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魔王サタン

モリオン水晶のように黒く澄んだ色にところどころに散りばめられた金の装飾が強固な城を一つの芸術作品へと仕立てる。

しかしその芸術作品のような城は魔術による障壁が何重にもなっており、万が一大勢の人間が攻めてきても被害を出さずに乗り切れるであろう。

しかし、物事には例外というものがあるものだ。


例えば()()()()()()()()()()()()などだ。


「魔王様!!ワイバーン達を向かわせましたがものの数秒で一体を残し全滅!その一体はあちら側へと寝返りました!」

「まぁそう慌てる事ではない、さらにこの戦争をふっかけたのは私ではなく貴様らだしな」

「サ、サタン様!!」

「煩い、これは貴様らの自業自得だ!!自分の罪は自分で償え!!」


そのサタンと呼ばれる魔王は自らの配下へ冷たく軽く殺意のこもった声を放つ。


「あぁ、久しぶり、と言うより初めましてか、会うのが楽しみだよ()()()さん」


その笑みは見るものを魅了し同時に背が冷たく凍るような笑みであった。



〜〜〜


「さてと、フィルに初任務だ」

「グォオ!」

「お、やる気満々かいい事だ。初任務は魔王城へ乗り込みひと暴れする事だ!」

「グォオ!(むかつくあいつらに一泡吹かせてやる!)」


なんか今フィルの返事にかなりの悪意というか、怖いことを言っていた気がする!


「フィル、絶対にアイツらに捕まることは無いようにな。それとくれぐれも死なない様に!俺は仲間と認めたやつが俺より先に死ぬことを許さないからな」

「グォオ!(最後のは守りかねますが他ならば容易い御用です!)」


なんか今さらっと約束を守るつもりない発言しなかったか?


「グォオ?」

「いや、何でもない」


そんな会話をしているうちに黒い城を中心とした街を見つけた。


「フィルあれが魔王城か?」

「グオ!」

「よし、乗り込むか!」

「グォオ!」


そう言うと俺達は急降下しどんどんスピードをあげ城の周りにある何かを突き破り城の一部へ突っ込んだ。

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