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未定
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別に深酒をした訳ではない。
普段からあまり呑むタイプでは無く。
ましてや、記憶が無くなるまで呑むような呑み方もしない。
今、置かれている状況に宮守 朱愛は混乱していた。
TVで見た事のあるような、緑というより黒に近いような森に
周囲に散乱している朱愛の営業鞄から出た資料の紙。
昨晩、新規の大きな契約を成し遂げ
同僚達と飲み会をしていたのは覚えている。
意識の無くなるまで呑んだつもりはない。
身体に異常は無く、着ているスーツにも別段変わった所はない。
襲われた訳では無さそうだ。
とにかく、人がいる場所にいかなくては
ここが何処なのか。
こんな異常な状況であるにも関わらず
何故か私は冷静でいられた。