第二章 設定
第二章 設定
キャラクター
剣崎 蒼太
詳細は前章参照。ただし、固有異能の剣と花園は破損し修復中。
中学の生徒会仲間、尾方響の紹介で彼の祖父母が住む『貝人島』に短期バイト目的で向かう。
彼は蜘蛛怪人とサメ怪人が戦うのを使い魔越しに目撃し、その戦いに巻き込まれる事になる。
固有異能が血液以外修理中なため、武器はその辺の廃材から作った剣とその辺の木の枝で作った魔法の杖。ついでに鉈。理由は純粋に資金不足である。
十二月の一件(一章)で裏の世界で『蒼黒の王』として名をはせている。
海原 アイリ
貝人島に住む少女。その日本人離れした容姿と血筋から忌避されている。年齢は14歳で中学二年生。
日課のランニング中、海辺で幾何学的な模様の入った銀色の球体を拾い上げた事をきっかけに、彼女は『怪人』としての力に目覚める
先祖代々伝わる『滅怪流』を使い、後述の新垣曰く、『ナイフ格闘術と合気道に近い』との事。
その実態は魚人『深き者ども』が新たなる母体を求めて島に流した物。これを使う事で海原の血が必要以上に活性化し、通常の深き者どもとは比べ物にならない程の身体能力を得る。この力で怪人達と戦うアイリだったが、その肉体は徐々に人から外れていき――。
容姿は腰まで届く赤い髪をした緑の瞳をもつ美少女。巨乳。
新垣 巧 本名:新城 守
怪人による事件を聞きつけ、本庁からヘリで送られてきた刑事。
名目上は今回の一件が殺人事件かもしれない為の調査だが、その実態は公安部特殊害獣対策課。通称『特課』の魔術師である。
部下達と共に怪人の謎に迫る途中、他の怪人とは毛色の違うサメ怪人。明らかに異質かつ異常な力を持つ『蒼黒の王』を見て事態は錯綜する。
魔術を使う警察官であり、日本の治安を裏から守っている。ちなみに、通常の公安職員としての給料とは別に政府公認の魔術師としての給料も貰っているのでかなりリッチ。というか、魔術師としての給料の方が警官としてより高かったりする。
魔術師としての力量はギリギリ中の上。しかし、鍛え抜かれた肉体と抜群の戦闘センス。咄嗟の機転によりいくつもの神話がらみの事件を解決してきた。計画はきちんとたてるタイプだが、最終的に毎回アドリブになる。
銃の名手であり、特に早撃ちにかけては日本最速にして最大の命中率とも言われている。
仕事中は不敵な笑みを浮べ、冷静沈着かつ冷酷な判断ができる優秀な指揮官……を、演じている。内心はとにかく家に帰りたい。というか隠居したいと思っている。だが、誰かがなんとかしないと日本どころか世界がヤバいので今日も今日とて出勤する。
本名は『新城守』。新城明里の父親で、娘に会える機会が少なくっていつも心配。けどどう接していいかもよくわかっていないので、彼女からお願いをされるとだいたい頷いてしまう。
容姿は小柄でやや童顔な眼鏡の中年男性。スーツの下は鍛え抜かれた筋肉が潜んでいる。
新垣班のメンバー
細川
細面細目長身痩躯。狙撃の名手。魔術も併用する事で1500メートル先のバイクで逃走する標的にヘッドショットを決めた事もある。
竹内
趣味は人殺しですと言われても納得してしまう強面かつ巨体の青年。実際の趣味は園芸と社交ダンス。格闘技については達人級。
山田
頭の中が基本真っ白。出生は滅茶苦茶ブラック。女子中学生でも通る容姿だが、実際は中年。けど知能と記憶は小学生レベル。色々混ざっているので種族は不明。
加山&下田
デスクワーク担当として公安に雇用されたはずなのに現場に駆り出されること早数年。転職を考えているもののなんだかんだ残っている。なんだかんだ言って『二年生きのこったら優秀』とされる職場で五体満足なので、かなり優秀ではある。
前田
足を負傷したが剣崎が治した。加藤の工房への突入時は島民達の監視をしていた為、出番が全然なかった。
加藤 正幸
怪人を作っている張本人。悪の魔術師兼科学者。
目的は『不老不死』。
その為に『自分の脳を移し替えられる最高の肉体と、それを安定して定着させる実験』を貝人島で行い始めたのが今回の原因。
貝人島を選んだ理由は、単純に人が少ないのに地脈の力があった為。
実は彼も転生者ではある。しかし、剣崎達のように神格によってではなく、完全なる偶然だったのだが、前世で錬金術を大真面目に研究していた彼にとっては天啓にも等しい出来事だった。
転生後も魔術について研究していたが、その過程で『ティンダウロスの猟犬』に捕捉される。それから逃れようと、ミ=ゴとの接触を試み成功。並行世界の記憶を彼らに話す事で『未知の知識を教えてくれる』と友好関係に。逆にミ=ゴ側からも『脳缶』などの技術を教えてもらう。
その過程でミ=ゴの一人、個体名ミゲルと友人関係になる。だが、彼らと地球人とでは価値観が違い過ぎた事もあり、脳缶に詰められた生活が嫌になって加藤はミ=ゴの技術や道具、ミゲルのコレクションを持って逃走。各地を転々として貝人島にたどり着く。
ティンダウロスの猟犬に目を付けられているため、ミ=ゴの道具で改造した研究室からほとんど出られなくなっていた。
容姿は白髪まじりにくたびれた白衣姿の青年。武器は電気銃。
ミゲル=ゴルディオン
貝人島にやってきた謎の私立探偵。
たどたどしい日本語を喋る、胡散臭い笑顔な優男。島に来る前に事故で足を痛めたらしく、杖をついて歩く姿はぎこちない。
その正体は加藤を追いかけてきたミ=ゴの一体。『日本語が苦手』も『足を痛めた』も、自分の変装がバレ辛くするための設定。
目的は『加藤を連れ帰る事』。同時に、彼を『処分』されない為に同胞に気づかれないようにする必要もあったので、単独で貝人島にやってきた。
加藤の事を種族の壁を越えた親友と思っており、強い執着心を持っている。ただし、彼と地球人の間で価値観の差は大きかった。
ぶっちゃけ無自覚なメンヘラ。
基本的に笑顔ながら、内心では地球人を見下している。しかし剣崎に対しては非常に敬意を持っており、彼の言葉は尊重する。
というのも、彼らの種族にとって邪神達は信仰の対象であり、ミゲルは『バタフライ伊藤』を信仰している為、かの使徒である剣崎も尊い存在として強い敬意を持っている。
人間としての見た目は天然パーマの金髪をした甘いルックスの白人男性。服装は少し着崩したスーツ姿。ホストみたいだが、単純に人間の服を着るのが下手なだけ。
尾方 響
剣崎を貝人島に招いた張本人。例年は両親と来ているのだが、今年は父が事故で怪我をした為手伝いを剣崎に頼んだ。
中学時代、剣崎とは同じ生徒会に所属していた。その時全力で外面を取り繕い、内申点の為に努力を惜しまなかった剣崎に崇拝に近い感情を抱く。彼から見たら『なんの得もない生徒会活動に参加して生徒達の為に奮闘する善人にして有能な会長』だったのだ。
それだけにランスとグウィンによる裏切りにとても驚き、憤りを覚えた。同じ剣崎派と共に抗争を起こそうとするも、剣崎本人に止められる。
結果、剣崎が泥をかぶる形で事態は収束。学校の秩序はギリギリで守られた。だが、その事に強い不満と、剣崎への心配を持っている。
剣崎が受験に失敗したのも、時折陰のある顔をするのも全てグウィン達のせいだと思っている。
隻腕だが槍の名手で、他行の不良が同じ学校の者を恐喝している所に割って入り、その辺の鉄パイプで九人を一方的に叩きのめした武勇伝をもつ。その際、頑張って隠蔽……ならぬ仲裁をしたのも剣崎だったりする。
容姿は全体的に四角い印象のある大男。筋肉が凄い。ただし、顔立ちは意外と整っている。
加藤の怪人達
加藤が調達した死体や培養した動物の遺伝子を使って作り出した怪人達。加藤は『性能実験』として島に解き放ち、殺戮をさせていた。彼は既に狂っていたのだ。
途中から、『自分を追ってきているだろうミゲルの捜索』も役割に加わる。カメレオン怪人が負傷者だけ出して終わったのは、『剣崎達との戦いを有利にするため』である、ついでにミゲル以外に構っていられなかったからでもある。
加藤製の怪人達一覧
蜘蛛怪人。初日に海原に殺される。
蝙蝠怪人。二日目の夜に出現。三日目に剣崎に殺される。
サソリ怪人。四日目に海原、新垣班連合に殺される。
カマキリ怪人。四日目に剣崎に殺される。その際、彼のトラウマを抉る。
カメレオン怪人。五日目に出現。六日目に剣崎に殺される。
飛蝗怪人。七日目に剣崎に殺される。
なお、この飛蝗怪人は『この島から兄弟の気配を感じる』と、『チャージング渡辺』が干渉。限定的な使徒とした事でかなりの戦闘力を持つ。
深き者ども
海の中に住まう魚人達。
素手で人の頭を握り潰すほどの怪力と、並みの刃物では傷つけられない頑強さを持つ。陸上では少々遅いが、水中では時速六十キロほどの速度が出せる。
人間を見下しているが、繁殖相手としては人間の女性を選ぶ事が多い。
貝人島周辺に住む彼らは、時折島民を襲って女性を攫っていた。だが、二百年ほど前に海原の先祖にとある小太刀を使われてかなり数を減らされた。
それからも十年に一度ほど島を襲っていたが、その度に海原一族に撃退されている。
だが五十年ほど前からアバドンに食い荒らされて数を大きく減らし、壊滅寸前に。現代だと各地の残党が寄り集まった集団。
アバドンに食い散らかされた事もあり新顔ばかりなので海原家の脅威をあまり知らない。
実はアバドン最大の被害者は深き者たち。アバドンは陸にいるより海にいる時間の方が長く、その間は彼らを追いかけては群れを襲って食事に。なんなら彼らの神殿も複数食べた。
あまりに数が減り過ぎた事もあり、彼らは崇拝する邪神に祈りを捧げる。それによって得たのが、海原アイリが拾った銀の宝玉である。
この宝玉が適合した女を母体とする事で、強力な同族を増やそうとした。
実はこの世界だと絶滅危惧種一歩手前。だいたいバタフライ伊藤の使徒たちのせい。
魔改造小太刀
剣崎特製の特殊戦闘服『アマルガム』。彼の血を十ミリリットル使用している事もあり、その性能はかつてとある『偉大な種族』が地球を支配していた時代の物でも上位にあたる。
海原アイリは改造怪人である。人間が改造されて怪人化してから、もう一回改造されて改造怪人となった。本人が一番混乱している。
改造を行った剣崎の趣味によりドスケベスーツにするか検討したが、ギリギリで理性が働き特殊部隊のような服装にサメ型のフルフェイスヘルメット。腰には朱塗りの小太刀が提げられている。
待機形態は刀型の装飾がついたチョーカー。チョーカーなのは魔術の『見立て』のためであって、決して剣崎が『その方がエッチだから』と思ったからではない。
装着時のステータス
力:C 体:B+ 速:C 魔:D
現地の人間からすればロストテクノロジーの塊。転生者基準でも弱くはない。更に水中戦では実質全ステータスがワンランク分上昇する。
材料は『チャージング渡辺製の小太刀』、『剣崎蒼太の血液』、『深き者どもの因子』と、謎の共演。
それらの材料を使い、なおかつ条件さえ揃えば『固有異能』に匹敵する魔道具を作る事が出来る剣崎の本気が合わさった逸品。これでなお、突貫で作ったものなので改良の余地あり。
ただし、『材料伝えたら絶対気持ち悪がられるな』と剣崎は詳しい製造方法を語るつもりはない。
剣崎が貝人島に来なかった場合の大まかな流れ。
1.海原と新垣班が同盟。
新垣班の内田さんが蝙蝠怪人に殺される。現場に到着した新垣達の車があてたライトで蝙蝠怪人が逃走。そこでサメ怪人の正体を知った新垣が、海原と共闘関係に。
娘と同い年の少女を巻き込むことに罪悪感を覚えながら、新垣は海原を使い潰す決意を固める。
2.徐々に深化がすすむ海原。
新垣班と協力し戦う海原だが、力の多用と負傷の連続により深化がすすむ。そこに、島民達の迫害が加わる事で彼女の精神は追い込まれていく。
段々と自我が薄くなり、人を襲う前に彼女は森や海に隠れるようになった。新垣はこの頃、神社にて海原家の伝説と小太刀について知る。
3.使徒たちの代理戦争。
蜘蛛怪人が出て十日目。ミゲルが加藤を回収。その際彼の研究所は爆破するが、飛蝗怪人のみ地上に飛び出してくる。
結果、飛蝗怪人とサメ怪人による邪神達の代理戦争が勃発。島にスーパーセルと大津波が同時に直撃。
4.結末。
辛くも飛蝗怪人に勝利したサメ怪人。だが、その時彼女に理性は残っていなかった。更に、島も彼女たちの戦いで壊滅している。
部下をすべて失い、自分も重傷を負いながらも新垣がサメ怪人に小太刀を刺す事に成功。こうして島には何も残らなかった。
後に、新垣は生存の為政府所属のマッドたちにサイボーグ化される。また、生き残った深き者どもの所に、ある老婆が異形に成り果てながら合流した。
読んでいただきありがとうございます。
感想、評価、ブックマーク。いつも励みにさせて頂いております。今後ともよろしくお願いいたします。
明日は、『エピローグ 下』と第三章『王の帰還』のプロローグを投稿したいと思っています。




