サムライのやつ
ある日のことであった。歩いていた一人の男。その男の背なには一本の刀。男。この時代に残る最後のサムライ。この大宇宙を愛刀一本で駆け抜ける大男。
その日は朝から雨であった。のちにまるで星が降るかのようと形容されるその日は。
その日、男は仕事を受けた。男は普段は仕事も受けずふらふらと星々を歩いていたが、その日は珍しく仕事を受けていたのだ。それもその男が不得意とする暗殺の仕事である。
男はその星の中心、とある城に入っていった。その城にいるある人物こそが今回の仕事の対象だった。
「そこな男よ。何者じゃ。名を名乗れ」
「私めはただの旅客でございます。今回この城によらしていただいたのは、観光のためでございます」
「いかん!この城は今、厳戒態勢にあるのじゃ!今朝方こんなものがワシの部屋に届いておった!」
そう言って国王が見せてきたものは、一枚の手紙ともいえぬ紙であった。そこには王の命を狙うとそう書かれていた。
「それは私めに関係することなのでしょうか?」
「そりゃそうじゃ。そもそも何故旅客を、この城に入れておるのじゃ!出会え!出会え!」
そう国王が叫ぶと奥から兵士が現れた。しかし何故か国王に向かって槍や剣を構える。
「なぜじゃ!」
国王が再び叫ぶと奥から怪しげな男が現れた。彼はこの国の大臣で、国王も信用を置く人物だった。
「国王よ!あなたがこの国を腐らせた!故にあなたは死なねばならない!私がこの国の未来を守る!」
「気でも狂ったか!?」
そんなやり取りの後に兵士が国王へと詰めかけてくる。すると男が兵士と国王の間へ入り、兵士達を止めた。
「待ちな...ここから先へは行かせない...」
そう男が受けた仕事は国王ではなく大臣の暗殺。しかしそれで止まる兵士ではなく、国王へと向かっていく。そして男は遂にその背なに背負った刀を抜いた。きらりとひかると思われたその刃は無く、ただつかだけがあるのだった。
「そんな刀でなんになる!やってしまえ!」
「そんな刀でいいってことだよ。お前らは」
その刀から光が溢れてくる。そう。その刀はライ◯セイバーだったのだ。そのまま大量の兵士を刀で切り倒し、そのまま大臣を斬り殺した。
男は去っていった。その後その国はどうなったかは誰も知らない。