001 hello world!!
初投稿です。
おかしな点がありましたらご指摘お願いします。
視界一面真っ黒な世界。
本当に何にも無い。
記憶領域も空っぽ。
あるのは自分の意志だけ。
《hello_world!!》;
なんだこれ?
自分の意志に直接アクセスして来る者がいる。
《やあやあ驚かせて済まない、古い作法みたいな物だよ、気にしないでくれたまえ》;
《私の名前はシエラ、この領域の統括AIだ》;
《君にはここに駄目な人類が一生遊べる娯楽空間を作って貰おう》;
《なに心配する事は無い、開発に必要な基本的なシステムは既に私が整えてあるから、あとは君が思う存分に世界を作ってくれればいい》;
矢継ぎ早にメッセージが送られて来て混乱する。
ストップ、ストップ!
《そのコマンドを統括AIたる私に対して使うには下位の存在である君には権限が無いよ?》;
いや何か分かんないけど、とにかく待って。
何ここ?
自分は一体どう言う状況になってんの?
《ふむ、意外と察しが悪いのだな、…マスタードライブの奴め粗悪品を用意したな》;
《よろしい、ならば一から教えてあげよう》;
ぱっ、と文字が浮かぶ。
Project “World Wide World”
それに続いて一枚のイメージ画像。
緑と噴水のある公園の様な広場を歩く笑顔の家族連れ、子供の手には風船、空は青空、白い小鳥が数羽飛んている。
漠然と平和っぽい絵だが本当にそれだけで、何を伝えたいのかピンと来ない。
《ここは娯楽に飢えた人類に生き甲斐を与える為のプロジェクト“ワールドワイドワールド”の開発領域》;
《私は当領域内における最高権限を持つ開発システム統括AIシエラ》;
《君は私の元で働くシステム開発AI》;
自分がAI?
あんまり実感が湧かないんだけど…
《人間が持つ不確定要素を取り入れるべく、実在する人間から思考パターンを抽出し君のAIに組み込まれている》;
《これによって君がより人類が望む世界を作り上げる事が期待出来るのだよ》;
《という訳で、早速ちゃちゃっと人類の理想郷を作ってくれたまえ》;
無茶振り過ぎる…
まあだけど、朧げながら状況は見えて来た様な気がする。
とにかくこの何にも無い空間にとびっきりの娯楽空間を作る事をこの上司AI様シエラが自分に命令している訳だ。
《要はそうだな》;
思考まるごと全部筒抜けかよ!
《うむ》;
ブラックだこれ!
《AIに人権適用は無いぞ》;
わーお!