第百六十五話 手札
第百六十五話 手札
サイド 剣崎 蒼太
「「「ばんざーい!!!」」」
「のおおおおおおおお!?」
地上三十メートルぐらいを延々とノーロープバンジーしている俺は、いったい何をしでかしたと言うのだろうか。
去年の十二月。『バタフライ伊藤』が開催した転生者達の殺し合いについてを彼らに話したのだ。
自分は他の参加者である五人の転生者を殺害し、『とある少女』の協力を得て邪神の顕現を阻止したのだと。
まるで武勇伝を語るようで面映ゆいと思うと同時に、人の死に関わる記憶をそのように思ってしまう自分に嫌悪感を抱きながらも、自分の知る範囲で明里の詳細以外は話しきったのだ。
その結果が謎の胴上げである。
「ばんざーい!」
「ヨクヤッタ!」
「あんたがナンバーワン!」
具体的にアバドンが死んだ辺りから三人がソワソワしだし、最後の邪神の目論見を破壊したあたりで爆発した。
うん、心の底から祝福してくれている事はわかるのだ。それは嬉しいと言えば嬉しい。いかに楽しい記憶とは程遠いとはいえ、褒められれば嬉しいのが人というものだ。
それは、それとして。
「おろしてください!おろし、おろ、おろせバカ!」
「へぶしっ!?」
「「絹旗ぁぁぁぁ!?」」
落下の勢いをのせて絹旗さんの顔面に肘鉄を叩きこむ。我ながら会心の一撃である。だが無駄に頑丈な相手の骨までは潰せなかったようだ。無念。
崩壊する胴上げ編隊から抜け出し着地。しばらくぶりの地に足がついた感覚に安堵する。
「ど、ドウジデ……」
「限度があるわ!」
普段数十メートル単位で飛んだり跳ねたりしているって?自分の力でやるのと三人がかりで他人にやられるのとでは全然違うわ!
というか三人の身長差がかなりあるせいで毎回キャッチするのが不安定で余計に不安になるし、そもそも背中から落下するという恐怖はシャレにならない。
「いやー、すまんすまん」
「ついテンションが限界突破しちゃったわ」
「いや背中バシバシ叩いている段階でまだ冷静じゃないですよね」
音がやばいぞ。これどう考えても常人なら上半身が爆発四散するレベルで叩いている。特に田中さん。
「これが冷静でいられるかっての!」
「よくぞあたしらの仇を討った!」
「アバドント邪神ノ二人トモ燃ヤシタトカ、偉業ソノモノ!」
復活した絹旗さんがこちらの頭を乱暴に撫でまわし、田中さんが背中を叩き、新城さんがこちらの手を握って上下にぶんぶんと振っている。あ、新城さんの手ちいさくて柔らかい。
じゃねえよ、全身が痛いわ。
「お気持ちは嬉しいのですが、いい加減」
「よっしゃあ!あたしの姪をファ●クしていいわよ!」
「マジですか!!??」
今日一大きな声が出た気がする。
「うっおぉ、耳が……」
「鼓膜はじけたかと……」
なにやら馬鹿二人が言っているがそんな事はどうでもいい。
新城さんの姪が自分の予想通りだった場合、それはもうひょっとしたらひょっとするわけで。
「え、ええ。いや、本人の同意はとってね……?」
脳内を駆け巡る今までの交流から得られた彼女のプロファイリング。閃け俺の脳みそ。今こそ最適解を算出せず、いったい何のために生きているのか。
そして、わずか三秒にて自分は答えにたどり着く。
「三日三晩土下座し続ければ、いける……!」
「馬鹿じゃねえの?」
なんだかんだ彼女は身内には甘い。亡くなった叔母の言葉も後押しで、そしてこちらが相応の態度をとれば、三割の可能性で頷いてくれる。たぶん!
これでも自分も身内判定はもらえているはず。少なくとも嫌われてはいない。であれば、十分に勝算はある。いける!
三割は実質必中だから!三割なら当たるから!三割を三日続ければ九割だから!
どういう計算かって?馬鹿野郎これはもうパッションの問題だ。
「これが童貞を拗らせた奴の末路か……」
「モハヤ哀レミシカナイ」
「まあ……うん。童貞拗らせたうえに人間不信もあるっぽいし……」
もはや耳に聞こえる言葉は音としか認識できないが、問題ない。敵襲とかそういう話しではないようだし、スルーして大丈夫だ。
ちょっとだけ、帰った後も生きる理由が増えた。これは本当に嬉しい。
「さて、と。そろそろ、いきますか」
「お、おう」
「突然シリアスニ戻ラレテモ」
「思春期って謎よねぇ……」
鞄へと荷物をしまっていき、階段の前へ。
「剣崎」
鎧を身に纏うと、その肩に田中さんが手を置く。
「お前に感謝しているってのは本当だ。正直、アバドンにもあのシスター擬きにも思う所があったからな」
「……ええ。感謝の念は、しかと受け取りました」
「だから迷う事があれば俺に言え。なんならあっちのアホ二人でもいい」
「誰ガアホダライトニング田中」
「ふざけた事ぬかすなライトニング田中」
「剣崎。これは俺からの頼みであり、忠告だ」
田中さんの瞳が一瞬だけ揺れる。まるで何かを思い出すように、あるいは罪の告白でもするかのように。
「きつい時、辛い時。歯ぁ食いしばって動かなきゃならねえ時もあるが、できるだけ周りにも肩代わりしてもらえ。それが他の奴の助けになる時もある」
「……はい」
わかっている。田中さんの言っている事は正しい。
それでもこれだけは他の誰かに任せるわけにはいかない。蛍を、義妹を止めてやるのは俺の責務だ。
「よし。んじゃぁ三層にあがるかぁ」
「「「おー」」」
相も変わらず気の抜けた掛け声で階段をのぼっていく。
あくまで直感だが、この依り代は四層構造。次のその次。そこに、蛍がいる。
覚悟を固める時間は決して長くはない。それでも、大丈夫だと己に言い聞かせた。
* * *
サイド 宇佐美 京子
「はぁぁぁぁ………」
あの怪異共の襲撃から三十分後。自分は乗って来た車で大きなため息をついていた。
「お嬢様、どうぞ」
「ありがとう、黒江」
黒江が差し出してくれた紅茶を口に含み、風味をゆっくり味わう。いつもより甘めにされているが、今は丁度いい。疲れた脳に癒しが必要だ。
あれから、一時個々人で頭を冷やすべきとなって傘下や分家達と別れたのだ。その直後、お父様からせめてもの支援という事で本家の人員が送られてきた。
これ幸いとそれとなく分家や傘下への対応策を聞こうかと思ったのだが、黒江にやんわりと止められてしまった。曰く、彼らの立場では聞く事すら間違いだと。
我ながら、冷静ではなかったと思う。お父様の部下達だから、彼ら越しに父に任せてしまってもいいかと考えてしまったのだ。
我ながら、お父様が当主となられたら次期当主になるというのに情けない話しだ。
「ねえ、黒江」
「はい、お嬢様」
「もしもここにいるのが兄だったら、どうしていたのかしら」
兄だったら……お兄様だったら。きっと傘下も分家も纏める事ができただろう。勝手な想像ではない。なんせ、生前は実際にやっていたのだ。訓練もかねて小規模だったが、それでもあの程度の人数なら対応しきれたはずだ。
私には、できない。なにもかもが足りていない。
どうして私はあの時生き残ってしまったのだ。あの時生き残るべきは、きっと、いいや絶対に――。
「せい」
「い゛っ」
頭部に強い衝撃。涙目で見上げれば、黒江がトレイを手にこちらを見下ろしている所だった。
「お嬢様。もしかしなくとも、『あの時死ぬべきだったのは私だった』と思いましたね?」
「っ……ええ、そうよ。私だけじゃない。皆そう思っているわ」
「少なくともここに一人、そうは思っていない者がおりますが」
「いったぁ!?」
二度もぶたれた!?
というかそれ黒江が趣味で買った防弾仕様のやつじゃない!
「お嬢様。私は、今でも『二人ともお助けしたかった』と思っております。どちらかではありません。どちらにも生きていてほしかった」
「……それでも。私ではなく兄だったらもっとうまくやれたわ」
「ええ。私もお嬢様も、『そうだったらよかった』とありもしない話しをしています。なんと無意味な事か。そう考えてしまうのは仕方のない事ですが、しかしこの緊急時に相応しい事ではございません」
わかっている。本当はわかっている。
ここで『お兄様』と千回叫んだら兄が生き返ってきてくれるなら、喉がかれようと叫ぶ。だが、そうはならないのだ。
今を生きる私達が動くべきだ。考えるべきだ。未来を見るべきだ。
だが、それでも私には……。
「覚えていらっしゃいますか?最初のサバイバル訓練を」
「忘れるわけないでしょう、あの時の事を」
突然なにをと思いながら、思考がかつての事で占められていく。
たしかアレは中学生の事。突然朝早くに黒江が私を叩き起こして戦闘用の衣服を着せてきたと思ったら、ヘリと船でうちが所有する無人島に連れて行ったのだ。
しかも持ち物はナイフ一本のみ。とうとう捨てられたのかと泣きそうになる私に、黒江がこう言ったのだ。
『もちうる手札の全てを使いまずは一週間生き残ってください。お嬢様にはお嬢様にだけ出来る事があるのです。たぶん、恐らく、メイビー』
無表情で自信なさげに言うという無駄に器用な事をして、船で帰っていく黒江を見送って、見えなくなってから捨てられたのではなく訓練だと理解した。
手札の全てを使え。
私にしかできない事がある。
なんともまあありきたりで、けれどとびきりに難しい事を言うものだと思った。けれど、少しだけ嬉しかった。
『貴女にも出来る事がある。手札がゼロだなんて言わせない』
そう、黒江が認めてくれている気がして。
「まあ初日でお腹を壊すとは思っていませんでしたが」
「しょうがないでしょ初めてだったんだから!」
魔術も使ってどうにか一匹魚を捕まえる事ができたものの、焚火に使う魔力が切れて普通に熾すしかなくなったのだ。
しかし普通に焚火なんてした事もなく、火力は低いし途中で消えてしまうし。魚の表面も焦げ目ができているから、大丈夫かと食べてしまった。
そして一時間後に胃腸が悲鳴をあげ、どこかから見守っていた黒江が跳び出しすぐさま病院に行くはめになったのだ。
いやほんと、色んな意味で忘れられない思い出だわ。
「それで?その失敗エピソードで言われた『あらゆる手札を使え』って思い出させたいの?」
「え?いえあの時の腹痛よりは今の頭痛の方がマシじゃないですかと言いたかっただけですが?」
「もうちょっと何かあるでしょう!?」
ほら、『貴女ならできる!』とか『お嬢様を信じる私を信じてください』とかそういうセリフがあるでしょう!?なんで『食あたりの腹痛よりはマシじゃないっすか』なんて事になるのよ!
「……ではそういう意味で言ったという事に」
「ならないわよ!」
「ちぇー」
いっぺんしばいた方がいいんじゃないかしらこのメイド。模擬戦で一度も勝てた事はないけども。
「けど、私の手札なんて、どこに……」
そう言って自分の空っぽな掌を見ていた時、頭に電流がはしる。
――あった。私だけが知っていて、私にだけできる事が。
「黒江。今すぐ分家と傘下、そして公安を集めて。新垣巧もよ」
「かしこまりました」
ありがとう、剣崎くん。
心の中で、優しい使徒に感謝する。貴方のおかげで私はまだ戦える。
お兄様はいない。けれど、私だってできるのだ。分家と傘下に『新垣巧へ』指揮権を譲渡するのに納得させる事が。
* * *
宇佐美家の用意した指揮所に集まった面々。こちら側は胡乱気で、公安側は怯えたような雰囲気だ。
しかしそれはお互いに対してではなく、それぞれの代表に向かっての事。
分家も傘下も私に疑念をもち舐めくさっているし、公安の各班は山口とかいう有力者を脅して従わせた新垣巧に怯えている。
この段階でその方法が正しいかは別に、上に立つ者としてどちらが適格かわかりきっている。
「さて、突然ここに来るように言われたわけですが……いったいどういうご用件で?」
相変わらず不敵な笑みをうかべ、こちらを見つめる新垣巧。その真意は圧倒的なまでの怪しさで塗り潰され、意図を読むことはできない。
それでも、私がやる事は決まっている。
「今回の一件。公安に指揮権を譲渡しようと考えております。また、私共が持ってきた魔術の解説も行うつもりです」
「京子様!?」
「なにをふざけた事を!」
「ついに狂ったか!」
好き勝手言う分家や傘下に片手をあげる。まあそれで治まるわけがないので、黒江が殺気を放って黙らせた。
「おやおや。それはありがたい話しですが、どうも納得されていない方々が多いようですな」
角砂糖を次々いれた紅茶を、ゆっくりと口に運びながら新垣巧はこちらを見回して来た。
「ここにいる者には伝えましょう。『新垣巧殿は蒼黒の王の男娼である』と」
「ん゛……」
紅茶を飲もうとする新垣巧が、初めて動きを止めた。
「な、なんだと……?」
「『蒼黒の王』と言えば、あの東京の……」
「最強の使徒の、男娼だと……!?」
テント内に動揺が広がるが、全員小声だ。
当たり前だろう。これが1%でも真実であれば、使徒のお気に入りに睨まれるなど死んでもごめんだろうから。
「彼の右手の薬指。そこを視てください」
隠蔽の魔術で隠された右の薬指。しかし彼自身の魔術師としての腕はよくて二流といった所なのだろう。まともな魔術師なら注視するだけで看破できる。
だが魔力のコントロールが微細過ぎて言われるまで隠している事に気づく事が難しく、またわざわざ注視しようと誰も思えなかったのだ。
「あ、あれは……!?」
「あの魔力量、輝き、術式の綿密さ……!」
「け、賢者の石……!」
彼の薬指にはめられた、紅い宝石の指輪。
魔力を感じる者ならば誰もが息をのむ。この世にありえざる伝説の至宝。第五エリクシル。錬金術師の到達点。
賢者の石。それを非常に高度な術式で起動させる、宇佐美家ですら再現不可能な魔道具。
誰の目にも明らかだ。あんな物、現代の人間が作れるわけがない。
「私は何度か『蒼黒の王』に会った事があります。そして、同じ物を彼が使っているのを見た事もあるのです」
確か治療用の魔道具。それこそ生きてさえいれば、手足がなくなろうが臓腑が潰れていようが一切の問題なく治癒する万能の癒し。
また、新城明里や海原アイリが『蒼黒の王』本人から与えられて所持しているのも視た事がある。
つまり、あれこそが彼にとっての『お気に入りの証』なのだ。
「ふっ……ええ。これは彼から頂いた物である事は否定しません。ですが」
「彼!?今彼と言ったぞ……!?」
「使徒をそのように気安げに……」
「本当だというのか……!?」
「ふっ……どうか、男娼という点について否定させて頂きたい」
うん。それは我ながら失言だったと思う。でもインパクトほしかったし。
「申し訳ございません。謝罪させて頂きます」
「いえ、わかってくださればいいのですよ」
「男娼などという言い方でなく、愛人と言うべきでした……」
「ふっ……ふっ……」
流石に失礼過ぎた。反省。けどきっと意味はあっていると思うんだよなぁ。
最強の使徒『蒼黒の王』、剣崎蒼太。彼は非常に強い性欲をもっている。それは会う度に私や黒江に向けられる視線で明白だ。
そして――きっと男性も許容範囲なのだろう。
岸峰グウィンは好みではなかったのだ。きっと年上の男性がストライクだったに違いない。
そうでなければ私も貰えていない賢者の石を用いた魔道具を新垣巧が持っているわけがない!
「ふっ……少々、話についてい」
「なるほど、そういう事か……!」
「ふっ……山口くん?」
なにかに気づいたように、山口何某が顔を上げる。
「『トルーパー』の入手経路……グールの地下迷宮……野土村……全てが繋がった!」
「ふっ……落ち着きたまえ山口くん」
どうやら、あちらにも心当たりがある者がいたらしい。これにより天秤が大きく傾く。
「あの人物が『蒼黒の王』の愛人だと言うのならここで縁を作れば……」
「使徒との交渉窓口が手に入る……!」
「そこまでいかずとも、あの指輪のデータだけでも……!」
傘下も分家も一斉に新垣巧へと視線を向ける。
「なるほど、これまでの行動に辻褄が合うな……」
「我らの本家がかの王にお見合いを申し込んでも断られ続けた理由がこれか」
「新垣巧……恐ろしい男よ……」
そして、公安の別の班も新垣巧へと視線を向けた。
「ふっ……ふっ……」
もはやこの場の中心は新垣巧に他ならない。そして、それだけの重圧をあびても彼は不敵な笑みを浮かべ続けた。
私が同じ状況になったら胃痛で倒れる自信がある。だというのに、この男は余裕の様子だ。
これが、使徒の愛人……!
「僕ばかり言われていますが、そこの宇佐美京子さんも随分と『蒼黒の王』から好かれているそうではありませんか」
新垣巧がこちらへと話をふってくる。同時に、まったく同じ動きで分家や傘下もこちらを見てきた。
不気味。だが、なるほど。こちらにも花を持たせてくれるという事か。
「自分はここに来る前、『宇佐美京子という人物と協力してくれ』と彼から言われたのですがねぇ。貴女個人を名指しで」
「ええ。私も王とは懇意にさせて頂いております」
ざわりと、分家や傘下どもが引きつった顔で一歩さがる。
「ですが未だ新垣さんほどの信用は得られておりません。王は事あるごとに貴方の名を口にしていましたから」
これは嘘だ。今回が王から新垣巧の名を聞いた最初である。
しかし、新垣巧は否定しない。状況的に否定しない方がいいと踏んだか、あるいは思い当たるふしがあるのか。
まさか思考がフリーズしているという事はあるまい。
「なるほど。それは少々恥ずかしい。いったいどういう風に言われていたのか是非知りたいものです」
「ええ。それはもちろん。ですが、今はこの一件を片付ける事が先決かと」
立ち上がり、新垣巧に向かって右手を差し出す。
「新垣さん。我ら宇佐美グループはこの場において『貴方の』指示に従いましょう」
背後の傘下や分家たちが整列し、姿勢を正すのがわかる。不平不満など一切ない。損得勘定の速さが得意分野な者ばかり。ここは少しでも新垣巧の心証を良くし、取り入りたいと踏んだのだろう。
多少彼らからの宇佐美家への忠誠……と言っていいかはわからないが、こちらからの強制力も落ちてしまう可能性もあったが、そこは新垣巧がフォローしてくれた。
私も『蒼黒の王』から信用されていると愛人の彼が保証してくれた事で、この宇佐美京子の価値も上昇したのだ。もはや分家や傘下は私においそれと逆らわない。
実際に『蒼黒の王』と会話し、彼がもつ魔道具と『お気に入り』が持つそれらを見た私だから使えた切り札。
お兄様。黒江。そして剣崎くん。
私、やったよ……!
読んで頂きありがとうございます。
感想、評価、ブックマーク。いつも励みにさせて頂いております。どうか今後ともよろしくお願いいたします。
※新垣さんが右薬指につけていたのは指に装着していないと効果がないのと、人差し指と中指は魔術や銃を扱ううえで付けたくなかったのと、小指はサイズが合わなかったからです。決して婚約とかそういう意味はありません。




