ホッカイロ
拙作『かくれんぼ』に登場する二人組の話です。
ヤンデレの次はちょっとツンデレ気味な女の子は如何でしょう?
「私、冬はあんまり好きじゃないんだよね。」
「へぇ、そうなんだ。僕は結構好きだけど。」
「え?どうして? 」
「それはね…。」
ぎゅっ
「こうやって、君を抱きしめる口実が出来るだろう?」
「………っっ!えっち! 」
「好きな女の子に触りたがらない男なんていないよ。それとも…僕に触られるのは、嫌? 」
「…嫌、じゃない、よ。」
「…良かった。さて、と。移動したいけど、君を抱きしめたままじゃ動きづらい。…と、いうことで。手を出して? 」
「え? 」
「手を繋ごうって言ってるんだよ。ほら、早く。」
「…はい。」
「ふふ、素直でよろしい。こうやって、手を繋いでいたら温かいだろう?君の専属のホッカイロは僕だからね。いつでもご用命下さいませ。」
「…変なの。」
「……あなたの専属は私だけ、他の誰かに渡さない、なんて素直に言えたらいいのにな…。」
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