31話 Twitterたのしすぎワロタ
ホンの本気パンチが、山田の腹にクリーンヒットする。
「うわあァアアァァアアッッ!!」
山田の全身を包む緑の硬皮が、バッキバキに割れた。そして山田は力無く倒れる。
「山田! バスターナイト山田!」
「大丈夫だ、殺してないよ。全身がしばらく超痛いぐらいの威力で済ませた。」
確かに、いつもの爆発四散はしない。山田はホントに死んではいないようだった。
にしても、ホンはマジで最強のシングだったんだなとカズサは実感した。多分モモモと二人がかりで襲いかかっても、多分山田を倒せなかっただろう。
それを、ハンデありで超圧倒していたのだ。第一話でカズサがホンをぶっ殺せたのは、マジで運が良かったんだと実感する。
(……ホントにコイツ、人類の味方なんかな。)
ホンはあくまでシング。人間じゃない。今まで仲良くしてきたけど、人間の基準でコイツを考えちゃダメなのかもしれない。カズサはヘッドホンの中でそんなことを思った。
「おいカズサ。聞こえてるぞ。」
「……えぇ!?」
どうやら今カズサが考えてることは、ホンに筒抜けだったっぽい。ヤベェかもしれねぇ。
「安心しろよ。俺はお前らが思ってるより人間が好きだ。しばらくカズサと一緒にいて、よりそう思うようになったからね。」
「ほな安心か^^」
というわけでバスターナイト山田との戦いは幕を閉じた。
「おい、山田。」
ホンは倒れて動かない山田に近づいて、言う。
「お前は今、ウチワシングが身体にいるせいで凶暴になってる。……でもお前の精神力なら、体内のウチワだけぶっ殺して風の力をモノにできるはずだ。」
「……。」
山田はそのとき、どこに隠し持ってたのか、この前倒したときに手に入れた黒板消しを出した。
そして白いパウダーが周りに舞う!
パウダーの煙が晴れる頃には、山田はその場から消えていた。
「バスターナイト山田、大丈夫かなぁ。」
カズサは山田の心配をしている。モモモを殺しかけたやつとはいえ、たった今ホンがその仕返しをしてくれたわけだし、何よりしばらくの間友達だったので、カズサは山田の心配をしてしまうのだ。
まあ今はそんな心配してる場合じゃないんですけどね定期。
「動くな! お前らの身柄を拘束する!」
ここ何話かぐらいずっと空気だったけど、一応周りを軍が取り囲んでたんですよね。山田が「手を出すな」って指示してたし、つけ入る隙もなかったからテキトーにそこらへんに待機してたのよ。
「あぁ、ホン、これヤバくね?」
「ヤバいな……」
この状況からモモモを連れ出して逃げるのは若干厳しそうである。
だが!! そんな都合いいタイミングで!!
遠くにあったモモモの身体が大爆発を起こした!!
「ッッ! 何事だ!」
「ぎゃー」
「うわー」
「たすけてー」
恐怖に畏怖した以下略が響き渡り、モモモが軍の奴らを適当に蹴散らしながら登場した。
「ふぇえ! 頭わるわるわッるわるゔぅうゔ!!」
「モモモ! 回復したんだな!」
「逃げるぞッッ!」
三人は爆発させまくりながら、その場をズラかった。
*
「ふぅ〜危なかった。」
三人は逃げてきて、河川敷に掛かってる橋の下まで来た。一応追っ手に備えてまだ変身は解除しない。
「はー、ところでホン。ちょっと頭貸して?」
「ん? 何だ。」
モモモがそう言うと、ホンは素直に頭を差し出す。
するとモモモは全力でホンの顔面に膝蹴りを入れた。
「「ウォアォオ!? 何すんだ!!!」」
カズサもホンも慌てる。頭が弱点なのは知ってるだろうに。でもモモモは一回頭ぶち割られて瀕死になっても生き返ったから、これぐらいじゃ死なないと分かってるんだろう。
「今の蹴りはカズサとホン両方にぶち込んだつもり。」
モモモは指パッチンで回復の炎を出して、ボロボロの身体を治してやる。そんで人間の姿に戻った。
「バカがッ! 頭悪いんか!? 私抜きで戦いに行くなよ!!!」
モモモの割とガチトーンの説教である。
モモモのシリアスなのは多分初じゃね?
「カズサ。分かってるよね? わざわざ言わないけど、私は婚約者なの、フィアンセ! お前のことは別に好きでもなんでもないぞ!! でもお前頭悪くて頭おかしいんだからどこ行くにも連れてってよ!」
「……ハイ。」
ヘッドホンの中から、カズサが力無く返事している。ホンはなんか熟年の夫婦みたいだなとか思いながら、変身解除した。
「まあとりあえず事なきを得たから良かったじゃんか。なっ。ねっ。実際何にも解決してないけど、軍の対処はこれから考えようぜ。」
と、ホンが言ったところで。
その場にいた三人が異変に気づいた。
「……あれ?」
「え。」
「あれぇ!?」
なんと、カズサとホンの入れ替わりが戻ってないのである。ホンの影響なのか、若干赤髪になったカズサ(中身はホン)が佇んでいた。




