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第7話 16歳だったね。

 

「学校に行きたいんだけど」


 朝食を食べている時にリアナが突然、俺に言ってきた。

 学校ってあれだよな?

 あの、1年生から6年生まであるっていう…。


「高校の方よ」

「あ~そっか。それで?なんで突然」

「私、16歳なの」


 リアナは16歳という所、強調しながら俺を睨んでくる。

 別に忘れていたわけじゃないけど、リアナは俺より1つ下なんだっけか…。


「リアナ様、学校の方はまだいけません。日本は平和と言われていますがまだ警戒は必要です」


 コーヒーが入ったカップを持ってきたミルフィさんがリアナに言う。


 リアナがこの日本に来た理由。

 それはミノリア王国での後継者争いが非常に危険な状態になったからだ。

 まだ16歳という幼いリアナは第2後継者。


 ミノリア王国の後継者は5人いるらしく、その中でもリアナは最年少だ。

 そんな彼女が後継者候補第2位なのだから3位や4位、5位の人は納得していないらしい。

 だけど、第2位といえど、第1位が絶対的な権力を持っていたため、リアナが王になることはほぼ皆無とされていたのだ。

 しかし、事態が変わったのはリアナが国に帰ってから。


 後継者候補第1位の者が突然、後継者候補を辞任したのだ。

 ミノリア王国では後継者候補を特別な理由がある場合、辞任が認められる。

 第1位候補が辞任した。つまり、第2位であるリアナが最有力候補に突然上がったのだ。

 そうなると3位以下は黙っていない。


 自分よりも歳の若いモノが上に立とうとしている。

 その事実を消そうとリアナに刺客を送ってくるようになったのだ。

 そこからは本当に色々あったらしいが、結局リアナは日本に「日本文化に興味を持った」という名目で日本に一時避難をしている。


「日本は銃とか持てない法律だけど、持ってる人いるからなぁ。学校は辞めた方が良いかも」

「どうして?日本は平和なのでしょう?」

「平和ボケしてるだけだよ。もちろん、他の国から見れば平和だけど色んな事件が起きてるし」

「そんなのどこも一緒よ」

「リアナ様、私たちは8人しかいないのです。その中でリアナ様を守れる者は冴子、私、京也様の3人だけです。外に出られてしまえば、守りきれません。ましてや日本の学校はセキュリティを掻い潜る方法はいくらでもあります。」

「…わかったわ。ふぅぅ、どうして私がこんな目に会わなきゃいけないのよ。ミノリアなら厳重なセキュリティを持った学校がいくつもあるのに」

「まぁそう言うなって。日本はそういう文化が衰退したんだから仕方ないよ」


 不機嫌そうに物を食べているリアナに言いながら、空いた皿を回収していく。

 俺は学校って言うのを行っていないからよくわからないけど、普通の人の16歳と言えば友達と遊びまくる頃だろう。

 それなのに周りが勝手に決めた王位後継者争いに巻き込まれたのだからリアナの不満も分かる。


 だけど、今回の件はリアナの命に関わることなのだ。

 リアナの気持ちを尊重したいが、それによって命を失っては意味が無い。


「そうだ、暇にならないように良いモノを教えてやる」

「良いモノ?」

「そ。あ、でもハマりすぎるのはダメだぞ?俺みたいになったら困るしね」


 不満そうにしているリアナに言う。

 あれをやるにはあれが必要だけど、まぁお金はなんとかなるだろう。

 あとはミルフィさんの了解を得るだけだ。



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