43話 攻撃戦
カズサは、シモフサを守るために走った。
足がもつれそうになるが、ふんばって走るッッ!!
「ウオオォオオ!!!」
そしてカズサは、デンチシングの頬をぶん殴りながら、シモフサを突き飛ばして逃がした。
「……。」
(当たり前だけど全然効いてねえ!!)
今のカズサはただの人間。そんなへなパンチじゃ、弱点の頭でもデンチには全く効かない。
「う、うゔ……」
「シモフサ! 早く逃げ……」
一旦カズサはシモフサに気を配る。振り向いてシモフサの方を見ると、その光景にカズサは驚いた。
「え、あれ? 何で俺、こんなとこに……?」
シモフサは、カズサとデンチの戦いの場から十メートルは離れていたのだ。
カズサはただ突き飛ばしただけだ。それが、なぜいつの間にか十メートルも離れているのか。
「ッ! もしかして……」
自分が吹っ飛ばしたのか。
カズサはそんな疑念を持ちながら、デンチから腹パンをくらった。
「フン、さっさと捕まれ。」
カズサは嗚咽を吐くが、倒れない。ここも疑念ポイントである。シングの攻撃をまともにくらえば、何なら腹爆発とかしてもおかしくない。ましてや倒れないでいるのも無理だろう。
(俺の身体が、どうにかなっちゃってるのか!?)
ホンとともに戦った日々が、カズサを人間じゃない身体に変えてしまったのか。
そう思うと、カズサはホンのことを走馬灯的な感じで思い出していた。
ホンが教えてくれた戦い方。
ホンのうんこみたいなネタ会話。
そして、……ホンの裏切りの言葉。
「……ぬあァア!!!」
カズサはなんかムシャクシャして、目の前のデンチの腹を殴った。当然、デンチは怯まない。
「俺はよ! 今まで何となーく戦ってきたよッッ!」
カズサの連続パンチがデンチに当たる。
シングの肌は硬いなんかに覆われている。カズサの手は血まみれだ。
「でも!! やっと目的ができたッッ!!」
それでも、殴り続ける。
なぜか、デンチの硬皮にヒビが入り出した。
「ッ!?」
「俺はッ! ホンとキッチリ話をつけるッ! そんで世界も救ってみせるッッ! 俺は真の『ヘッドホン男マン』になってみせるッッ!!」
パンチはなお続く。デンチは手で防御を始めるが、もう遅い。攻撃は止まらない。
「俺に戦う資格があるんなら! 俺にヘッドホン男マンになる資格があるんならァッッ!!」
シングに変身したわけでもない、カズサの全力の一撃が、放たれる。
「俺は世界を救ってやるだでッッッ!!!」
その瞬間、カズサの首にはヘッドホンが出現した!
ただのパンチ、エニシングヘッドバーストが、デンチの脳天にぶち刺さるゥウッ!!
「なッ!?」
デンチはここに来てようやく焦り出すが、もう遅かった。
弱点の頭部はもう崩壊寸前だった。
「バッ、バカなッッ! ただの人間に俺が負けるわけがッッ!!」
「俺はただの人間じゃないやで。俺こそが『ヘッドホン男マン』だ。」
「そんなバカなぁあぁァアアアァアアア!!!! ギャアアァアァァアアアアアア!!!」ドゴゴンゴーン
デンチシングは爆発四散! カズサの大勝利やで!
カズサは、デンチから出た単三電池を拾い上げて、そして見上げた。
「待ってろよホン! 裏切りとか甘えだからなッ!」
苦節43話、ここに来てカズサがちゃんと戦う目的を持った瞬間だった。
あんま攻撃戦要素なかったわ^^
まああと2話ぐらいでまた攻撃戦要素くるよ^^




