厄病神の少女
その少女は厄病神と呼ばれていた。
彼女は生まれつき不幸を引き寄せ毒を発生させる体質なためそのように呼ばれていた。彼女の息を吸ったものは肺が崩れ彼女を傷つけようものなら死に至る不幸が降りかかる。少女の住む村では村人はおろか両親ですらも少女に近寄ろうとすらしなかった。そんな中一柱の悪魔がその少女の元に現れその少女と共に消え去った。村の人々の事に喜んだが後に降りかかる厄病により村は壊滅してしまった。
「━━というお話なんだけど」
「だいたい分かった、その悪魔がお前でその少女がそこのメイドだろ?」
「なんだ、わかってたか」
「そんで?この話をして俺に何をしろと?」
「その事なんだが、この子を連れて行ってくれはしないだろうか、無理なら友達くらいにはなってやれないかい?」
「今俺がここにいても特に何も感じないってことは毒の制御出来てるんだろ?」
「………は、はい……」
「なら一緒に来るか?」
「……え?」
彼女はあたふたとしてサタンと呼ばれていた魔王を見たりこちらを見たりして困惑している。
「嫌なら一緒に来なくてもいいぞ?」
「あ、あの……え……ぁ…い、行きたい………です」
「ふぅん、一応聴くけどルアン君その子を連れてって何をするつもりだい?」
口下手メイドちゃんがあたふたと答えるとサタンが口の橋を吊り上げ悪戯な笑みを浮かべると馬鹿にしたようなトーンで質問してくる。
「こちとら何処ぞの堕天使様に世界救え言われてるからな、人手は多いほうがいいだろ?」
「もしかして最初から気付いてた?」
「当然だろ?伊達に七大罪やってねえよ、まぁ前に調べたお陰でもあるが」
「え?………サタン、どういう事?」
「しょうが無いですねバレたからには白状しましょう。私は憤怒の化身サタンでありながら傲慢の化身ルシファー、ちなみにルアンさんからはシファーという名前をもらってます」
「サタン…悪魔じゃ…なかったの?」
「悪魔で堕天使ですっ!フフん」
「メイドちゃん、このお馬鹿さんは堕天使と悪魔に変身できるってことだよ」
お馬鹿じゃないです!という幻聴が聞こえるが無視してメイドちゃんと話す
「ところで聞いてなかったけど名前なんて言うの?」
「あぁ……えっと、メ、メア…です」
「メアか、いい名前だね」
「でしょう!私が考え━━」
「あのバカが考えてなかったなら」
「ええぇ?!」
『口下手メイドのメアが仲間にな━』
『ベル、うるさいよ?』
『なんだいなんだい、人がせっかくインフォメーションしてあげてるのに』
『いらんわ』
「んじゃあ私はこれで〜」
「シファー、こっちに少し現界できなかったのは魔王としてここにいたからだろ?」
「えぇ、そうですね?」
「ならいつでも来てくれよ?」
「了解です」
シファーはそう言うと光となり消えていった。
次回からあのコーナーが復活?!




