始まりは即死から
はじめまして、深渕卿です。
この作品は、何となくで生成されたものなので
至らぬ点があるとは思いますが皆様の感想や評価をして頂ければ嬉しいです。
辺りを見回して見る。
見渡す限りの緑、遠くを見つめれば天にそびえる大樹そして空を見上げれば九つの規則的に並んだ太陽。
そして上空を羽ばたく竜の群れ。
「……。」
つい現実逃避してしまいたくなるこの現状に何故なったのか説明しなければなるまい。
私はオンラインゲームをしていた。
〈SecondLifeonline〉というグラフィックが綺麗で自由を謳歌する事を目的としたMMORPGだ。
しかも一定の広告効果が認められたトッププレイヤーに固有スキルを付与してくれる他に類を見ない特殊な一面もある。
私は特に固有スキルに興味が無かったので当然ステータス振りは極振り一択、他のゲームでも弓を使う事が多かったので器用度に全振りした。
もちろんまともなキャラが出来る訳がなく紙防御故に呪いの装備などが理由で死にまくり、いつしか即死王と呼ばれる程そこそこ馴染みのあるプレイヤーになった。
死んで街に戻されても、すぐにテレポートアイテムで同じ場所に戻ってきて、っと少し面倒くさいプレイスタイルでプレイしていたが。
死亡回数が1000万回を超えた時運営からサーバーへの負荷が尋常じゃないからもう気軽に死ぬのはやめてほしいとお願いされたのは少し焦った。
でも運営から私だけの固有スキル【不撓不屈】を貰えたのは驚きだった。
理由は初心者育成や海外サーバーとの交流を頑張っていたのが評価された結果らしい。
初心者へのモンスターレクチャーや翻訳片手に頑張った海外勢との交流を評価されるのはなかなか嬉しい。
ところで、私が貰った【不撓不屈】と言うスキルは私が死んだ際にHPを1だけ回復してくれるという壊れスキルである。
そしてこのスキルは私の死亡回数を別個でカウントしてくれるのだ。
これにより死に戻りが省かれ、異常な数値が除去されサーバーへの負荷が減り、運営が冷や汗を流さなくて済むのである。
当然この壊れスキルはチートだのなんだの言われたがその使用者が即死王の私だと知るとなんか同情されたのは良い思い出(?)なのだろう。
問題のその日はゲームの最深部である森で即死RTAというものを一人でやっていた。
「よし…なんとかタイムを一桁台にする事ができたか」
もちろんこの行為には何の意味もない、だかしかし、ゲームを始めてから今に至るまでずっと私のアイデンティティだった即死を極めて見たかったのだ。
今では即死を極め一日に一万回以上死ぬ事が軽く出来る、ある意味トッププレイヤーの一員と言っても良いだろう。
そんな私の死亡回数が10億を超えた時それは起こった。
いつものように魔物の攻撃に身を当てる、これはゲームだ痛みなどない、そう思っていた……。
「っ……」
身体に走る押し潰されるような圧迫感と引裂かれたような鋭い痛み。
「なん……だ?」
咄嗟に自身の手を見ると赤く染まった何かがあった。
手がない…私の手がまるで何かに引き裂かれたかの様に無くなっていた。
訳がわからない、何故私はこんな目に遭っているんだ?
流れ出る大量の血液を止めようとしたがそれは叶わなかった。
身体に力が入らない…長らく怪我らしい怪我をしていなかったから忘れていた。
私は、私は……血を見たら倒れるタイプの人間だった
「くっ…こんな下らない事で死ぬのか…」
私の意識は遠退き何故ゲーム内のダメージが現実の肉体に影響を及ぼしたのかを知る事なく、実に呆気なく死んだ。
※本作の主人公は医者ほどでは有りませんが応急処置が出来ます。(血を見たら倒れるので殆ど意味ない。)
一応説明 血などを見て倒れる症状はVVRと言います。
作者も頻繁に倒れます…大体は献血の時などに起きる現象ですが拗らせると小指から少し出血しただけでも倒れます。因みに作者は小指から少し出血しただけで倒れました。事故などを発生させる事があるので注意が必要です。作者は脳震盪を起こして病院に強制搬送されました。私は無事だったのですが有無を言わせず病院行きです…(ありがたいね!)
VVRの皆さん、周りをよく見て倒れましょう!安全に倒れる事が出来るようになったらVVRプロの仲間入りです!極めれば『あっ…私倒れます…』っと宣言してから倒れる事が出来ます。←作者