにはアツシや周囲の村々の村長たちがいて同じく平伏している。

紅葉は上座に座り、私もそこに座らされた。

マコトと明日香は私たちの斜め後ろに座った。


前を見ると目の前には歳に関わらず十数人の男性が私と紅葉に平伏をしている風景が見える。

なにこれ既視感デジャヴ

紅葉は慣れているのか平然としているけど私にとってはとてもシュールな光景に思えて、思わず眩暈がした。

やっぱり慣れるしかないのかな……

そう思って我慢するしかなかった。

役人服装をした人――アツシのお父さんがしゃべり始める。



「久方ぶりに御座います。宇迦之御魂様。そしてお初にお目にかかります新しく生まれし白き神よ。私は大宰府の『公文所』に所属しております白原国成しらばらのくにしげと申します。後ろに控えております篤兼あつかねの父でも御座います。

本日は白き神と宇迦之御魂様への御挨拶、神崎家への恩賞の通達、そして大宰府に報告されました神社の周辺の村々の申し出の件についての交渉で、参上致しました」

「ええ。大儀であるわ。そして、単刀直入に聞かせてもらうわ。この子はまだ神名を得ていない。然れども大宰府はこの子を祀ることを認めるわね」



「御心のままに」と頭を下げる。

紅葉はそれを聞くと扇子で口元を隠しながら「それは大変結構よ」といった。

そこから私たちと国成さんとの話し合いが始まった。

国重さんの話によると、まず大宰府は私の為に作られる予定の神社に幾らか人員や資材を割いてくれるらしかった。

そして、そこの神官(宮司)もマコトたち神崎の人たちが兼ねることも正式に決まった。

専門の宮司がいるという事は、そこそこ大きい神社になるのかな? 

でも出来ればそこまで大きくないのがいいなぁ……大きすぎるとソワソワするし


微妙に現代日本人の特徴みたいことをしみじみ感じているうちに話は進んでいく。

さっき話していた村人たちのお願いのことについてことである。

そして国成さんや村人さんたちの話を要約すると次の感じになった。。


「神社周辺の三つの有力な村々とそれに隷属している村々が神崎家の庇護下(要は荘園化)したいと申し出てきた。近年は公営田を設置していた故に租税は安定していましたが、もしこれらの地域が神崎家の庇護下に入れば、こちらへの租税がへってしまいます。よって大宰府としては神崎家の庇護下に入るとしても何かしらの対価を求める」



マコトや国成さん、村長さんたちはそれからも結構長く話し合っていった。


結局は明日香が「マコト。確か兵を集めて神社やその周囲を守る軍団を作るといっておっただろう。ならば、大宰府警固役の一部を買って出ることと供物の一部を大宰府に献上することで手を打てんかね?」という意見をだして、これを採用することになった。

そこからは、とんとん拍子に話が進んでいき、軍団に必要な武器を作るための鍛冶師や鋳物師の貸し出しの許可や、牧場を作るための番いをもらうことなど色々決まった。


最後に思い出しかのように神社はどこに建てるかという話になり、一応山の中腹あたりにしようとなった。

その時、紅葉に小声で「アナタは起きてからいろいろ忙しかったでしょう。一応私もついていくけど、山の家族に会ってきなさい」と言われた。


すっかり忘れていて心に罪悪感を覚えた。

よし、紅葉の言葉に従い行う!

私はそう思いながら、話し合いを終えた。


アドバイス、ご感想、待っています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ