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ヘッドホン男マン  作者: 小説家ますぅ
軍編

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34/52

34話 山田、すんごい目に遭う。

「やっと戻ったぜ。」


 晴れて入れ替わりが戻ったカズサは、モモモのもとでまだジャスミン茶を飲んでいた。


 まだ色々話したいことがある。


「そんでさ、結局のとこ何も解決してねぇんだよな。どうすっべこれ。」

 

 ホンの見立てが正しければ、あともうちょっとで桜年町に核兵器が落ちてくる。


 その核でシングは滅亡するかもしれないが、もちろんカズサもモモモも、家族も何もかも爆殺されてしまうのだ。


「あーそんことなら多分大丈夫だで。」


 ヘッドホンに戻ったホンがそう言う。


「なんだよ大丈夫って。」

「そろそろ軍も撃退されるはずだぜ。シングだって核なんか落とされたら死んじゃう。だから今、シングは結託して軍を潰そうとしてるはずだ。それこそアイツらとかよ。」


 ホンが思い浮かべたのは、デンチ田中やホレイザイ森岡とかである。



 そう、まさに、ホンが言った出来事が起ころうとしていた!





 *



 次の日の明朝、バスターナイト山田率いる軍が、施設で何かの整備をしていた。


「……。」


 山田は昨日のホンとの戦いで傷ついているので、変身状態をずっと解かずに作業を進めていた。


 ホンは全身打撲ぐらいの傷と言っていたから、自然に放置していても治るだろう。


 まあそれはそれとして、山田はなんか神妙な顔で、この兵器を見ていた。


 核ミサイル。


 これを桜年町に突撃ィイイ! させれば、あの辺一帯は全部消滅するはずだ。人間もシングも。


(ヘッドホンシングめ……、俺がウチワに侵食されているだと……?)


 山田は拳を握りしめて、昨日のボコボコにされた戦いを思い返す。


(そんなことは分かっているさ。ウチワは俺を利用してバトロワを勝ち抜こうとしている。だが俺もコイツを利用してる! コイツの力があれば、俺はもっと強くなれるッッ!)


 山田も戦闘経験あるから分かっている。分かった上でウチワに利用されているのだ。


 全部のシングをぶち殺せば、山田、つまりはウチワシングが優勝してしまう。


 その瞬間に体内のウチワを山田のスーパー精神力で殺してしまえばいい。そう思った。


「隊長! 整備が完了しました。」

「よし。」


 核を発射する準備ができた。


 まあねもちろんね。普通の山田だったらある程度人情があるから、こんな核とか発射するわけないですよ。でもウチワの影響で凶暴になってる山田に、躊躇いはなかった。


「では、発射しろ。」


 ついに!


 桜年町を滅ぼす核が発射された!!




 *



「……何だ?」


 カウントダウンとかもされて、ゼロと言われたのに、ミサイルはうんともすんとも言わない。


「どうした。応答しろ。」


 山田が無線で連絡を取るが、繋がらない。


 そのとき、山田はふいに肌寒さを感じた。


(寒い……?)


 山田は胸騒ぎがしたので、軍を率いてミサイル発射場所に向かう。


「ッッ!」


 その地点には、ヤバい光景が広がっていた。


 その場にいた人間や、建物とか、ミサイルも、全ての物が凍りついていたのだ。


 そんな冷気の真ん中には、一人の女がいた。山田は初めて会ったが、絶対にシングだと分かった。


「初めまして、バスターナイト山田さん。私はホレイザイシングです。人間のときは森岡って呼んでね。」


 呑気に自己紹介している。白いワンピースに長い銀髪。見た目は歳若く見えるが、何十億万年も生きてる貫禄的な妖艶さみたいなアレがあった。


「ッ、ホレイザイシング……!」

「私たちはね、あの町に余計な危害を加えてほしくないんですよ。ヘッドホンシングが逃げちゃうから。」


 そのとき、冷気の中からもう一人の人間が出てきた。


「たく、シング使いが粗いなァッッ!」


 ソイツはこの前、ホレイザイ森岡やデンチ田中と手を組んだ和装の男だった。センスシングこと、町田さんですね!!!


 町田は、怪人に変身して、核ミサイルに抱きついた。


「何をするつもりだ……?」


 すると! 不思議なことが起こった!(RX)


「ふんぬぅうううぅぅううヴヴヴ!!!!」


 なんと、超つよつよ力で核ミサイルを持ち上げたのだ! 多分知らんけど百トンぐらいありますよ!


「バカな……! 多分百トンぐらいある核ミサイルが!!」

「ウォオオオ!!!」


 センスはそのまま、馬鹿力でミサイルを真上にぶん投げた。


 そう、ミサイルは大気圏を通過して宇宙までぶっ飛ばされたのである!!!


「ざっとこんなモンよ。」


 センスは人間体に戻り、手を懐において良い感じのポーズになった。


「んじゃ、これで協力関係は終わりだな。じゃあな。」

「うんありがと。」


 なんか友達と別れるみたいな感じで、町田と森岡は別れた。


 当然それをみすみす逃す山田ではない。


「ガスを散布しろ! あの二人を逃すな!」


 山田の指示で、シングに効くガスを発射しようとした! そんとき!!


「あまいあまい。」


 超スピードで、一体の黄色いシングが山田たちの目の前に現れた。


 まあ森岡と町田がいたってことはコイツもいるよね。


「百億ボルトヴァーリー!!(パクリ)」


 ただただパクリな技名を叫んで、黄色い身体が超電撃を放った! その放電で、変身していなかった山田以外の軍人は、全員気絶するか死んだ。


「ッッ!」


 デンチシングの登場である。


「あ、森岡! 言っとくがよ、俺とお前の協力関係もここで終わりだ。」

「あぁ、そう?」


 デンチシングが森岡にそう言う。対して森岡は余裕そうに返事する。


「一応聞くけど、なんで?」

「俺はヘッドホンシングを仲間に引き入れる!!」


 と言いながら、デンチは残った山田に立ち向かった。


「ッッ!」


 デンチの蹴りが山田の腹に入る。電気の力なのか、それとも元々の力なのか、動きが俊敏で速い。山田は普通に避けられなかった。


「オラオラァアア!! コクバンケシのやつを負かしたんだろ!? その力を俺に見してみろォオ!」

「ッッ……」


 デンチはかなり強いんですよ。というのもね、普通シングってのは肉弾戦が強いか能力が強いかで分かれるモンなのよ。でもデンチはどっちもそこそこ強いんですよね。


「クソ……!」


 山田はスペルガンを出して、デンチに弾丸をぶち込む。見事に当たるが……


「ほーん。コスい戦い方だなァ!」


 デンチはあまり重症を負わず、逆にカウンターパンチが炸裂!!


 そのパンチは山田の心臓を貫いた!!!


「……。」


 山田は倒れて動けなくなる。二日連続で敗北ですね。


「あーあ。こんなヤツらにシングが六体もやられちまったのかよ。つまんねぇ。」

「……。」


 今思えば、山田は今までの戦いでガチの実力勝ちというものをしてなかった。


 割と不意打ちだったり意表を突いたり、そんな勝ち方ばっかりだったことを思い出す。


(……俺は、弱いのか。)


 心臓をぶちぬかれ、もう変身解除した瞬間に死ぬぐらいの重体だ。


 山田は、黒板消しを使ってパウダーを放出する。山田はその場から逃走した。


「……逃げたか。あの様子じゃウチワも脱落だな。」


 デンチシングは人間体の田中に戻り、ボロボロになった軍の拠点を後にした。

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