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【完結済み】MOBILE FORMULA 2132 -スターライガ∞-  作者: 天狼星リスモ(StarRaiga)
最終章 THE LAST HOPE

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【TLH-77】かぐや姫の帰還

 月にいる全ての人々へ、まずはこのようなカタチで放送に割り込む無礼を許して頂きたい。

しかし、これは(わたくし)の声を月面全土へ届けるための最善策なのです。

私の名前はフユヅキ・ヨルハ。

かつてアキヅキ家によって権力を簒奪(さんだつ)され、表向きは一族郎党全員が死罪となったフユヅキ家最後の生き残りであります。


 かくしてヨルハの演説は始まった。

彼女の声は月面都市全域をカバーする放送システムによりこの星の隅々まで響き渡っているはずだ。

「ん、無線にノイズが……!」

その強大な出力は味方の通信機器にも干渉するほどであり、首都ホウライサン上空で敵部隊と交戦していたメルリンは突如聞こえてきたノイズに顔をしかめる。

「始まったようだな……ヨルハ様の一世一代のスピーチが」

一方、ルナールはノイズが落ち着いたことでハッキリ聞こえるようになった演説に耳を傾けつつ、未だ激しい抵抗を続ける敵機を着実に撃破していく。

「大事なのは彼女の話をルナサリアンたちに聞いてもらうことだぞ」

「分かっていますよ! そのために敵を大人しくさせます!」

今回のように多数の敵を相手取らなければならない状況では、マルチロックオン可能なオールレンジ攻撃端末を搭載する機体に乗るリリカとレカミエが思う存分活躍してくれる。

「ッ……!」

だが、この面子の中で唯一イノセンス能力を持つリリカは何かを感じ取っているようだ。

「リリカ、どうしたの?」

「新手が来る! しかもそこそこ速いヤツだ……これは!?」

妹が一瞬だけ漏らした呻き声を聞き逃さなかったメルリンから心配されると、リリカは自分なりの未来予測を率直に明かす。

「(この感覚……くそッ、知り合いと戦うことになるのか!)」

ただ敵が増えるだけなら今更驚く必要は無い。

リリカが少しだけ戸惑っていたのは、これからやって来るであろう敵を"知っていた"からだ。


 当時の側近たちの尊い犠牲と引き換えに月を脱出した私は、あの空に浮かぶ蒼い惑星(ほし)――地球へと亡命しました。

かの地で私は一人生き残った従者と共に名前を変え、地球人"ヨルハ・リュヌイヴェール"として静かに朽ちていくことを選んだのです。

私たちが降り立った場所はオリエント連邦の領土内。

幸運なことに初めて出会った地球人はとても心優しい御方で、彼女は訝しみながらも手を差し伸べて下さいました。

遺伝子的に近しい点を除けば言語も文化も大きく異なる環境での生活でしたが、現地の人々の助けもあって徐々に順応することができました。

生まれながらにして家柄に縛られてきた私にとって、あらゆるしがらみから解放された地球での生活は本当に幸福だったのです。

そう、アキヅキ家の魔の手が地球に忍び寄るまでは……。


「モニターに映像を回せるか?」

オリエント国防海軍の正規空母"アカツキ"も放送電波を受信しており、その音声を艦内放送を介して全乗組員に聞かせている。

だが、映像も見たいと感じたサビーヌ艦長はオペレーターに対しそれが可能か尋ねていた。

「映像データの受信ができれば……やってみます」

緊急放送用の周波数帯を利用していると思われる音声データは容易に受信できたので、後は映像データの方も同じように受信するだけでいい。

オペレーターはコンソールパネルの通信システム関連が集約されている部分を操作し、映像データの受信及び音声データとの同期を試みる。

「これは……!」

「どうやら、スターライガに任せて正解だったようだ」

彼女の試行錯誤は上手くいったらしい。

CDC(戦闘指揮所)の大型モニターに弁舌を振るうヨルハの姿が映った瞬間、コーデリア副長とサビーヌは満足げな表情を浮かべる。

「この放送がルナサリアンたちにどれほどの影響を及ぼすでしょうか?」

「……分からん。全てはこの星の人々の心に懸かっている」

静かに映像を見守っていたコーデリアからの問い掛けには明答を避け、今後は月の民の行動次第だと述べるサビーヌ。

「どうなるか見てみよう。我々は我々にできることを精一杯するだけだ」

だからこそサビーヌは自分たちがやるべきことを分かっていた。

ヨルハが自らの想いを人々に伝え終えるまでの間、議会議事堂は何としてでも死守しなければならない。


 地球侵攻作戦の事前調査を目的とする特殊工作員の登場、月から送り込まれた刺客による暗殺未遂、二つの星を隔てていた空間断層の安定化――。

状況の変化は地球と月が本格的に対峙する未来を明らかに示唆していました。

そして、それは最悪のカタチで訪れてしまったのです。

"地球側の月面探査船による領土侵犯"という最高の口実を手に入れたアキヅキ家は大衆を扇動し、数十年間温めていた地球征服計画――アマノハコブネ作戦を発動。

月面都市に住まう人々が今この時も命の危機に晒されているように、地球上でも全ての国家が無慈悲な攻撃の対象とされ、戦闘能力を持たない無数の民間人が犠牲となりました。

この戦争で死亡した地球人の約6割は非戦闘員であるとさえ云われています。

二つの星が繰り広げているのは惑星規模の全面戦争である以上、国民にも皺寄せが生じるのは仕方無いのかもしれません。

……ですが、アキヅキ家は反戦運動によって自分たちの権力基盤が揺るがされるのを恐れ、国民の耳目(じもく)に触れてほしくない不都合な真実をひた隠しにした。

その結果、月では一方的で偏見に満ちた善悪二元論が形成されたのです。

これらは指導者として到底許されるべき行為では無いと私は断言致します!


「……」

月の宮殿の地下に設けられている第一総司令部。

ヨルハによるアキヅキ家批判の演説をオリヒメはただ黙って聞いていた。

「オリヒメ様! 失礼します!」

その沈黙を破ったのは司令室に入室してきたスズヤだった。

彼女の顔は興奮状態で少し赤いように見える。

「ヨミヅキ親衛隊長か……この放送についてどう思う?」

「何なんですかこれは!? 権力闘争に負けた敗北者が今更になって現れ、地球の屁理屈を用いてアキヅキ家を愚弄するとは!」

今流れている放送の内容についてオリヒメから意見を求められると、スズヤは我慢の限界といった感じで声を荒げる。

彼女の実家ヨミヅキ家は典型的な親アキヅキ派として良くも悪くも知られている。

「破廉恥にも程がありますッ!」

「落ち着きなさい! 熱くなるのは分かるけれども……ヨルハ様はただ事実を並べておられるだけ」

熱くなり過ぎて言葉を選ぶことさえ忘れているスズヤを窘め、かつての遊び相手の主張をある程度は受け入れるオリヒメ。

「放送に割り込んで反論することもできる。だけど、下手な言い訳はかえって相手を有利にしかねない」

反論のための声明を出してもいいが、そのタイミングを誤れば国民や将兵から露骨な"火消し"と受け止められる可能性があった。

「親衛隊第1小隊は命令あるまで待機! いいわね?」

「……了解」

慎重な行動を望むオリヒメから待機を命じられ、不本意そうに司令室を出ていくスズヤ。

「(全く、人は真実を正面から突き付けられるとこうも弱い……)」

信憑性が高そうな言葉で大衆と軍に揺さぶりを掛け、支配者層への不信感を一気に加速させる――。

人間心理を活かした駆け引きにはオリヒメも感心し、ヨルハの政治的手腕は衰えていないと認めざるを得なかった。


 今から数週間前、私は首脳会談のため地球へ降りて来たアキヅキ・オリヒメ及びその妹ユキヒメと再会しました。

権力闘争が起こる前は同じ"四月家"の出身ということで遊び相手でもありましたが、長い時を経てお互いに変わってしまったようです。

理知的で知性溢れるオリヒメ様と力強く頼もしいユキヒメ様はもういない。

私を直接処刑するべく現れたのは、外道に堕ちた暴君とその腰巾着でした。

その時はいくつかの幸運に助けられ難を逃れることができましたが、この出来事は「フユヅキ家の宿命から逃げるな」という私に対する警告だったのかもしれません。

"咎有りて死せず"――。

祖国の(ことわざ)を思い出した私は己が宿命と向き合い、命惜しさに逃げ出した罪を清算することを決意しました。

それを実現する方法はただ一つ。

地球と月双方の事情を知る私自身が祖国へ舞い戻り、月の人々にこの戦争の真実を伝えることなのです。


ホウライサン近郊のカミシラサワ迎賓館の地下に設けられている第二総司令部。

「くそッ! ここまで好き勝手言われるとは……!」

その司令室にコンソールパネルを叩くような乾いた音が響き渡る。

どこか悟ったかのような感情を抱いていた姉と異なり、ユキヒメは"月の裏切り者"の言動に純粋な怒りを感じていた。

「おい、この放送をすぐに止めさせろ! 発信源は分かっているんだろ!?」

自分のことをあらゆる表現で侮辱することは別に構わない。

姉の人間性にあえて一言も言及せず、行動と結果だけを指して悪者に仕立て上げる名誉毀損が許せなかっただけだ。

たとえ、それがかつての遊び相手であろうとも……。

「ハッ、議会議事堂です! ほぼ全ての戦力を首都中心部に展開していますが、如何せん敵の抵抗も激しく――」

「そんなこと、言われるまでも無い! 戦力差を活かして包囲殲滅しろ!」

内線電話に応じた部下の報告を途中で遮り、首都中心部まで土足で踏み込んできた敵の殲滅を強く命じるユキヒメ。

「それから全軍に通達してくれ。『権力闘争に敗れ、野蛮人に与した国賊に惑わされるな』――とな!」

「り、了解しました! 直ちに全軍へ徹底させます!」

彼女のこれまで聞いたことが無いほどドスが利いた声に部下は圧倒され、そそくさと逃げるように電話を切る。

「もしもし……私だ、アキヅキだ。機体の始動準備を頼む」

少し気分が落ち着いたところでユキヒメは再び内線電話の受話器を取り、今度は掩体壕(えんたいごう)で作業中の技術班を呼び出す。

「最前線が膠着状態にあるらしい。私が出撃し直接指揮を執った方がいいかもしれん」

先ほどは敵を完膚無きまでに叩き潰すよう命じたものの、実際にはそれが難しい戦況であることをユキヒメは知っていた。

「準備を終えたらそちらへ向かう。5~6分ほど待っていてくれ」

戦線の視察を名目に自ら出陣するのもやぶさかでは無い。

出撃に向けていくつかの準備を行うため、彼女は大まかな時間だけ伝えてから受話器を置く。

「(ヨルハ様……貴女が真摯な言葉で人を動かすつもりならば、私は強く正しい力によって己が正義を示すまでだ)」

幼い頃から武芸の鍛錬が中心であったユキヒメは言葉をぶつけ合うことに興味は無い。

だから、彼女は鍛え上げてきた力を自らの意思表明とするのだ。


 この放送に耳を傾けてくれている月の民たちにお願いがあります。

私の言葉が信頼に値すると感じられたのならば、あなたたちを誤った戦争へ引きずり込んだ支配者層を討つべく決起して下さい!

反対勢力を一掃し、自分たちに都合の良い支持者で要職を固めるのがアキヅキ家のやり口なのです!

彼女らはあなたたちを愚かな大衆だと決めつけ、国民の声に耳を傾けるつもりなど元から無い!

だから議会という貴重な発言の場を廃止し、それでも口を慎まない不穏分子を監視・処刑するため秘密警察や政治将校といった余計な役職まで創設した!

しかもそれだけでは飽き足らず、親アキヅキ家寄りの上流階級出身者を優遇するなど、誇り高き皇族親衛隊や軍事武門自体の私物化も進めていると聞く!

月の民における上流階級の比率は1割程度でしかないというのに……アキヅキ家はその1割の中のごく一部を重用しているに過ぎない!

虚言や誇張表現と思われるかもしれませんが、これだけは私自身の意見として断言させてもらいます!

月という荒れ果てた大地を治めるために作られた特殊な統治機構は徐々に狂っていき、その歪みはアキヅキ家の権力掌握により決定的となったのです!


 ホウライサン近郊の開発予定地に急遽建設された臨時前線飛行場――。

電波ジャックが起きたタイミングで偶然地上に降りていた搭乗員たちは、幸か不幸かヨルハの演説を映像付きで見ることができた。

「あの人は……!」

そして、純心能力者候補を集めた蒼部隊を率いるリュウセンもその一人だった。

「知ってるのか?」

「歴史の教科書に載っていたでしょう? あの人の一族の支配下で腐敗が深刻化したから、それを是正するべく革命を起こしたのがアキヅキ家だ――って」

彼女と同期であるユウキの無知に呆れつつも、歴史の授業に真面目に取り組んでいたミヤビは"政権交代"について簡潔に説明してくれる。

「……本当にそうなのかな」

「「え?」」」

「確証は無いんだけど、あの人の言葉は事実を正確に指摘しているとあたしは思う」

だが、リュウセンの歴史認識は違っていた。

全く同じタイミングで自分の方を振り向いた同僚たちに対し、彼女はあの人――ヨルハの印象について率直に語る。

「国賊の痴れ言に惑わされるな!」

「来たぜ……政治将校殿だ」

しかし、軍部の中にはこの放送を好く思わない"保守派"もいるようだ。

騒ぎを聞きつけて事態収拾にやって来たのは嫌われ者の政治将校であり、小声で毒づくユウキの反応が全てを物語っていた。

「あなたたちは我が軍事武門の将兵として、戦闘に集中するだけでいい」

周囲の悪口を気にすること無く兵士たちが集まっている所へ近付き、"余計なことは考えるな"と忠告する図太い政治将校。

「名門ホヲヅキ家出身の貴女ならば、何が真実であるかは分かっているはずよ」

「ハッ……!」

最後にたまたま人混みの中に立っていたリュウセンに歩み寄り、彼女の肩を軽く叩いてから政治将校は仕事場へと戻っていく。

「ホヲヅキさん……」

「ウチの一族は代々アキヅキ家寄りだと聞く。でも、あたしは違うかもしれない」

今の遣り取りに不安を覚えたミヤビを安心させるように少しだけ微笑むリュウセン。

「……まあ、まずはこの戦争を終わらせないと何も始まらないよね」

兎にも角にも、これからのことを考えるには終戦を迎えなければならなかった。


 アキヅキ家の暴走は今この瞬間にも不幸を振り撒いています!

それが地球と月、どちらにより多く降り注いでいるかはもはや関係無い!

この戦争が続く限り二つの星に待つのは、祝福など存在しない呪い呪われた未来――すなわち"黒い歴史"だけです!

人類全体の岐路において我々が取るべき行動は既に決まっている!

まずは最大の戦争犯罪人たるアキヅキ家を討ち、そして武力による解決策しか講じられなかった我々古い人間も役目を終えるべきであると考える!

これからの未来を創っていくのは、悲惨な戦争を身を以って経験した人々でなければならない!

そう……私は月が長らく固持してきた支配体制を破壊しようとする気概を持つ、変革を望む勇気ある者たちにこの星を託したい!


 本土決戦を前に月面都市には疎開令が出され、国民の大半は疎開船に乗り込み火星方面へと国外退避していた。

……あくまでも"大半"であり"全員"ではないのだ。

軍人や政府関係者が本国に留まるのは当然として、これに該当しない一般国民でも月面都市に残った者たちがいる。

「おぉ……ヨルハ様……ご立派に成長なされて……!」

月面都市の各区画に点在する、緊急避難用の大型シェルター――。

その中の一基に住み着くルナサリアンの老婆(見た目は20代半ばだが)はテレビに映っている人物に気付いた瞬間、我を忘れたかのようにポロポロと嬉し涙を流し始める。

「ばあば……あんた、もしかしてこの人の一族に?」

「そうじゃ……浮浪者に身を堕とす前はフユヅキ家に仕え、恐れ多くも幼いヨルハ様の世話係をしておった」

彼女のことを親しみを込めて"ばあば"と呼ぶメガネ女子の若者にそう尋ねられ、老婆は昔を思い出しながら全てを失う前の輝かしい経歴について打ち明ける。

権力闘争に敗れたフユヅキ家が粛清の対象とされたのは前述の通りだが、それは当時フユヅキ家に仕えていた家臣なども例外では無かった。

最期までアキヅキ家への隷属を拒んだ者たちの多くは処刑され、この老婆のように生き残った者も地下への潜伏を強いられていた。

若人(わこうど)たちよ……反政府運動に参加してきたこの老いぼれの……最期の願いを聞いておくれ」

月面社会の底辺層とされる人々に救われた彼女は反アキヅキ派の第一人者として活動してきたものの、近年は加齢による衰えが顕著であった。

「どうかヨルハ様を……姫様とその"友人たち"を……助けてやってほしい……」

「……分かった! それはあんただけじゃなく、この場にいる皆の願いなんだ!」

今、余命幾ばくも無い老婆の願いは若者たちに引き継がれた。

「約束する! ばあばに次の時代の景色を見せてやるからな!」

メガネ女子の若者は"ばあば"のか細い手を優しく握り締め、彼女の分まで闘ってみせると誓う。

「実働部隊は武器を持ったな!? これより我々は当初の予定を変更し、議会議事堂へと向かう!」

このメガネ女子が率いる組織の名は"春の嵐"。

底辺層出身者や反アキヅキ派の知識人などで構成される、現体制の打倒及び立憲君主制への移行を目指すパルチザンだ。

「ヨルハ様の言う"変革を望む勇気ある者"――我々もその中の一部になれると信じて!」

「「「おーッ!!」」」

革命を志すインテリとしての気質を買われリーダーを務めるメガネ女子の下、実働部隊の面々は円陣を組んで気合を入れる。

月の民の歴史は大きな転換点を迎えようとしていた。


 フユヅキ家最後の生き残りとして全ての月の民たちに命じます!

国家と国民を誤った道へ進ませたアキヅキ家を討つべく立ち上がりなさい!

自分たちの支配体制を守るためならばあらゆる手を使うアキヅキ家に反抗することは、確かに恐ろしい行為であるかもしれません……。

ですが……この戦争を終わらせたいと願っているのはあなたたちだけではない。

私を月まで連れて来てくれた"友人たち"も想いは同じです。

今、"友人たち"はアキヅキ姉妹を直接引きずり出すために戦っています。

彼女らは卓越した戦闘力と高潔な精神を併せ持っていますが、悪夢から目覚めていない抵抗勢力に苦戦を強いられています。

武器を持つ兵士たちは同僚を説得し、その得物で本当の敵を討って下さい。

月面都市に残る市民の皆さんは"心"という武器を握り締め、平和への祈りを天に届けて下さい。

そして……私の"友人たち"を助けてほしい。

未来を信じて戦い続ける、最後の希望を守るために……!

【四月家】

ルナサリアンの最高権力者である"皇帝"は元々交代制を採用しており、そのローテーションに入ることを認められていた4つの名家を纏めて"四月家"と呼ぶ。

現在まで残っているのはアキヅキ家とフユヅキ家だけだが、かつてはハルヅキ家やナツヅキ家といった一族も存在した。

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