第十一話「起きて、友人できて、開花して」+α
三か月も放置してスイマセンでした(汗
今回の話はなかなか難産でして、更にいつもの二倍の分量になってしまいました。
絶対、失踪だけはしないようにするので、これからもどうかこの作品を温かく見守って下さい!
ではどうぞ!
時は三十分ほど遡り、木葉がいる群
夜、私は尿意によって目を覚ました。
何時もは寝る前にするのだけど……今日は忘れていた。
このまま放っていると漏らしちゃうかもなー……うん。黒歴史になって皆から弄られるネタとされる可能性大だね。
そう思い私は、いつもする場所に向かう。
~少女トイレ中~
「ふぅ……スッキリした。とっとと戻って寝よ」
トイレを済まし、早く寝たい私はもと来た道(けもの道)を戻り始める。
ふと空を見上げた。
空には月があり雲の合間に見え隠れしている。
この時代に生きるようになって、現代では中秋の名月ぐらいの時にしか気になっていなかった月がとても面白く見えるようになった。
何故だろう? やっぱり、この何にもない平安時代だからかな。
昼夜関わらず音と光に溢れ、娯楽にいたっては溢れかえっている現代と比べると、この平安時代に置いては月の欠け満ちも、虫が鳴いていることだけでも何故か面白いと思えてしまう。
「これが、世に言う『をかし』なのかなー」
そう思うと自然と笑みが出てくる。
……そう言えば月と言えばで思い出したのだけれど、ここがあの東方の世界なら月には都があって、綿月姉妹や永琳や輝夜がいるんだろうか……あ、時代的には永琳や輝夜は地球にいるのか。竹取物語が奈良時代の話だし……
そんなこんな考えながら例の崖の近くを通る。その時、視界の端で何かが光った気がした。
「む?」
歩みを止めて、周囲を見渡す。
周りには薄暗い森しかなく、人や獣の気配はしない。
不思議に思ったが気にしないでまた進もうとすると、また先ほどのように何かが光ったが今度は光った方角が分かった。
例の崖の方からである。
何だろう?
気になった私は崖の方に歩いて行った。
「なんだ。何もないじゃん。ここ夜は危ないのに……はぁ来て損した」
例の崖に出たがそこには何もなかった。
この崖は今日みたいな月明かりがある日はまだマシなのだが、月がない夜にはここは全く見えないので危険であるのだ。ちょっと後悔。
だからこそ、バカ父はあの時あえてここを選んだのだろうけど……まぁいいや。とりあえず帰って寝よう。
「あら? もう帰ってしまうのかしら?」
え?
突然の声に私は後ろ、つまり崖の方を見る。
其処には誰も立ってないし何もなかった。いや、よく見ると空中に端に紫色のリボンを付けた線が浮いている。
……コレってまさか。
そう思った瞬間、その線――「スキマ」が開き中から少女が出てきた。
毛先にリボンを付けた金色色の長髪、紫を基調にした導師のような服、溢れ出すカリスマ、そしてスキマ。
そんな特徴的な女性は彼女を置いて他にいない。
「八雲……紫?」
「ええ。こんばんわ白い狼さん」
幻想郷の賢者『八雲紫』が、空中に開いたスキマを背景に私に笑いかけていた。あ、私はあなたの言葉が分かるから心配しなくていいわよっとかもいってる。
『八雲紫』
言わずもしれた「妖怪の賢者」である。人と神霊妖魔たちの理想郷である幻想郷を作り出し管理する大妖怪。誰よりも強く、そしてそれ以上に誰よりも幻想郷を愛す妖怪である。
私の頭の中には八雲紫についての情報が出てきていたがそんなことは今は関係ない。
「えっと、私に何か用ですか?」
「ええそうよ。アナタが大切に思ってる者たちが危ないから教えに来てあげましたの」
「へ?」
「ふふふ、あれを見なさい」
首を傾げている私をよそに八雲紫は平野の方を指さす。それにつられて私もそちらの方を見る。
「……なにあれ?」
最初は暗くてよく見えなかったが、偶々出てきた月明かりで見えたのは小汚い男たちであった。彼らはなにをしているのであろう。
「彼らは山賊。アナタが何度も出かけた村を襲おうとしているの」
私は瞠目して八雲紫を見る。どうやら彼女の言っていることは本当のようである。
早く知らせなきゃ! そう思うと同時に疑問がでた。
「あの……八雲さん」
「言いにくそうだから紫でいいわよ」
「え」
「いいわよ」
「あ、はい分かりました」
何故か、下で呼べと命令された……何故だろう?
それも気になったが先に聞こうとしたことを聞く。
「なんで私なんですか? 紅葉に言えばいいんじゃないんですか?」
「まぁ色々と理由はあるけれど……一つに彼女が私を警戒しているからよ」
その言葉は私の中でずっと疑問であったことに合点が付いた。
紅葉は紅葉自身と八雲紫の対立に私を巻き込みたくないから群に帰したのか!
でも、合点はついたがこのままでは村はやられてしまうのは確実である。そしたら力がない私がやれることは一つ。
「紅葉に……紅葉にこのことを伝えなかきゃ……」
「無駄よ。あの狐はまだ状況に気付いてないし、多分頼りにはならないわよ」
私はそう言って走り出そうとしたが紫に止められた。
しかし、彼女に知らさなければ元も子もない。
私は無理矢理でも進もうとした。が
「そんなにあの村を助けたいというなら、条件によっては私が助けてさし上げましょうか?」
足が止まる。
大妖怪である彼女が助けてくれるなら、村は助かる。
「分かりました。条件を教えてください」
「ええ。条件は……」
それにこういうパターンの二次小説では大体「私の式になって」ってくるはずである。まぁ例えアナタの命を頂戴とか言われても、村の人たちに恩返しが出来るのならばそれでもいいと思うけれど……
「私の友人になりなさい」
見当違いな条件が出された。
「………………へ?」
「私の友人になりなさい」
「えぇ……(汗」
どういう意図かはわからないが何とも拍子抜けする答えであった。
思わずづっこけそうになったが耐えた私は褒められるべきだと思う。なんか罠のような気もするが、それなら別に大丈夫だし、むしろ原作キャラクターと接点を持てるのでいいと思う。
だから、
「えっと……大丈夫です」
「ホント? なら良かったわ♪」
そうやって喜ぶ紫はとても綺麗だったがどこか「計画通り」という感じが出ているようなきがしたが気にしないことにする。
「と、とりあえず宜しく。紫」
「ええこちらこそ宜しくですわ。うふふふ……こんなにあっさり認めるなんて、ホント、貴女らしいわね木葉。」
「え、どういうこと? それに木葉って」
「ああー……こっちの話ですから気にしないで……さて木葉あの村を助けましょうか」
どこからか取り出した扇子で口元を隠しながら、紫はそう言う。
なんか露骨に話を変えられたけど、今は村を助けないと!
でも、どうすればいいのだろう。紫がスーパーすごい力を使って解決するのだろうか?
私がそういう感じで紫の顔を見ると、彼女も予想していたのか答える。
「いいえ。解決するのはアナタよ」
「え、ホント?」
「そうに決まってるでしょう……。大丈夫、アナタは『あること』を出来るようになればいいから、私はそのサポート役をやるだけよ……そんな不満そうな顔しないの。今度いいものあげるから」
いつの間にか不機嫌になっていたのか、紫が私の頭をなでながらそう言った。
さっきから思ったし、私は言うのもなんだけど、なんか紫が馴れ馴れしい気がする……?
でも、話が進まないのでここではスルーしよう。
「『あること』って?」
「簡単よ。アナタが能力を使えるようになればいいの」
「え゛」
思わず声が漏れてしった。
これまでやろうとして来て出来なかったことを急に出来るようになれ。ということなのだろうか?
私は無理だと言おうとしたが紫はそれをとめる。
そして、ゆっくりと話し出す。
「ふふふ、心配しなくても大丈夫。アナタはきっとできるわ」
「で、でも……」
「木葉。たとえ話をしましょうか。
アナタは自分で何か大切なことをやろうとした時――例えば大切な勝負の時、少し不利になったからと言ってすぐに無理だと諦めるかしら?」
「ううん。そのぐらいじゃ諦めたりしないよ。大切な事なら途中で投げたくないし、勝負事だと絶対勝ちたいし、そのためなら勝算や確率は少なくても諦めたくないなぁ……」
だって、負けると悔しいし、中途半端にやって諦めたら。全力でやった時より後悔して気分が悪いから。
私がそう付け加えると、彼女は「そう、なら」と言って私を見る。そして
「なら、この状況も一緒。大切なものを守るためにアナタは自分自身では何もしないで諦めるのかしら?」
私はその言葉を聞いてはっとなった。
単純であるが確かにそうだ。
私は紅葉や紫の力を借りようとしかしないで、自分では何もしようとはしていなかった。
そう思うと急に自分が恥ずかしくなった。
紫は私の頭をなで続けながら話す。
「別に気にしなくていいわよ。それは誰にでもあり得ることで、無意識なものなのだから。それにアナタはこれからやることが分かったでしょう?」
「うん……でもどうやって」
そうである。
私はやるべきことには気づけた。
『例え一匹でも村に行き彼らの為に時間を稼ぐ』だ。
でも、作戦やら体力とかの関係で具体的にはどうやればいいのだろう?
そういう疑問が出てくる。
紫は続ける。
「それはアナタがやってみなければ分からないわ。ただ」
「ただ?」
「ただ、アナタには自分がどうすればいいかに気付けた。なら覚悟を決めて挑みなさい。アナタは0%――不可能じゃなければ、きっと成し遂げられるわ。木葉、『不可能を可能』にしてみなさい」
「『不可能を可能』に……」
その言葉は私の心の芯に響いた。
不可能でなければ私は絶対成し遂げれるだろうか?
出来ないかもしれない。無理かもしれない。
確かに怖いし、逃げたくなるかもしれない。
そんな弱気な言葉が頭の中に出てきた。でも私は迷わない、心で決めた、覚悟を決めたのだ。
だから、
「私は絶対、可能性がある限り諦めない! あがてみせる!」
私の中で何かが花開いて、力が身体中に広がった。身体も軽くなった気がする。
「やっと見つけれたわね。そう。それがアナタの能力よ、木葉」
紫の言葉が聞こえる。
私にはこれが具体的にはどのような力で、どのように使えばいいのかもわからない。
でも私にはそれが何なのかは分かった。
『不可能を可能にする程度』の能力。
それが私が見つけ出した。能力でもあった。
「さぁ行きなさい木葉。アナタが守りたいものを守りなさい」
「うん! 行ってくる! 紫ありがとう!!」
助けられるかはわからない、でも今私の中の溢れているこの力があれば皆を助けられるかもしれない。
私はそれを信じ、村へ向かって走り始めた。
階段を駆け下りた後、村へと続く畦道を走りながら、僕は今の状況をことを確認する。
「(今、村には戦える人たちはいない。
いや、村の男たちは戦うことが出来るけど、今みたいにほぼ奇襲に近い形になってる上に、山賊の数はさっき神社から見えただけでも村の男たちとほぼ同数だった……。結果は目に見えてしまっている。
それに、女性や子供たちの避難に時間がかかってしまって対応が出来なくなってしまう……。
じゃあ大宰府の防人たちを呼んでくるのはどうだろう? ……駄目だ。そんなことをしたら、呼んでくるうちに村が全滅してしまう。
やっぱり戦力としては数えれるのは、稲守神社にいる神社を守るために武装した神人(神社の家人)達、十数人しかいない。)」
悪すぎる状況に頭を傷ませながらもマコトは畦道を走っていく。ちょうど村と神社の中間地点あたりを過ぎた。
月が雲に隠れたり、雲から出てきたりと曖昧な光で道はぼんやりとしか見えない。しかしこれのおかげで、彼の姿も山賊たちからは見えていなかった。
彼は考察を続ける。
「(今、神人の人たちは準備をしているから、すぐには来れない。そうなるとやっぱり村の男たちと僕だけで対応しなければならない……なら第一にいち早く村のみんなに危機を知らせるしかない! そして!)」
村には周囲を警戒する見回りの人はいるが二人いるが、分かれて巡回している上にあまりに多勢に無勢でありすぐにやられてしまうのは目に見えている。
「どうにかして時間を稼がなきゃいけない……キクさん、どうか無事で……ッ!」
彼は薄暗い畦道を樫の木の棒だけを持って走っていく……
村の入口に到着した。
山賊はまだ村を襲っていないようだ。
更に運良く見回りの人が入口付近居た。
彼は息絶え絶えで走ってきたマコトの姿を見て驚いている。
とりあえず、彼は腰の水筒をマコトに差し出す。
「い、稲守さまの所の若様じゃねーですか!? どうしたんですか、こんな夜更けに?」
マコトは受け取った水筒の水を飲み、汗を拭った。
「ハァ、ハァ……ありがとう。ってそうじゃない緊急事態です見回りさん! 村に山賊が接近しています!!」
「ほ、本当ですか!?」
「本当です。神社から見えました。もうすぐ近くまで来てます。現在神人たちが戦支度を整えてます。が間に合いそうにないのですぐに村のみんなに伝えて、避難と準備を整えてください。それと誰かを大宰府に向かわして下さい! そして村の人たちには山賊に気付かれないように火を消してできるだけ騒がずに避難と準備を整えてください」
「分かりやした。皆をすぐに起こします!」
見回りの人はすぐに走り出そうとしたが立ち止まり、こちらを向く。
「そういえば若様はどうするのですか」
「もう一人の見回りの人と一緒に山賊たちを引きつけます」
「うにゃ無茶な!?」
見回りの人は目を見開らく。
「大丈夫。問題ないです。それにキクさんに言伝を頼んでいいですが」
「ならいいのですが……んで言伝はなんですかい?」
「『必ず帰ってきます。だから帰ってきたら僕と契りをしてください』と」
「…………うにゃ、わかりやした。伝えておきやす」
「お願いします」
彼は頷くと急いで村の中に入っていった。
見回りの人が知らせたことにより村の人たちの避難が始まった頃、マコトは見つけたもう一人の見回りの人に事情を説明した後、一緒に茂みに移動していた。
「事情は分かりましたが……若様はどうやって賊たちに対して時間を稼ぐつもりなんですか?」
茂みに陰に隠れた時に一緒についてきた方の見回りの人が不安そうな表情で聞いてきた。
当然である。
味方が来るまでには時間がかかるうえ、その間僕と彼だけで十数人の賊に対して時間を稼がなければならないのである。どう見ても絶望。その二文字が頭をよぎる。
逆に大丈夫と言えるのは何か画期的な策があるか、余程の阿呆だけである。
「(僕は余程の阿呆になるのかな……)大丈夫です。私に考えがあります」
若干心が後ろ向きになったが、僕は彼に手短に作戦を説明する。
簡単に言うとこの圧倒的な勢力差の上で時間を稼ぐには「奇襲からの突入・混乱の中での脱出。そしてまた奇襲」の繰り返しかない。奇襲は成功すると同士討ちを誘発できるうえに、上手くいけば山賊は逃げ帰る。
そう説明すると、彼は覚悟を決めたように山賊が来るだろう方向を見て屈む。
僕も彼と同じように横に屈み。目を閉じて、精神を統一を始める。
逆にいうとこれしかない。
でも、この作戦には問題がある。そう、奇襲の瞬間である。
もし、ここで敵を混乱させられなければ突入しても全滅間違いない。
そこで僕の修行の成果が運命を分ける。
小さいころに爺様から聞いたことがある話
『初代宮司(巫女)様と紅葉様が契りを結ばれたときから神崎の一族は『憑依』によって紅葉様の神徳や神技を使うことが出来る』
修行を受ける前にこれについて聞いたら、訓練は必要だが訓練次第では使用することが出来るようだった。
まだ初めて二か月ぐらいしかたってないが一つだけ出来るかもしれない神技がある。それに賭けるしかない!
「若様。賊が近づいてきました」
「分かりました。だは予定通り」
見回りの人が呼びかけで僕は黙想をやめる。
道の奥から山賊と思われる男たちが近づいてきていた。
「(紅葉様…………どうか僕に力をお貸し下さい…………僕の命が散ろうと構いません。どうか……どうか僕に大切な人たちを護れる力をお貸し下さい!)」
そう願った瞬間、僕の中に何か胸の中に何かあふれ出た気がして、きっと成功すると思った。
同時に集団の後ろの方になり一番後ろの男が近づいてくる。山賊たちはこちらにも村の様子にも気づいていない。
むしろ自分たちの目論見が成功していると油断しているようだ。
「(ここだ!)狐火」
瞬時に立ち上がり、木葉様の神技である「狐火(青色)」を一番後ろの山賊に投げつける。
男は僕の声で気付き僕の方を見ようとするが、すでに遅く狐火が体に当たり燃え出す。
「ぎゃあ゛あ゛あ!!?」
「!? どうした!!?」
「あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、あづい、助けてぐれぇ!!!」
燃える彼の一番近くにいた盗賊は一瞬呆けたがすぐに助けに行こうとする。
他の山賊たちは男の火を消そうと近づく者や、突然燃え出した男を見て呆けている者に分かれている。
「見回りさん!」
「応ッ!」
掛け声と共に茂みから飛び出し、山賊たちに僕は樫の木の棒、見回りさんは刀を持ち突撃する。
奇襲は成功し、すぐに手近にいた山賊のこめかみに、刀を振るうように思っきり棒を当てる。鈍い音と共に倒れた。
見回りさんは山賊を一人切り裂いて倒している。
「(次!)」
そう思いながら、次の山賊の眉間に棒で突きを放ち倒し、また次の山賊に移る。
この場に、月も雲に隠れてなければ篝火もない。
この薄暗い視界は、山賊たちに未だになにが起こっているのかわからないし、自分たちの姿も隠してくれいる。
そう考えている内にも、次の山賊の首を折れない程度に殴りつけ倒す。
「お前ら落ち着けぇ! 俺たちの方が人数が多い、村に入っちまえば、こっちの物だ!!」
「「「お、おう!」」」
「(まずい! 奇襲の位置が後ろ過ぎた!?)」
山賊の棟梁らしきの言葉が聞こえ、混乱から立ち直った山賊たちは村の方向に進み始める。
一方で僕たちは奇襲に成功したが、山賊の集団の後方にいた。
この場合、山賊たちは一時的混乱し止まっていたとはいえ、村の方に押し出される形になってしまう。
村の方はどうだろうか?
ある程度の時間稼ぎをできたとはいえ、女子供の非難や男たちの戦闘準備が出来ているかは微妙である。
僕は山賊たちを止めるため急いで前の方に行こうとする、しかし、山賊たちは村の目前に辿り付こうとしていた。
「(キクさん!!)」
彼女の顔が浮かぶ。が遠すぎる。間に合わない。
山賊たちは村の入口へとたどり着いた。
そして、先頭を走る山賊が村へ突入......できなかった。
「ぎゃああ!? なんだこいつは!?」
何かが男の腕に引っ付いている。
何かと思ったその時、雲の隙間から月が顔を出しその腕に引っ付いているものが姿を現した。
村へ向かって走っている僕もそれ見る。
それは普段山で見かけるような大きさより圧倒的に小さく幼い狼であった。
が、しかしその眼は炎のように紅く、毛並は雪の白く、月明かりに照らされ白銀色しろがねいろに輝いていた。
とても幻想的であった。
そして、僕はこの幼い狼を知っていた。
再開の喜びや大きい援軍の登場の喜びなど色々な喜びで自然と笑みが零れるのが分かった。
僕は山賊たちの先頭集団を追い抜きも彼女の名前を呼んだ。
「木葉さん!」
山賊に腕を払われ、彼女飛びのいたが怪我は無いようである。
彼女は、僕の声を聴こえたのかこちらを向く。
その表情は分からないはずなのに、僕には彼女が同じように笑っているように見えた。
木葉の能力等は次回説明します!
誤字脱字、アドバイス、質問、感想待ってます!




