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お題シリーズ5

君を忘れてしまった

作者: リィズ・ブランディシュカ



 車にぶつかった。


 それが原因で、どうやらいろいろ忘れてしまったようだ。




 病室に女の人が訪ねてきた。


 その人は、泣きそうだった。


「恋人だったんだよ」


 と、君は言った。


「つきあってたんだよ」


 と、悲しそうに。


「結婚する約束してたのに」


 と、最後には泣き出してしまった。


 けれど、僕はその言葉に、適切に返せない。


 なぜなら、事故で記憶を失ってしまったから。






 どうしてこんな事になってしまったんだろう。


 事故を起こした犯人、車の運転手はこの世にはいない。


 だから、なにかに感情をぶつけることができない。


 自分たちで、なんとか折り合いをつけるしかないのだ。


 どうすればいいのだろう。


 僕は懸命に考えた。







 数週間後、僕は彼女に言った。


「戻らない記憶をあてにして、時間を無駄にしてほしくない。別れた事にしよう」


 彼女は泣きながら病室を飛び出していった。


 きっともう会う事はないだろう。


 それでいいんだ。


 わずかに痛むこの胸は、罪悪感であって、少しでも記憶がのこっているからではないはずだ。



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