26話 頭おかしい父親
コクバンケシをぶっ倒した怪人体の山田は、そのままなんも言わずに立ち去ろうとした。
「ま、待ってくれ!」
弟は失禁しながら情けなく気絶しているが、親父の方は立ち上がって怪人姿の山田を呼び止めた。
「お前、シングなのに俺たちを助けてくれたのか? それに、カズサが何だって……?」
「……。」
まあ当然カズサは戦いのことなんか家族には隠してるんでね。ホンのこととかなんも知らないんですよ。
「まさか、カズサはシングなのか!? シングに乗っ取られたとか!?」
色んな可能性が親父の脳に飛び交う。シングのことは出現から十年経った今でも分からないことが多い。親父は大困惑しているようだ。
山田は静かに言い放つ。
「……安心して下さい。カズサはちゃんと人間だし、ちゃんと生きていますよ。」
「ほ、本当か!」
「詳しいことは話せません。ただ、一つ。」
山田は怪人姿から、人間の姿に戻って言う。
「俺とカズサは同じです。」
「ッッ!」
シングから人間に変わった山田の様子を見て、親父はびっくら仰天して倒れそうになる。だが、それを堪えて再び質問した。
「カズサも、君と同じような力があると……?」
「はい。カズサも俺も、シングに変身する力を持つ。でもこれだけは断っておきます。」
山田は割れた窓の方へ歩き、立ち去り際に言う。
「俺とカズサは敵同士です。どっちが勝ってどっちが死んでも……」
山田はそれだけ言って、割れた窓から立ち去った。親父はその言葉を聞いて、ただ立ち尽くしていた。
〜なんかシリアスおわり♡〜
こっから一旦カズサとモモモパートやで。
「ホワアァアアァアアア!!!(キークラ)」
山田に勝つべく修行(一日だけ)をした結果、カズサはキークラの真似をしながら気が狂っていた。二十四時間ぶっ通しで修行してるのである。
「全く、こんなんで根を上げるとはカズサもまだまだだな。」
ホンはわざとらしくため息をついている。
一方モモモはというと。
「うふふ☆ ゔふっ♡ ゔふふッ♡ ふぇええぇええィイイ!!」
モモモも格闘と指パッチンの練習して、気が狂っていた。だがその成果あって、モモモはかなり強くなったようである。
「ゔふふふ……あたま、おか、しくなりゅうゔぅうッッ! ゔふふッ(キモいドラえもん)」
と遺言を告げながらモモモはぶっ倒れた。睡眠である。
「ジョ……モモモォオーーー!!!(カブトボーグ)」
とりあえずカブトボーグの真似しながらモモモを追悼した。
カズサはモモモに対してあまり実力が上がってなかった。そこでカズサはホンに提案する。
「なあホン。他のシングにはこの修行は有効だろうけどさ。山田に対してこの修行は意味ないんじゃねぇ?」
「ん、どういうことだ?」
「だって山田はなんか格闘のエキスパートっぽいよ。そんなやつにこんな付け焼き刃の修行したって意味ないよ。」
まあその通りである。山田はホントに格闘に関しては超無敵だから、そんなやつに格闘で挑む方がバカである。
「じゃあどうしろってんだ!! 山田に勝つにはもうがむしゃらに頑張らないといけないだろ!!! 諦めんなお前!!! お米食べろ!!!」
「案なら一つあるぜ。」
カズサには一つだけ案があった。しかしそれはあんまり良い案じゃない。
「この前俺がなったっていう、あの『赤い姿』よ!」
「あー……あれか。」
ちょっと前にカズサが取り乱したときに一瞬なった赤い姿。あれが起きればワンチャンあるかもしれない。
「あれなんで起きるのか、俺もよく分かってないんだよな。そもそも赤くなってどうなるかも分からんし。不確定要素すぎるで。」
「でもそれに頼らんと! そこで作戦やで……」
モモモが寝てる横で、カズサはホンに作戦を打ち明けた。
そして今度は山田パートッッ! あっちゃこっちゃ忙しいね。あと三行書いたら課題やりに行くわ。
「クソッ! お前ら来んな!!」
山田たち軍は、早くもこの街に突撃してから三体目のシングを追い詰めていた。
十一体目のシングは『センス・シング』だ!! 扇子ですね。
センスは山田と同じく風の力を持っているが、山田が宿してるウチワシングとは若干違うタイプやで。というのも、ウチワは能力強くて肉弾戦弱いタイプだけど、このセンスシングは肉弾戦強くて能力弱いタイプなのだ!! 風はそんな勢いよく出せねぇぜ!!
あ、課題やってきまーす☆
やってきました。
センスシングは対して強い風も出せないので、軍のガスを払う程度の風を出しながら逃げに徹していた。
「く……すばしっこいやつめッ!」
「ヴァおおお!!!! 風風風ェエエエエエ!!」
センスはできる限り風を出しまくって軍を翻弄し、なんとか撒くことに成功した!!
「逃がすな!! 追え!!!」
軍はそこら辺を隈なく探しまくった。
……その頃、センスシングは風の力でぶっ飛んで遠いところまで逃げていた。でも桜年町から出ることはできず、デッカい桜の木に引っかかっていた。
「ゔぅ……メンドクセェ! シングと戦うのは大歓迎だが、人間と戦ったとこで何も面白くねえ!!」
そのとき、早速軍の一隊がセンスのいるところに迫ってきた!
(クソ……やむを得ないか。)
センスは人間に擬態した。
「誰だそこの木にいるのは!」
軍が早速木の上にいるセンスに気づいて、銃口を向ける。
「ホームレスでーす☆」
「なんだホームレスか……」
センスは人間の姿で何とか凌いだぜ!




