再び戦場へ
さて、と吐息を一つ吐くとメアとフィルを連れこの戦争に割り込んできた本当の魔を探すために動きだす。
「フィル、メアを乗せてあげてくれ」
「グオ」
「ご…ご主人………は?」
「ご主人!?」
「サタ……シ、シファーがいなく……なったから…ルアンがご主人」
「お、おう……そうか」
「こんなの……じゃ、駄目……ですか?」
そう言うとメアはしたから覗き込むようにしてこちらを見て迫って来る。
「い、いや!そうじゃなくてだな!ご主人とかじゃなくて仲間とか友達とかとしてだな……」
「私は…こんな接し方しか………わからない、です」
あんの堕天使いらんことだけ教えてやがるな?
「なら無理しないで今までのままでいいよ、こっちが慣れるから」
「ごめん…なさい」
「メアが謝る必要なんてないよ謝るのはそういう接し方しか教えなかったシファーを怒るさ」
「あの……その…シファー……は悪く、ない…です」
「メアがそう言うなら怒らないでおくよ」
メアの頭に手を当て少し荒く撫でるとフィルに乗せる。
「ご主人は…乗らない……です?」
「自分で飛ぶからね」
「そう……です…か」
「………一緒に乗る?」
俺の言葉に嬉しいのか口を少しムニムニと動かすメアが頷く。
「フィル、重いだろうけどいいか?」
「グォオ!」
「なら頼むよ。メア、しっかり掴まっとけよ?」
フィルにまたがると風の加護を発動させフィルの背に掴まる。
次の瞬間フィルが力強く羽ばたき天高く舞い上がりみるみるうちに城から離れていく。
「そろそろ戦場に戻って元凶を捜し出してぶっ転がしてやる」
「ぶっ……転が…す?」
「メアは知らなくていい言葉だよ」
風の加護のお陰か先程城を出たはずなのにも関わらず戦場が目で見えるほどの距離まで近づいてきた。
「そろそろ降りるか。フィルは俺が降りてから少ししたら降りてきてくれ、攻撃されたらたまらない」
「グオ」
「メア、ちょっといいか?」
「どうした………で……?!」
いきなりの俗に言うお姫様抱っこをされたメアは顔を赤くして顔を抑える。
「これが一番身体を触らない持ち上げ方だから我慢してね?」
「ッ?!〜〜〜ッ?!」
流石に最近こういうのに慣れてきても女の子の身体を触るのはかなり抵抗があるからなぁ……メアごめん!
フィルから飛び降り、着陸目前になると即座に羽を作り出し羽ばたくことで勢いを殺しフワッと地面へ降りる。
「メアごめんね、もう少しこのままになりそうだ」
周りを見回すと周りにはゾンビがウヨウヨと彷徨いている。
「汚物は消毒しないとね!」
シファー「さて!帰ってきましたよォ!」
ルアン「そうだねぇ〜」
シファー「さて、今日は」
ルアン「今回からフルネームなんだね」
シファー「ちょっと?!」
ルアン「このコーナーが一時的に消えたのはサタンのせいなんだけどねぇ?」
シファー「あ、えと、ああもう!」
ルアン「時間が無いのでまた次回〜」
シファー「ちょっとぉぉぉ!」




