33話 スマホ壊れ始めたわ
「もしもし?」
ホンは無言で受話器持って突っ立っている。カズサがヘッドホンの中から受話器に向かって頑張って話してるよ。
「もしもし! カズサか!!!!」
「うるっさいわ親父。まじで。」
親父、一ノ宮シゲルはなんかめっちゃ興奮してるやで。
「聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「なんですか」
「カズサ……お前、なんかヤバいことに手出してるだろ。」
ホンがピクっと反応する。
「うーん……まあぶっちゃけ話しちゃってもいいんだよな。」
カズサはもう話してもいいかと思った。ホンというシングと一緒に戦ってることとか、シングの姿に変身できることとか、軍が自分らを狙ってることとか。
でも話す話さないとかそういう問題じゃなかったっぽい。
「話しちゃってもいいとかじゃねぇわ! 俺はもう知ってんだよ! なんかシングとなんかあったんだろ!」
「え、なんで知ってるネン。」
シゲルはこの前、コクバンケシシングが家に突撃してきて、そこを山田に助けてもらった。そんときに聞いたのである。
「お前、今一体何してる。シングに変身して一体何してるんだ!?」
「えーっとね。すんごいざっくり言いましょう。桜年町にはシングがいっぱいいてそれを俺とホン……ヘッドホンシングってやつと二人で協力してぶち殺してるんですよねこれ。」
ほんとにざっくりやね。まあつまり正義の味方的な感じですよ。
「お前、シングに脅されて……はなさそうだよな。」
「ぜぇんぜん。なんならヘッドホンシングと話すか?」
「いや、いい。」
シゲルは息を整えて話し出す。
「そんな戦いさっさと辞めちまえ。普通に、親として、そんな危険なことに首を突っ込むのは許さん。」
「まあぶっちゃけやめてもいいんですよね。」
「ッ!!?!?」
ホンはめっちゃ驚く。
そりゃ当然だ。
カズサは戦う理由がない。ホントにマジで一ミリもない。
一応シングを全員ぶっ殺さないと世界が滅びちゃうのだが、それでもカズサが戦う必要はない。
「……。」
でも、カズサは一つだけ気掛かりなことがある。
バスターナイト山田のことだ。
アイツだけはなんか心配で放っておけない。戦いをやめるなら、とりあえず山田をウチワのやばいアレから解放してからだ。
「でもすまん親父。もう少し、もうちょいだけ戦いは続ける。いい感じのとこで戦いはやめるからそれで許してくれ。」
シゲルは、カズサのその言葉を聞いて少し唸る。しばらく悩んだあとで
「……ホントに、もう少しでやめるんだな。」
「うんうんやめるやめる」
「……もう少しだけだぞ。」
親父もなんかカズサの信念的なのを感じ取ったのか、それだけ了承して電話を切った。
「えぇえ〜〜〜〜〜あとちょっとでやめちゃうのォオォオ???」
「むしろ今まで協力してやったことを感謝すんだな!! バーカ!」
「マジかそったら俺一人になっちゃうやんけ……」
カズサは戦う理由はひとっつもないけど、戦いをやめる理由はいっぱいあった。
その一つは、やっぱモモモである。
モモモはカズサより更に戦う理由がない。カズサが戦うならって理由で、モモモはついてきてくれているのだ。だからカズサがやめればモモモもやめる。
(山田の件が解決したら、いよいよ普通の高校生に戻れるってわけだな。)
そのとき!!ーー!!!!!!れ!れ!(唐突)
カズサの身体がピカ〜って感じで光り出した。
「うわーなんだこの光はー(棒)」
光が止んだ頃、カズサとホンの身体が元に戻った。
「あー戻っちゃったか。もっとジャスミン茶飲みたかったお。」
「ざまあプギャーでございます。(丁寧な煽り)」
かくして、濃密な一日は終わったのだった(適当)
軍編も佳境ですよこれ。




