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「ムサシの想いとは?(真面目編)」
母 「早く起きなさい!何度言わすのよ!」
ムサシはベッドから転がり落ちると急いで制服に着替えて
洗面所へ向かった
母 「いい加減自分で起きなさいよ!毎日毎日本当に・・・」
ムサシ 「はいはい・・・あーねみぃ」
朝ご飯を食べる時間はもちろんなく
家を出ると駐車場のトラック前で
ムサシの父とヤンキー仲間が話してた
父 「お前いつも友達待たすんじゃねーよ」
ムサシ 「はいはい」
友人 「コンビニでも寄ってくかー?」
ムサシ 「だなー腹減って力がでねー」
友人 「アン〇ンマンかよwww」
友人 「ちげーだろ、あいつは顔が濡れて力がでねーっつんだよww」
ムサシ 「どうでもいいわー行こうぜー」
ムサシの父はトラック運転手
母は看護師
小さい時からムサシは俗に言う鍵っ子
いつの間にかその状況にも慣れた
小さい頃は親がいなくて泣いてばかりだった
そんな小さい頃はいつも隣にいた女の子がいた
幼稚園でも一緒
何するにも側にいた女の子
女の子は大人しくムサシだけに笑顔を見せていた
自分の気持ちをうまく口に出すことが苦手だったのだろうと
成長した今はわかる
小学校も一緒で同じクラスに何度かなったけど
その時からだろうか
女の子はムサシとも誰とも話さなくなった
ムサシも女の子と話さなくなり
だんだん距離が開くようになった
中学校でも一緒でクラスも2回一緒になったが
挨拶すらしなくなった
女の子はムサシのことは覚えていないだろう
高校も一緒になって同じクラスになったが
やっぱり話さない
こんなに近くにいるのに
自分に気づいてもらえない
ムサシはずっと女の子を目で追っていた
話さなくなってからずっと・・・
女の子は毎朝写真を撮りに行くのも知っている
ヤンキー仲間と朝までカラオケした帰りに
偶然見かけて後を追って知ったのだ
ムサシは自分に気づいてほしくて
あの日思い切って女の子がいたデパートの屋上に行った
女の子を見ていたらようやく自分の存在に気づいてもらえた瞬間だった
杏花と目が合った時は心臓が飛び出そうなほど嬉しかった
だからアンカから告白されたときは嬉しさのあまり時間が止まった
そしてムサシを求めてないと言われたときはショックでさらに固まったのだった
教室で寝てるのはでなく寝たフリをしてアンカを見ていた
ムサシの目はいつもアンカを追ってる
この気持ちは果たしてアンカに気づいてもらえるのだろうかと
ムサシは思った