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幻龍戦記  作者: 京鳥 枠
 
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プロローグ

 ある日、突然巨大な生物が現れた。

 煌々と輝くその瞳はルビーのように紅く、その姿はまさに東洋の神獣、龍に酷似していた。

 その龍のような生き物は、想像上の生物とされていたありとあらゆるモノたちを創造した。

 古今を問わず、有名な者からほとんど忘れ去られている者まで。

 東西を問わず、崇められている者から忌むべきとされている者まで。

 節操なく、大量に産み出した。

 それらのモノたち―後に魔物と呼ばれることになる者たち―は、人の前にも姿を現した。


 その道の愛好家達は大いに盛り上がった…奴等が人に襲い掛かるまでは。

 世界各地で、軍隊が慌ただしく出動した。しかし、彼らは無力だった。

 何故か銃ではダメージを与えることが出来なかった。明らかに命中しているのに、だ。

 戦車隊が出撃した軍もあった。

 爆撃機で国土もろとも焼き払った国もあった。

 あろうことか、核兵器を持ち出した所もあった。


―しかし、魔物達は全くの無傷であった。


 そんな中、意外な形で奴等への有効打が判明した。

 自暴自棄になった中年女性が、竹箒で小型の魔物を殴り殺したのだ。

 そう、有効打とは原始的な近接攻撃。あらゆる遠距離攻撃は無効であるにも関わらず、近接攻撃なら素手でもダメージを与えられると判明したのだ。

 もっとも、一定以上の魔物が相手だと相応の装備と腕前が必要となるので、劣勢には違いないのだが、一縷の希望が生まれたのも事実。

 人間達はその微かな光におのれの未来を託し、魔物討伐ギルドをつくった。

 彼らは、魔物達の瞳が母龍同様紅いことから、こう呼ばれる。

『レッドアイズハンター』と。



 人類が一致団結し、多くの人命と土地を失いながらも、幾つかの拠点を護り抜き仮初の平和を得た“第一次人魔大戦”から、およそ150年。

 もう先述の大戦を経験した人はいない。人類の団結に綻びが生じ、それでも辛うじて平和という虚構が機能していた、そんな時代の物語である。

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