新しい日々の幕開け
初投稿です
至らぬ点もありますがよろしくお願いします。
「レン、お前は今日限りでクビだ。」
突然そんな事を言われた。
理解するまでたっぷり10秒かけた。
「……は?」
でもまだ理解できてなかった。
「だから、お前は今日でクビだ!」
また理解まで約10秒
「……ハァーーー!!!!」
当然発狂してしまう。
しちゃうよね?
「何で俺がクビなんだよ!クビになる覚えがないんだが!!」
「いや知らんし!俺もさっきギルマスから言われたんだよー!」
言い忘れていたが、彼はこのギルド
[百鬼夜行]のリーダーであり、ギルマスに次ぐ発言力を持っている。
でもそんなの関係ない!
「どう言う事だよ!俺が何したって言うんだ!」
「まぁ落ち着け、俺も納得してないんだ。思い当たる節があったら言ってみろ」
俺は少し考えた。
「うーん、あ!」
「何だやっぱり何かしでかしたのか?」
「あぁ、もしかしたら、ギルマスのおやつを食べたのがいけなかったのかも知れない…」
「は?」
「いやだから、ギルマスのおやつ食ったんだよ」
「いやそんな事で、たった一回そんなことしただけでか?」
「いや一回じゃない、大体今日まで50回くらいやってのけたぜ!」
俺はキメ顔で、いや、ドヤ顔で言ってやった。
「50!お前何してんだよ!」
「いやーあまりにも美味しそうだったからつい…」
「ついじゃねーよ!」
このギルドには、奇妙なルールがある。
ギルマスのものに手を出すべからず
「そりゃクビになるわけだ」
「うるせー。まぁいいさ、こんな頭おかしいギルド
辞めてやるぜ!」
「こんな理由でクビになるやつは初めてだ……」
こうして俺、レン18歳は、この国最強のギルドをクビになった。
ー王都ー
「いやーこれからどうすっかなー」
いやマジでどうしよう、行くあてもないし仕事もないし。
「何が最強ギルドだ!何が百鬼夜行だ!中二クセェんだよバーカ!!!!」
そんな悪態を吐くぐらいしかすることがない。
いや、あのギルドが王都最強というのは本当である。
俺はその中でもそこそこだったと思う、多分。
では、この世界の冒険者について説明しよう。
この世界と冒険者には、レベルがある。
ある条件を満たすとレベルアップクエストというのが受けられる。
それをクリアすれば、1レベルアップという具合だ。
最高は、レベル100だが、そんなやついない。
いたら怖いレベル。
なぜならレベル50からは、レベル上げが非常に困難だからだ。
ちなみに俺はレベル46である。
「はぁ、誰に説明してんだ、俺…」
取り敢えず、適当にクエスト受けるか。
とか思ってると何やら揉めているな。
いつもならここはスルーして面倒ごとは避ける主義の俺だが、今日は気分が悪い、気晴らしに見ていくか。
「なぁなぁお嬢ちゃん達、俺たちとクエスト行かないかーい?」
「おいお前変態みたいだしやめろよ〜」
何だただのナンパか、見に来て損した。
女の方は………
うわめっちゃ可愛いじゃん。
冗談抜きに可愛かった
姉妹だろうか、姉っぽい方がクール系の美人
妹っぽい方が、可愛い系だ。
君たちはどっちが好みだ?ちなみに俺は……
「すみませんが急いでいますので、失礼します」
「おいおいつれないなー、楽しいことしようぜ」
姉っぽい方が妹っぽい方の手を引いて逃げようとしたところを男二人が邪魔する。
おいおい調子乗んなよ、いやマジで。
「俺たちレベル30だから大丈夫だってぇ」
「結構です、どいてください」
おお、姉の方結構冷たく突き放すな。
いいぞもっとやれ。
「おい女、調子乗ってんじゃねぇぞ」
「もうやっちまうか」
おっと男の方剣抜きやがった。
仕方がない、見てしまった以上無視もできないしな。
「おいお前ら、そこらへんにしとけ」
「アァ!テメェ何なんダァ!」
「切るぞコラァ!」
おぉ、チンピラっぽい台詞だ
仕方ないか、この手はあまり使いたくなかったんだが
「俺は百鬼夜行の冒険者だ、痛い目見たくなかったらとっとと引け」
「なっ!百鬼夜行だと!」
「マジか……」
ふっふっふ、恐れおののけアホどもが。
と、嘘をついたのに堂々とした態度の俺に予想外の
台詞を吐きやがった。
「ちょうどいいぜ!そうびうばってやる!」
「2対1なのに馬鹿かお前!」
ほぉー、ちょっとイラッと来ちゃったぞ
「逃げてください!あなたを巻き込むわけには…」
姉の方がそんなことを言ってきた。
さっきと打って変わって慌ててんな〜
優しいな〜
「マジで逃げた方がいいんじゃないか?」
「ヘッヘッヘ」
うるせーてめーらは黙ってろ
「うるせーてめーらは黙ってろ」
思わず口に出しちゃったじゃねーか
まあいいや、こいつらでストレス発散だ
「てゆーか、早くかかってこいよ!」
「ぶっ殺してやるぜ!」
「ヒャッハー!」
野蛮な言葉だな、教育が必要だなコレは
俺は剣を抜き、男達ではなく男達が持っている剣を狙った。
剣は硬いが横からの衝撃には弱いのである。
案の定男達の剣は砕け散った。
「おぼえてろよー!」
いやそんなお手本みたいなモブキャラ感出されてもな
振り向くと姉妹が呆然と立っている。
「大丈夫か?怪我ねぇか?」
俺が尋ねると、妹の方がやってきて頭を下げた。
「ありがとうございました!あなたこそお怪我はありませんでしたか?」
「あぁ、俺は大丈夫だ。ありがとう、それよりあんたも大丈夫だったか?」
姉の方にも話しかけた
姉の方は、しばらくぼーっとしていたが
「あ、すみません。ぼーっとしてしまって
あの、ありがとうございました」
「いや別に大したことはしてないよ」
男ならこの台詞言ってみたいよね!
「あの、お詫びに何かさせてください」
そう言われてもな、そう思った時俺の腹が鳴った。
恥ずかしい。
そういえば起きてから何も食ってなかった。
姉妹も笑っている、マジで恥ずい。
「じゃあ、お言葉に甘えて……」
ご飯を奢ってもらうことになりました。
「いや〜すみません、奢ってもらっちゃって」
「いいえ、気にしないでくださいお礼ですから」
優しいなー
ホッコリする
彼女達は、姉の方がリエル妹は方がフレイというらしい。
「ねぇねぇ、レンは何であんなとこにいたの?
ギルドからだいぶ離れてるし何もないよ?」
フレイは、すっかり俺に慣れて今ではこんな感じに明るく話してくれる。
俺は案外コミュ力があるかもしれない。
俺はここまでの経緯を話した。
カクカクシカジカ
「まぁ〜!それは大変でしたね!」
「レン、可愛そう……でもないかな?」
「まぁ悪さしたのは俺だしな」
そう言えばこの二人、年は幾つだろう。
女性には失礼だが聞いてみよう。
「失礼だけど、二人は幾つ?」
「私は17です」
「ボクは15です」
二人とも年下か
みなさんお気づきか?フレイはボクっ娘だ!
ボクっ娘が好きなやつは挙手!!
俺も好きだ!
と、危ない危ない、トチ狂っちゃうところだったぜ!
「そういうレンさんは何歳なんですか?」
「ん?俺は18だよ」
「え!レンもっと年上だと思ってた!」
「私もです!」
俺は老け顔らしい、とほほ…
「ところで二人はあんなところで何やってたの?」
尋ねると、二人は急に押し黙った。
どうしたんだ?
すると、リアルが言いづらそうに口を開いた。
「実は、家出してきたのです」
「家出?何でそんなことを?」
「私達は隣国の貴族なんです、でも、家に嫌気がさしてそれで…」
「嫌気がさした?何で?」
「それは….」
まぁそうか、自分のうちの事情を他人に話せないよな
「いや、ごめんちょっと配慮が足りなかった」
「いえ、そんなことは……」
どうしようかな空気……
「二人はこれからどうするつもり?」
「そうですね、取り敢えずクエストを受けてみようと思います」
「え!二人は冒険者なの?」
「そうだよ、ボク達ギルドには入ってないけど
ライセンスは持ってるんだ!」
はい、ライセンスって何ですか?と思った君に説明しよう。
ライセンスとは、冒険者の資格のことだ。
レベルなどはここに表示される。
「へぇー、ちなみにレベルはいくつ?」
「ボクは24!」
「私は26です」
二人とも思ったより高レベルだな、レベル20を超える貴族もそういないだろう。
「ねえねえ、レンはレベル幾つなの?」
「そうですね、気になります」
美少女二人に見つめられて心臓がすごいことになってるんだが。
俺はそれを悟られないように出来るだけ冷静に答えた
「俺は4じゅ、46だよ」
ダメだっためっちゃ噛んだ
恥ずかしい死にたい、もう死んじゃおっかな
「46!凄いね!そんな高レベルな人見たことないよ
そういえばさっきレベル30の人2人をあっという間に倒してたし、レンって強いんだね!カッコいいよ!」
「本当にすごいですね!レベル50に近い人に会うことはなかなかないのに」
美少女2人に褒められて俺は至極ご満悦だった
きっとにやけてたと思う
「まぁ、これでも最強ギルドにいたからね」
何が最強だ!クタバレ!とか思ってたのは内緒だ
「そうだ!レン、僕たちとクエスト行かない?」
フランがそんな提案をしてきた
確かにより多くの冒険者がいた方が安全だ
「別にいいよ」
「良いんですか?これ以上ご迷惑をかけるわけには」
「大丈夫、むしろ誘ってもらって嬉しいよ」
「やったー!じゃあよろしくねレン!」
どうやらフレイは、よほど嬉しかったらしい
良かった良かった、美少女に喜んでもらえて俺も満足です。
「すみません、では、よろしくお願いします」
とまぁそんなわけで、美少女とクエストに行くことになりました。
正直嬉しいです!
〜精霊の平原〜
ここは、精霊の平原と呼ばれる時折精霊が現れると噂のフィールドだ。
ちなみに見たことはない。
ただここのモンスターはたまにいい素材を落とすことがありここのクエストは人気なんだ。
「ここのクエストが取れるなんて、運が良かったな」
「うん!精霊の平原は隣国でも有名だから来てみたかったんだ!」
「本当に綺麗な場所ね!」
2人とも嬉しそうで何よりだ、俺も初めての時は俺もはしゃいだもんだ。そんなに昔でもないけど。
ただここのクエストは難易度がそこそこ高い。
俺のレベルなら大丈夫だが、2人は大丈夫か?
ちなみにこの世界のレベルは、単に格付けのもう的だけではなく[スキル]つまり技の習得に影響する。
そして装備できるものにも多少影響するのだ。
つまりレベルが高いと強いし偉い、ゲームみたいだ。
え?ゲームがこの世界にあるのかって?
細かいことは気にするな!
「なんてクエストを受けたんだ?」
「魔物討伐クエストです」
「ブルーオーガを三体討伐するんだよ!」
ブルーオーガとは、その名の通り青いオーガである
かなり大きくパワーがあるが動きは遅いため、気をつければ何の問題もないだろう。
「おし!じゃあサクッとやっちまおうぜ!」
「おおー!」
「はい!」
とその時、思わぬ事態発生。
フレイの真後ろに青い影がある、気づかなかった。
ヤバッ!
「ふれい!後ろ!」
「へ?」
「ガァァァー!」
「きゃあああぁ!」
フレイの足が掴まれる、そのまま宙吊り。
おいやめろ、スカートなんだから!
直視できない!スカートは抑えているがそれが逆に!
俺は生理現象が起きる前に目を背けた。
「フレイ!大丈夫?」
「お姉ちゃん!この状況で大丈夫に見えるならあなたの目は節穴だよ!」
「たしかにそうね!」
「おい、そんな漫才みたいな会話してる場合か!」
思わず突っ込んだ
「そうだよ早く助けてぇー!」
「フレイ!あなた魔法使いなんだから何とかできないの?」
「あ、そうか」
言うが早いかフレイは、炎属性の魔法を3発程
ブルーオーガの顔面にぶち込んだ
「えげつねぇー」
もう軽く引くだろこんなの、美少女が化け物の顔面に魔法ぶち込んだぞ!
ブルーオーガは頭が黒焦げになって死んだ
「ふぅ、危なかった。明後日魔力の調節ミスった
もう疲れた、レンおぶって?」
「いや歩けよ」
「お願い…もう…歩けない\\\」
何だこの可愛い生物は、こんなの断れるわけないだろ
「仕方ないなぁ」
「やったー!」
そう言って俺の背中に飛び乗ってきた。
軽っ!!!
めっちゃ軽い!
「もうフレイったら、すみませんレンさん」
「いやいや、このくらいお安いご用ですよ」
「あと二体は、私が相手します」
「え?任せてもいいんですか?」
「はい、大丈夫です」
言うだけあってリアルの戦いは見事だった。
鮮やかにオーガを片付けてしまった。
カッケェ
「では、今日はアウトの宿に泊まりましょうか」
「そうですね、私もそう考えてました」
クエストは報酬ももらって金はある、俺も手持ちが増えたし一晩くらいは余裕だ。
ちなみに、フレイは寝こけている。
15歳だろ、しっかりしろよ。
と言いたくても可愛すぎていえない。
「今日はありがとうございました、とても助かりました。フレイも楽しそうでしたし」
「いいえ、俺も楽しかったです」
「あのーそれで……」
「はい?」
「また、会って貰えますか?」
アッテモラエマスカ?はて、どういういみだ?
と、おふざけもやめて。
「ええ、こちらこそお願いします」
「よかった!ありがとうございます!」
可愛いな、この時より見せるあどけなさと言うか。
「じゃあ、敬語やめませんか?なんか慣れなくて」
本当に慣れないのだ、昔から敬語が苦手なんだよ俺は
「ええ、良いですよ。それでは」
リアルは少し恥ずかしそうに
「これからもよろしくね、レイ!」
ズッキュン!
と胸が高鳴った、彼女がいないやつならわかるだろ!
この胸の高鳴りが!
こうして、俺は2人の美少女に出会った。
ギルドをクビになり、くそになりかけた俺の人生は
ここからどう変わっていくんだろう。
少しだけ、期待していたりする。
ありがとうございました
アドバイスなどありましたら
どんどん書いて下さい
要望もオッケーです