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長い冬から抜け出して、

作者: 影斗 朔

 悪夢と例えるにはまだ相応ではないと思うけれど、例えるなら上手く寝付けずに日々を睡眠不足で過ごしているような、そんな地味な不快感のある日常が平坦で単調的ではあるけれど、私の身を蝕んでいる。


 不要不急の外出が控えられる今、世界は部屋の中に押し込められている。

 十分に広いと思っていた家はこうも狭くて苦しいものだったのか。

 長らく感じていたはずの居心地の良さすらも今はもう覚えてすらいない。


 仕事に忙殺されるのは自分の時間を奪われるようで嫌いだった。

 けれど、熱中出来ることが一つ減っただけで、人生といったものが実に空虚に感じられる。


 友人や家族と会う機会も奪われてしまった。

 それがなおのこと自分の空虚さを思わせるに至る引き金として、重く重くのしかかってくる。


 息を抜くには時間が十分過ぎて、息を抜く機会がわからなくなってきた。

 動ける範囲が狭いせいで、気を逃す場所が画面の向こうにある虚構へと制限される。


 ────そんな、どうしようもない毎日。

 世界中に蔓延する災禍が治まるまで、ひたすらに先行きの見えない禁固を続ける日常。

 何をしなくても疲れてしまう、今日というひをずっと繰り返している。


 ……でも、再びあなたと会ういつかの日に、そんな暗くて悲しい顔をして会いたくはない。

 今がどんなに辛くても、盲目に行動し不安に苛まれては再び会える機会すらも失われてしまうかもしれない。


 現在は遠く離れた人とも画面の向こうで繋がれる時代で、誰だって自分の好きなように物を生み出せる絶好の機会でもある。

 乗り切るすべはいくらでも転がっているんだ。


 だから、今は耐え忍ぶ時。

 寒く厳しい冬を土の中に眠り篭って越冬する動物たちのように、暖かで懐かしい春のぬくもりを夢見て。


 そうして長い冬から抜け出した時に、「ただいま」と笑顔で言えることを、ただずっと待って。

コロナで大変な日々を過ごしている方も多いでしょうが、ここが正念場です。

みんなで一緒に乗り切りましょうね……!


……子供の日にするような話題じゃなかったかもだけど!

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